親友に恋人を奪われた俺は、姉の様に思っていた親友の父親の後妻を貰う事にしました。傷ついた二人の恋愛物語

石のやっさん

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第16話 東条家との話し合い

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次の日には芽瑠の親である海人さんと紗代さんが訪ねてきた。

こういう所が村だと本当にめんどくさい。

これが、都心部だと、相手の都合を聞いてアポイントをとってから訪問するのが当たり前だが、村では違う。

村だと特にお年寄りに謝罪する時にアポイントをとろう物なら『反省の意思はない』と取られやすい。

これは許される為に謝罪するのでなく、本当に反省していて謝意を伝え足を運ぶ。それに意味があると村では考えるからだ。

だから、連絡などせずに謝罪の為に、何度も足を運ぶ事に意味がある。

足を運ぶ事が謝罪になる。

小さなことでなく、大きな事の謝罪は『許して貰えるまで足を運べ』それが村での基本。

だけど、俺からしたらメンドクサイの一言だ。

謝罪を受けるために相手に気をつかい家に居ないといけない。

本当に馬鹿らしい。

「どうぞ、おあがり下さい」

二人を居間に通した。

美沙にはお茶を出して貰い、奥の部屋に引っ込んで貰った。

多分、嫌な話になりそうだからだ。

◆◆◆

「態々足を運んで貰ってすみませんね」

「いやいや、今回はうちの芽瑠が馬鹿な事をした詫びだからこちらから足を運ぶのは当たり前だ」

「婚約中の不貞なんだから、幾ら詫びても詫び足りない位よ」

「それは、もう終わった事ですから、気にしないで下さい。古馬本家からはお詫びと償いをして貰いもう終わっています。芽瑠さんにしても正一に言い寄られたら仕方ないと思います。古馬の御曹司で優しく垢ぬけていますからね」

「そう言って貰えるとこちらとしては助かる。 それでこちらとして確認なんだが、もう芽瑠とやり直す事は無理かな?」

「たった一度の過ちだし、どうにか許して貰えないかしら、芽瑠だって後悔しているし、反省しているのよ」

「それは無理です……俺はもう美沙さんと結婚しましたから」

「何故なんだ! 古馬本家、正一くんへの意趣返しなのかも知れないが、あの女は後妻とは名ばかりで実質権蔵さんの愛人みたいな物じゃないか!」

「そうよ、あの女は権蔵さんにオモチャの様に扱われていた汚らわしい女じゃない。あの女に比べたら芽瑠の方がまだ、マシだわ」

余り揉めたくないんだけどな……

詫びに来たんじゃ無いのかよ。

「美沙さんが、そうなら芽瑠はどうなんだ? 言いたく無かったけど、正一のおもちゃに進んでなったんじゃないのか! 正一が芽瑠とやった事を堂々と俺に自慢してきたんだ。そして、その横で嬉しそうに笑顔でそれを認めて自慢してきた。俺じゃ無くて正一の方が良いんだってさぁ、俺があげた指輪は捨てたみたいだ。正一とそういう関係を続けたいからさぁ安い指輪をしていたよ。さぁ聞かせてくれよ! 無理やり権力で囲われた女と自分から婚約者を裏切りその親友とガンガンやりまくった女……どっちが『汚らわしい』のかを?」

これはかなり盛っている。

だけど、嘘じゃない。

「和也くん……それは」

「それは、本当の事なの……」

「そうですよ、突然、正一に呼び出されたらと思ったら、芽瑠や他の令嬢達とSEXしたというマウント!その横に芽瑠が居て、正一に抱かれながらニヤついてこちらを見て来た。それでも食い下がったんですよ俺、そしたら『真面目なだけの俺と違って正一が良い』なんて言われて、芽瑠との生活の為に忙しく働いていた俺に『寂しかった、正一さんは違う』そして、婚約指輪を外し正一の指輪を見せつけてきたよ。 俺は親を早くに亡くしたから、お二人の事は半分親の様に思っていましたから、言いたく無かった。だけど、そこ迄言うなら言わせてもらう。貴方達の娘は美沙さんより汚いだろう!自分から進んで婚約者を捨てて、その友人と楽しむ様に結婚しないでSEX三昧……どうですか? 美沙さんは無理やり、芽瑠は自分の意思だ!どうですか?」

