親友に恋人を奪われた俺は、姉の様に思っていた親友の父親の後妻を貰う事にしました。傷ついた二人の恋愛物語

石のやっさん

文字の大きさ
41 / 65

第41話 芽瑠SIDE 私の居場所

しおりを挟む
あ~う~合わせる顔が無い。

私は和也さんを傷つけてしまった。

だから、個人的に詫びたくてこうして近くまで来た。

よく考えたら、直接和也さんを傷つけていたのは『正一さん』と私だけだ。

恵子も真理愛は婚約も何もしていないから関係ない。

この近辺に居る、只の年頃の女の子……それだけだ。

ただ、正一さんの後ろに立っていただけ……

これで和也さんに詫びを入れるのは可笑しいよね。

3人の中で、結局……悪いのは『婚約者が居るのに不倫をした私』だけだ。

クズみたいな正一さんに……良そう。

流されたのは私だ。

正一さんに口説かれて流される様に最後の一線を越えてしまったのは私だ。

『自分が悪い』

だから、私だけは和也さんに謝らないといけない。

だけど……聞いた話では今は引っ越してこの辺りの一軒家に住んでいるって聞いたんだけど。

ああっ、あそこね。

家の前まで来たけど……インターホンを鳴らす勇気がない。

どうしよう……

家のなかには居そうだけど、はぁ~本当にどうしよう。

様子でもみようかな……窓開いているし。

◆◆◆

「美沙姉、今朝食つくるからね」

「和也くん、凄く手際が良いね……正直いって私より上手くない?」

「まぁね一人暮らしが長いし、スーパーの試食でウインナーやら肉やら焼いていたし、調理の仕方のレシピのチラシとか作っていたから、結構得意だよ」

「ハァ~女として自信無くしちゃうな。だけど和也くん、朝食からハンバーグなんだ。 スープにサラダまでついてまるでディナーみたいじゃない?」

「美沙姉には精力をつけて貰わないとね! 暫くは少しカロリー高めにするつもり。この位なら食べられるよね!」

「和也くんのご飯は美味しいから幾らでも食べられるけどさぁ……これじゃ太っちゃうよ」

「美沙姉はまだまだスレンダーだしもう少し太っても良いと思う」

「その方が和也くんの好み?」

「今の美沙姉も凄く綺麗だけど、昔の美沙姉はもう少しだけ肉付きが良かった気がする」

「へぇ~随分私の事知っているのね……」

「そりゃあ、暇さえあれば美沙姉ばかり見ていたからね」

「まぁ良いわ……私は和也くんの物だから、和也くんの好みのスタイルがベストだからね」

何、あれ……私の知っている和也さんと全然違う。

凄く優しそうな顔で笑っている……

「俺はどんな美沙姉でも好きだよ」

「そう? だけど和也くんが甘やかすと私太っちゃうよ」

「美沙姉ならそれでも構わないよ……それより冷めちゃうから食べよう」

「うん、いただきます」

「いただきます」

和也さんって料理も出来るんだ。

私、婚約者なのに知らなかったよ。

あのハンバーグ凄く美味しそう……

私があの時馬鹿な事しなければ、あそこに居たのは私だったのかな。

あんな事さえしなければ……ううっグスッ……なんで私はあんな事しちゃったんだろう……私は馬鹿だ……

スングスッ……えっ……

「美沙姉、こんなの取り寄せてみたんだけど、一緒に見てくれない?」

あれは……

「これって結婚式場のパンフレットじゃない」

「うん、結構『二人だけの結婚式』をやっている教会あるみたいだよ。ほら」

「結構、本格的なんだね、ドレスも沢山あるなかから選べるんだね……この辺りじゃ和装ばかりだから新鮮だね」

「美沙姉は和と洋どっちが良い?」

「私は、やっぱりドレスが着たいな、白いドレスの花嫁さんになるのが小さい頃の夢だったんだ」

「だったら洋装にしようか? カクテルドレスもついたお色直しプランが良いかも。 此処はリゾートと一緒になっているみたいだよ、そのままホテルに滞在できて、新婚旅行も出来るみたいだよ」

「凄いね、水辺の教会で式を挙げて、プールに温泉まで凄く良いかも」

「それじゃ、此処を候補にしようか?」

「うん……だけど、まだ資料が沢山あるからもっと見てみようよ」

「そうだね、折角の結婚式だから、最高の思い出になるようにしたいからね」

「うん、和也くん……ありがとう」

「どう致しまして、だけどまだパンフレットを見ているだけだから気がはやいよ」

「それでも……言いたかったんだ。 和也くんありがとう」

「美沙姉……」

「和也くん……」

結婚式かぁ……私が馬鹿しなければあそこで和也さんと話していたのは私だったのに……

しかも、なに……こんな昼間から、しちゃうの……

しかも「ハァハァ」凄い、あんな事やらあんな事迄。

凄い……

和也さんが真面目なだけって、なんで決めつけていたのかな?

