旧作幼馴染と姉妹が寝取られました~ そんなの気にするな! 幼馴染と姉妹を勇者に寝取られた弟をたった1か月で立ち直らせた、凄腕商人のクズ兄貴!

石のやっさん

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最終話 ロザリオと...

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帝都についた俺は少し休むと【奴隷商】にジミナをつれて行った。

もうジミナにとって三人との思い出は苦い記憶程度になっている筈だ。

本来なら、俺は帝都で普通にジミナに生活させれば良いとも考えたが、それじゃクズ勇者のマモルにまたとられたらジミナが落ち込む、そう思いジミナの結婚相手を此処から選ぶ事を考えた。

商人にとっては情報は命だ。

昔し、奴隷商に【魅了】と【奴隷紋】どちらが強いか聞いた事があった。

その結果は【奴隷紋】だった。

「奴隷紋が刻まれたら、主人には逆らえません、例え愛し合った夫の目の前でどんな辱めの命令を受けても従います...奴隷紋の苦痛は地獄ですからな」


そう言う事だった。

だから、もしマモルが今度ジミナから女を取りたくても、そう簡単に取れない。

それに勇者として活躍したら醜聞があるから、他人の財産の奴隷を奪うなんてしにくいだろうし...嫌な言い方だが【中古女】になった女を手元に置きにくいだろう。 貴族や王族等の権力者は側室や愛人にすら処女を望む位だからな。



「お久しぶりです、オリオン様」


「久しぶりだな」


「兄ちゃん此処は?」

「奴隷商だ...此処で、お前の嫁さんを買ってやろうと思ってな」

「そんな...兄ちゃん、人が買えるの?だけど、買ったって、愛してなどくれないんじゃないの?」

こうジミナが言うのは解っていた。

だから、奴隷商の主人に少し話す時間を貰う事にした。

こう言う奴隷商にはサロンがあり、談話するスペースもある。

本来は奴隷と話すスペースだが、あらかじめ此処の常連で俺が奴隷を買うきっかけになった人に来て貰った。

その人の名は【奴隷冒険者ダラス】

冒険者をしながら、そのお金で奴隷を買いハーレムで暮らす男。

まぁA級だからこそ出来るのだがな。


「兄ちゃん、そんな事はねーぞ! 奴隷になる様な奴はエルフを除き大体が、悲しい過去や辛い過去を背負っている、だからこそ優しく真摯になってあげれば、本当に好きになって貰えるんだ」