「すまない……やめてくれないか」

「ああっ、そうね……芽瑠は芽瑠は……」

「言い過ぎました、謝ります……ですが、察して下さい!もう言いませんが、自分が大切にしていた婚約者が、もう他の男の物で、何回も抱かれていて、それを喜びながら告白してくる。しかも目の前で服に手をいれられた状態で胸を揉まれて喜んでいる。こんな女どう思いますか? 海人さん紗代さん……」

少し盛ったが嘘じゃない。

「最低だな……」

「汚いのは……芽瑠の方ですね。ごめんなさい」

「別に構わないです。もう終わった事ですから……ただ、それなりにこっちも傷ついているんです。 そこを掘り下げるのは辞めませんか?」

「そうだな」

「そうね……だったら和也さんは芽瑠の事を、相当恨んでいるわよね」

「そんなに恨んでいませんよ! 今回は正一と芽瑠が馬鹿やってくれたおかげで美沙さんが貰えましたから」

「ちょっと待ってくれ、あの女は君より5歳も年上で、言っちゃなんだが権蔵さんの後妻にはなっているが、実質愛人、妾じゃないか? 」

「まさかと思うけど、本心であの汚れた女が良いっていうの? 言いたくはないけど近隣じゃ有名な話だわ」

「その話は、今回の流れじゃ仕方ないか……俺は今現在、両親が居ないですよね? 芽瑠さん、いや東条家に求めたのは家族です。だから、俺の気持ちの中では、芽瑠さんを嫁に貰うのではなく、僕を貴方達の家族にして欲しい!その気持ちの方が強かったんです。芽瑠さんを妻にすれば、自然と俺に義理とはいえ父親と母親ができますから」

「それは解る。実際に和也くんは家族のように私にも接してくれていた」

「私だって半分息子の様に思っていたの。だけど、今の話とどう関係があるのかしら?」

「俺には両親以外に家族の様に思っていた人がいました。それが美沙さんです。権蔵さんの後妻に無理やりされる前は姉弟みたいに付き合っていました。美沙姉と呼んでいた位です。血こそ繋がっていませんが、ある意味両親以外で家族に一番近い存在なのかも知れません」

「そうなのか」

「美沙さんは、そういう存在だったのね」

「だから、今回の事が原因で 妻になる芽瑠に両親になってくれる存在を失いましたが『姉』のような存在は取り返せました。気持ち的に凄く複雑です。 シスコンと呼ばれるかも知れませんが、すぐに婚姻をしたのも『姉』『家族』をもう誰にも奪われたくないからなんです」

「和也くんの気持ちも解ったし芽瑠との修復ももう無理なのは解った。あとは慰謝料の話なのだが……これで勘弁して貰えないだろうか?」

目の前にカバンが置かれて、開けてみると中には1千万入っていた。

『豪農』その見栄の為大変だな。

だけど、正一と芽瑠が馬鹿をしてくれたから俺は美沙姉を取り戻せた。

婚約者の芽瑠に指一つ触れていない。

これを皆が『芽瑠を大切にしている』そう思ってくれている。

俺自身もそう思っていたが、本心は違う。

美沙姉の事を諦めきれていなかった。

心の底で美沙姉を忘れられなかったから芽瑠に手が出せなかったんだと思う。

だから、浮気して良い。

そうはならないが、つき合って居るのにキスはおろか手も握らない。

他が円満でも『男女の付き合い』という意味では芽瑠に不満が起きるのは当然かもしれない。

だから……

俺は1千万の中から301万円を取り出し残りを返した。

「それはどう言う意味ですか?」

「いえ、私が芽瑠さんに渡した指輪が300万円。1万円は慰謝料です。これで構いません」

本当は慰謝料は0円でも良い。

だが、どちらが有責か残す為、僅かでも良いから受け取った方が良いと聞いた記憶がある。

「本当にそれで良いのか?」

「構いませんよ。芽瑠さんが正一を選ぶって事は俺にも不満があったのでしょう。恋愛とはどちらか1方が悪いと言い切れませんから、縁が無かったそれだけです。デパートの件も相手との引き合わせまではします。これで良いですか? 海人おじさんに紗代おばさん」

もう俺が義父、義母と呼ぶことは無い。

不倫した芽瑠が悪いが、俺もそれを利用した。

これ位で充分だ。

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