ただ、誠実なだけだったんだ。

結婚前だから私に手を出さなかっただけで……本当はあんなにも優しく女性を抱く様な人だったんだ。

良いなぁ……

私は本当に馬鹿だ。

あんな人を捨てちゃうなんて……

馬鹿な事をしなければ、和也さんは私の物で、あそこが私の居場所だった。

今、出て行っても私はきっと真面に話せない。

うっうっ涙が止まらなくなってきた。

ただただ、悲しくて……私は顔を手で覆いながら、その場から逃げるように立ち去る事しか出来なかった。










しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

とっていただく責任などありません

まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、 団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。 この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!? ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。 責任を取らなければとセルフイスから、 追いかけられる羽目に。

【完結】 私を忌み嫌って義妹を贔屓したいのなら、家を出て行くのでお好きにしてください

ゆうき
恋愛
苦しむ民を救う使命を持つ、国のお抱えの聖女でありながら、悪魔の子と呼ばれて忌み嫌われている者が持つ、赤い目を持っているせいで、民に恐れられ、陰口を叩かれ、家族には忌み嫌われて劣悪な環境に置かれている少女、サーシャはある日、義妹が屋敷にやってきたことをきっかけに、聖女の座と婚約者を義妹に奪われてしまった。 義父は義妹を贔屓し、なにを言っても聞き入れてもらえない。これでは聖女としての使命も、幼い頃にとある男の子と交わした誓いも果たせない……そう思ったサーシャは、誰にも言わずに外の世界に飛び出した。 外の世界に出てから間もなく、サーシャも知っている、とある家からの捜索願が出されていたことを知ったサーシャは、急いでその家に向かうと、その家のご子息様に迎えられた。 彼とは何度か社交界で顔を合わせていたが、なぜかサーシャにだけは冷たかった。なのに、出会うなりサーシャのことを抱きしめて、衝撃の一言を口にする。 「おお、サーシャ! 我が愛しの人よ!」 ――これは一人の少女が、溺愛されながらも、聖女の使命と大切な人との誓いを果たすために奮闘しながら、愛を育む物語。 ⭐︎小説家になろう様にも投稿されています⭐︎

竜騎士の俺は勇者達によって無能者とされて王国から追放されました、俺にこんな事をしてきた勇者達はしっかりお返しをしてやります

しまうま弁当
ファンタジー
ホルキス王家に仕えていた竜騎士のジャンはある日大勇者クレシーと大賢者ラズバーによって追放を言い渡されたのだった。 納得できないジャンは必死に勇者クレシーに訴えたが、ジャンの意見は聞き入れられずにそのまま国外追放となってしまう。 ジャンは必ずクレシーとラズバーにこのお返しをすると誓ったのだった。 そしてジャンは国外にでるために国境の町カリーナに向かったのだが、国境の町カリーナが攻撃されてジャンも巻き込まれてしまったのだった。 竜騎士ジャンの無双活劇が今始まります。

【完】夫に売られて、売られた先の旦那様に溺愛されています。

112
恋愛
夫に売られた。他所に女を作り、売人から受け取った銀貨の入った小袋を懐に入れて、出ていった。呆気ない別れだった。  ローズ・クローは、元々公爵令嬢だった。夫、だった人物は男爵の三男。到底釣合うはずがなく、手に手を取って家を出た。いわゆる駆け落ち婚だった。  ローズは夫を信じ切っていた。金が尽き、宝石を差し出しても、夫は自分を愛していると信じて疑わなかった。 ※完結しました。ありがとうございました。

精霊の加護を持つ聖女。偽聖女によって追放されたので、趣味のアクセサリー作りにハマっていたら、いつの間にか世界を救って愛されまくっていた

向原 行人
恋愛
精霊の加護を受け、普通の人には見る事も感じる事も出来ない精霊と、会話が出来る少女リディア。 聖女として各地の精霊石に精霊の力を込め、国を災いから守っているのに、突然第四王女によって追放されてしまう。 暫くは精霊の力も残っているけれど、時間が経って精霊石から力が無くなれば魔物が出て来るし、魔導具も動かなくなるけど……本当に大丈夫!? 一先ず、この国に居るとマズそうだから、元聖女っていうのは隠して、別の国で趣味を活かして生活していこうかな。 ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

襲ってきた王太子と、私を売った婚約者を殴ったら、不敬罪で国外追放されました。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。

処理中です...