「本当ですか?」

「実際にダラス様が購入した奴隷は奥様になって皆さん幸せそうですぞ」


ジミナはダラスや奴隷商と色々と話していた。

暫く話すと、ダラスに頼んで奥さんとも話していた。

そして納得したらしく

「ダラスさん、奴隷商さん、ありがとうございます、兄ちゃん本当に買ってくれるの」

「ああっ、その代わり兄ちゃんと一緒に、暫くしたら働くんだぞ」

「うん、解ったよ」

「それじゃ、色々中を見て回らせて貰え、店主お願いします」

「ええっ、自由に見て貰って構いません」

資金は沢山ある。

最初の奴隷位自由に選ばせてやろうと思ったから、ジミナには自由に見て貰う事にした。

まぁ資金から言えばエルフだって余裕で買える位だ。


女奴隷たちは必至でアピールしている。

さっきワザと大きな声で「此処で、お前の嫁さんを買ってやろうと思ってな」と言った。

【嫁さん】...大切に扱って貰えると解っているから必死になるだろう。

そして、ジミナは美少年だから、地獄から天国にいけるかも知れないのだから当たり前だ。


じっくり見て回った末、ジミナが選んだのは 元は綺麗だったかも知れないが...死んだような目をした女だった。

奴隷は自分からは声を掛けられない。


「君の名前を教えてくれるかな?」

「ロザリオ...うふふ、今はゴミみたいな女ですわ」

「話しをしてもよいかな」

「良いわよ、私みたいなゴミで良いのなら」


ロザリオは本当かどうかは解らないが、王国のロンベルグ侯爵家の令嬢だったそうだ。

学園で決闘に負けて、売り飛ばされた。

本来なら貴族だからそんな事は出来ないのだが、【初露の儀】の相手が欲しかった王族にその決闘に勝った人間は売り飛ばした。

初露の儀とは王族が童貞を卒業する為の儀式との事だ。

「本当に地獄...地獄でしたわ」

初露の儀で無理やり犯され、その次は子供が出来ると王位継承権問題になるから、無数の貴族や騎士、更には下人にまで犯される。

ロザリオに話で聞いた数では400名を越えていた。

貴族の娘が王族にレイプされ400名からの人間に、まるで性処理便器の様に犯される。

そんな地獄で暮らしていたら...本当に地獄としか思えないだろう。


【奴隷商とオリオンの会話】

「あれは本当なのか?」

「はい、本当は、その後殺される運命だったのですが、下人が金欲しさに、こっそりと売りに来たのです、多分推測にしかすぎませんが、本当かも知れません...ただ保証はしかねます」

「確かに王都じゃなく帝都なら売れるか」

「そう言う事ですね」

「だが、ロンベルグのロザリオって言えば...」

「ギルリアという冒険者を使い、決闘を吹っ掛けていた、悪名高き令嬢ですね」

「それじゃ、誰も買わないな」

「性格の悪い悪役令嬢の成れの果て、しかも、あそこ迄の数の男に抱かれた女、そして貴族だったという事は口外できない、家事は何も出来ないし、性格は悪い、まぁ売り物にしていいかどうかすら考えるレベルの奴隷ですね」





「地獄に居たんだね...本当に辛かったね」

《なんで、この方は泣くのでしょうか? 馬鹿にするのが普通ですのに》


「髪はくすんでしまっているけど、綺麗なプラチナブランド、肌は痣だらけだけど、多分雪の様に綺麗だったんでしょうね」

「昔はそうかも知れません...わ」


「俺は此処に嫁を買いに来ました、情けない話ですが幼馴染たちは他の男にとられてしまう様な情けない男なんです」

《この人が何故振られるのでしょう? 女の私から見ても色が白くて婚約者だったクラソスより綺麗ですわ》

「その様な事がありましたの?」

《まぁ、嫁が欲しいのなら平民とはいえ、こんな使い古し買いませんわね》


「はい、それでロザリオさん、宜しければ俺の嫁になってくれませんか?」

「あの...話しを聞いてました? 私は、その汚い女ですわ」

「僕はただの平民です、しかもこれから兄ちゃん、いや兄さんに仕事を教わりながら生活するから、それ程裕福でありません、上位貴族だったロザリオさんには不釣り合いかもしれません...ですが俺は貴方が気に入りました、私が過去に好きになった方よりも貴方は素晴らしく見え、正直一目惚れです嫁になってくれませんか?」

《何が起こったのか解りません...ゴミにまで落ちた私に、天使のような美少年がプロポーズしています、このまま多分鉱山送りになりそうな私にです...前回は悪夢で、今回は福夢ですか...》

「私でよければ、不束者ですが宜しくお願い致します」




「兄ちゃん、決めましたこの人でお願い致します」

「おい、ジミナ、他の奴でも良いんだぞ? ほら、あそこに1人エルフがいる、あっちにしないか?」

「俺はこの人がどうしても欲しい...兄ちゃん駄目かな」

「本当に此奴で良いんだな」

「はい、この人がどうしても良いです」

《おい、奴隷商にダラスも口を開けてポカンとしているぞ》

「はぁ~ まぁこういう事にはお前は頑固だからな、だそうだ此奴は幾らだ」

「奴隷自体は金貨2枚ですが、奴隷紋が金貨3枚ですので合計金貨5枚になります(約50万円位)」

「安いな」

「鉱山送り寸前の奴隷ですから」


「解った、主人はジミナで契約してくれ」


「お買い上げ有難うございます」



俺は誤解していたようだ。

ジミナが巻き込まれるのでなく、此奴が多分危ない女を呼びよせているんじゃないだろうか?

エルフに着飾った令嬢、優しそうな女にセクシーな女。

その中でピンポイントに選んだのが、ロザリオなんて有名な悪女。

将来伝説の【拷問王妃 黒薔薇】みたいになると言われた悪女、それを選ぶんだからな。


こんな危ない女を檻から出した途端に抱きしめて凄く幸せそうにしているジミナ。

そして...まっかな顔してどうして良いか解らず手をわなわなしているロザリオ。


この悪女キラーめ...思わずそう、言いそうになった。


(完)

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