友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん

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勇者リヒトの旅立ち

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結局、俺達四人は全員四職のジョブを失った。

これなら、もう鑑定されても問題は無い。

誰も俺を『勇者リヒト』とは思わない。

どうして失われたかは解らない..だがこれは都合が良い。

もし、俺に勇者のジョブがあれば、生涯教会と関わり合いが無い生活しか送れない。

今の俺は何故かジョブのランクが下がり『上級騎士』。

セレスの魔法戦士より更に1ランク下だが、充分に上級職だ。

これで良い。

勇者特権を手放すのは惜しいが『自由だ』

勇者は何でも手に入るかも知れない、だがその分窮屈だ。

長い時間を掛け魔王と戦い…束縛をされる。

確かに、ケイト、ソニア、リタは幼馴染で可愛い。

だがな、上には上が居るんだよ。

四職に一緒に選ばれたから長い時間、傍に居なくちゃならない。

だったら3人全部欲しくなるじゃ無いか?

だがな、『勇者』という称号が無くなれば、この3人なんて別に欲しくは無い。

俺はセレスと買えもしない奴隷商を見た時思った。

少なくともあそこに居た高額奴隷はこの3人より遙かに綺麗だった。

『勇者』の肩書が無ければ『買えるんだ』

親父が遊びで抱いた女にすらこいつ等と同等の女なら何人か居た。

勇者で無くなれば女を口説いても誰も文句は言わない。

俺は金なんて欲しくは無い。

本当に欲しいのは『極上の女』だ。

それを手に入れる為に『金』『地位』が必要なだけだ。

俺のお袋は親父が選んだ女だけあって美人だった。

まぁ今はババアだがな、多分この三人が歳をとった時にお袋を越えるか…超えねーな。

勇者の俺には此奴らが必要だった。

だが勇者でないなら『要らない』、冷静に考えたら、この程度の女ならセレスに全部くれてやっても良い位だ。

俺の取り分は金貨3枚だけで良い。

金貨70枚は此奴らに置いていこう。

金貨70枚、これだけあれば確かに、そこそこの奴隷は買える。

悪いが元村娘のケイト、ソニア、リタに女としてはそれ程の価値は無い。

だが『幼馴染』ではある…嫌われたくない、だからこれは置いていく。

セレスも同じだ…俺にとっては幼馴染。

大切な幼馴染4人…だが女の前には『幼馴染』『親友』も掠れてしまう。

俺にとっては自分の命の次に大切なこいつ等。

だがな『女、それも極上の女は俺の命と同じ』だ。

悪いな..

本当に悪い…

だが、これが俺なんだ。

こればかりはどうやっても治らない。

俺は手紙を残し宿屋を後にした。

俺は自由だ。


◆◆◆

【リヒトの手紙】

今の俺たちはもう四職では無い。
だが、俺は上級騎士 ソニアは上級ヒーラー リタは上級魔術師 ケイトは上級剣士だ。
それぞれが優秀である事に変わりない。
魔王と戦う運命が無くなった以上、最早一緒にいる必要は無いのではないか?

それぞれが夢があるだろう?
ソニアは回復師に、リタはアカデミー職員、ケイトは自由気ままに暮らす。
それが夢だった筈だ。
勿論、俺にだって夢はある。
勇者で無くなった今、俺は俺の夢を叶える為に残りの人生を使おうと思う。

だから、お前達も自由に暮らせ。
そのまま3人で冒険者パーティを続けるもよし。
昔の夢の為に解散してスタートするもよし。
セレスの元に行くのも良いかも知れんぞ。

お前達が寝ている間に俺は消える。
もう一度お前達を見たら気が変わるかも知れないからな。

                         リヒト

◆◆◆

こうしてリヒトは仲間を捨て一人旅立った。


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