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第12話 パートナー制度
しおりを挟む「忘れる前に清算をしておきましょう。さぁ、カードをお願いしますわ」
カード?
「カードって、どれの事?」
やはり記憶が混乱している。
どれか分からず僕はそれらしいものをマリアさんに見せた。
「学生ですから、このセキュリティーカードがそうですわ! 落札して下さった金額150万ウェン払いますわね」
そう言うと、マリアさんは自分のカードをバッグから取り出して僕のカードに重ねた。
すると、カードからピコッという音が聞こえて、僕のカードに『150万ウェン』入金と画面に表示された。
「150万ウェンってどの位の金額ですか?」
「そうですわね、安めの車が新車で買える位ですわ。それで私との1時間はどのように過ごして下さいますか? やはりこんな端金じゃ、お話だけですわよね?」
そう言いながらマリアさんは目を伏せた。
なんだか、そんな金額を使わせて凄く悪い気がする。
「まず、1時間というのが凄く悪い気がするので時間を延長しましょう。 寝ないでというならそうですね、3時間位。一緒に眠っても良いのなら明日の朝まででもいいですよ?」
「え~とそんなにお時間を譲って下さるのですか? それなら幾ら追加のお金をお支払いすれば……」
「お金はこれ以上は要りません。僕がマリアさんと過ごしてみたい、そう思っただけですから」
王族の血を引くって凄いな。
キラキラ光り輝く金髪に透き通るような白い肌。
細いウエスト、それなのに胸は大きい。
まるで、昔みたまさに王女様その物だ。
「あの、本当に宜しいのですか? その……一緒に眠っても良いのならというのは、その添い寝して一夜を明かすという事で間違いありませんか?」
「はい……その代りお話多めでお願いできますか? 実は、僕一部記憶が混乱していまして、色々と教えて頂きたいのです」
同じスクールの子だと変な顔をされたり、驚かれるから聞きづらかったから丁度よいや。
「そもそもお話はしたいのは私も一緒だから構いませんわ。それで何からお話しましょうか?」
「あの、マリアさんは王家の血を引いた王女様みたいな方なのですよね……普通に男性にモテませんか?」
「あらっ、本当に記憶が混乱していますのね。 確かに私はフランシスコ王朝の血筋で、時代が時代なら王女ですわ。ですが、第三次世界大戦でフランシスコ王国は敗戦側に付きましたの……その結果、 戦勝国側が分割統治をおこなう事になり、国は無くなりましたわ。」
「大変だったのですね」
「そうでもなかったみたいです。 国が解散しても王家や貴族にはある程度の財産が貰えましたから、そのお金で事業を起こして、今のアントワネット家があります……ですから、今は王家の血を遠くに引いた実業家。そんな肩書になりますわね」
尊い血筋の実業家。
普通に考えたら幾ら男女比に偏りがあってもモテそうだけど……
「あの、その状態なら男性なんて……」
「モテないですわ。セレス様は混乱しているようですが圧倒的に男性の方が少ない……そんな中で、その少ない男性が女性を毛嫌いしているのですから、モテる筈がないのです。『男性専門チャンネル』でもこういったチャンスを貰える例は少ないと聞いていますわ。 中には金銭目的でお話だけ仕方なく聞く男性が多いと聞きました。 しかも、あのチャンネルはオークションせいで金額がどんどん上がっていくのですが大体が1千万ウェン位の落札が多く、それでも落札されれば良い方で多くは落札されずに終わりますの」
こんな絶世の美少女がモテない。
考えないようにしようと思っていたけど、僕の中の常識とは随分違う。
「マリアさん、みたいな美少女が……」
「確かに容姿には自信があり、同性からは綺麗と言われますが、男性には美貌なんて通用……えっ!? 今、美少女とおっしゃいましたか?」
「いいましたけど。 マリアさんは凄くお綺麗ですよ」
これ程の血筋の美少女がただ褒めただけで笑顔になり顔を赤くする。
やはり信じられないな……
