3度目の人生は未来世界で！ 仲間に裏切られ、記憶を失った元勇者の男女比1対50の未来学園甘々生活。

第42話 アイドルの真実

部屋に帰ってくると、すぐに洋子から電話があった。

どうやら、無事についたかどうか確認の電話と名残惜しいのか少し話したいと言う事だった。

気になった事もあり、少し話すと……

僕の知っているアイドルと随分とアイドルの意味が違っていた。

この時代のアイドルは、僕の時代と異なり『アイドルとは、愛を探す活動らしい』さらに、ドルはお金の事を現すそうだ。

どういう事かといえば、洋子達が歌を歌ったりドラマを頑張っているのは、『男が欲しいから』だそうだ。

お金を事務所に払って「自分を売り込む」のが目的で、お金は貰うのではなく払うんだって。

事務所の力で、テレビやマスコミを使い露出を高める。

そうする事で引きこもりがちな男性の目にとまる事になる。

その結果、運が良ければ男性と知り合える。

そういう仕組みらしい。

ドラマに出るにもCDを出すのにも少なからず、アイドルが事務所にお金を払うのだそうだ。

凄く、世知辛い気がする。

それが女性アイドルの実態だった。

逆に、男性アイドルは前以上に高嶺の花なのだそうだ。

洋子は、バイトで貯めたお金をで投資を頑張り増やして、そのお金を全部アイドル活動に突っ込んでいたけど、今迄出会いが無かったそうだ。そろそろ軍資金も底をつき、アイドル活動をするお金が無くなってきたから引退しようと考えていたそうだ。

聞くと悲しくなった。

だって、僕の時代なら、アイドルが高嶺の花。推しのアイドルとつき合えるなら何でもする。そういう男性が沢山いたような気がする。

まだ、僕はこの時代の事は詳しくは知らないけど、せめて僕だけは優しい男になりたい、そう思った。

『それじゃ、お金が無いんじゃない？　大丈夫？』


『全然大丈夫だよ！　アイドル活動は凄くお金が掛かるから金欠だっただけだもん。　アイドル活動を辞めれば、月に数百万は稼げるから……そうだ、セレスくん欲しい物……』

ピンポーン。

『ゴメン、誰か来たみたい。　はい』

「お届け物です」

洋子と話していると、小包が届いた。

差出人は洋子だ。

荷札には衣装って書いてある。

そう言えば、衣装を送ってくれるって言っていたっけ。

「ありがとうございます」

サインをして帰って貰った。

『セレスくん、どうしたの？』

『うん、衣装が届いたんだ。ありがとう』

どう見てもアイドルの衣装って高そうだよな。

『どう致しまして』

それから少し雑談をして電話を終わらせた。

◆◆◆


せっかく貰ったので、制服をクローゼットを整理して飾った。

本当は部屋に飾りたかったが良く考えるとこの部屋には女の子も良く来るから、見られると恥ずかしい。

ついでにこの間撮影した写真の中でソフトな物をクローゼットの内側に貼りつけた。

なんとなく、昔の僕の部屋に近くなった気がする。

まぁ、こんな物だろう。