「あのですね……その、未成年のセレス様には言いにくいのですが、私を抱いてみたいとか、ハーレムの末席に将来欲しいな、なんて思っていませんわよね?」
抱きたいと思わないわけ無い……だけど、その前に『ハーレム』ってなんだ。
「ハーレムってなんですか?」
「ハーレムはハーレムですわ。 あっ、記憶が混乱しているのでしたわね。地域によって誤差はありますが、男性は19歳~24歳までの5年間で最低3人以上のパートナーを迎えると言うのが政府の理想ですのよ。綺麗だなんて言われましたから、その、セレス様が作るハーレムの1人になれたら……なんて思ってしまいましたわ」
「結婚とかじゃなくてパートナーですか?」
「あら、随分古い事をおっしゃいますわね。男女比が1:5位の時に結婚という制度は破綻して無くなりましたわ。男性は女性を独占する事はできますが女性は男性を独占する事は出来ませんもの。そこで出来たのが『パートナー制度』なのですわ。政府の指針としては、男性は最低3人以上の女性とハーレムを作りなさいという制度ですわ。罰則はありませんがパートナーが決まらないと、政府から必要にお見合いの斡旋や督促がくるみたいですわ……尤も男性の多くは女性が嫌いですから名ばかりの登録で3人の女性を登録して終わりにして、その後一切女性と合わない男性も多いとは聞いておりますが……」
「会って貰えないハーレム要員……そんなのでも女性はなりたいのですか?」
「私は嫌ですが、人によっては形だけでも『誰かの物になる』それに憧れる女性も多いと聞いていますわ。 なかにはその枠をお金で買うなんて人もいるみたいですわね」
かなり男性に有利な制度みたいだけど、女性は基本的に選ばれたら断らないから『早い者勝ち』みたいに思える。
まだ、三年あるとはいえ、早いうちに行動を起こした方が良いのかも知れない。
「色々、教えて頂き有難うございました」
「この位構いませんわ……それで、その……これからどうしましょうか?」
「そうですね、とりあえずシャワーを浴びてから寝ませんか?」
「シャワーですか?」
「一緒に浴びませんか?」
「えっ!? 良いんですか?」
「誘ったのは僕なんですけど……」
「入りますわっ! 入らせて下さい」
これ程の美少女が、一緒にシャワーを浴びるだけでこの喜びよう。
これが当たり前の事。
それは知っているのに心の奥底で『信じられない』そう思っている自分がいる。
「それじゃ入りましょう」
僕は手早く服を脱ぎユニットバスに向かった。
マリアさんがドレスを脱ぎ捨てると、思った以上に大きな胸に驚いた。
着やせするタイプなのかな……それ以上に透き通るような肌にはシミ一つ無く、綺麗な金髪にブルーアイ……人間ではなくまるで人形の様な、いや美術品のように綺麗に思えた」
「どうかしましたか?」
「いや、なんでも……凄くお綺麗ですね」
「まぁ、嬉しいですわ」
少しは慣れてきた気がするけど、駄目だ顏がどうしても赤くなる。
◆◆◆
二人してシャワーを浴び出て来た。
今はバスタオルで体を拭いた所だ。
マリアさんが脱いだレースのパンティを履こうとしていたが……横から手を出しレースのパンティを引っ張った。
「マリアさん、それ要らない」
「えっ!」
「だから、履かなくていいよ……だってするんでしょう?」
「え~と……」
なんだか、戸惑っている。
「セックスしたくないんですか?」
そう言った途端に顏がぱあっと明るくなった。
「したいに決まってますわ!」
そう言うとマリアさんは綺麗な体を隠しもせず抱き着いてきて……
「ハァハァ我慢できませんわ! うんぐっハァハァ」
僕を抱きしめ舌を絡める濃厚なキスをしてきた。
「マリアさん、僕は逃げないし、夜は長いから焦らずにベッドに行きましょう」
そう言うと僕はマリアさんをお姫様抱っこし……
「えっ夢みたいですわ……」
赤い顔をし僕の首に手をまわしてくるマリアさんを強く抱きしめ、ベッドへと連れていった。
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