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第39話 人形だから...
しおりを挟む「黒薔薇に黒牡丹は残念だね…仕方が無いから、あたいが瞳の初めてを貰ってやろうか?」
「うぐぐっ…エグゾーダスにコーネーリア…この様な事をもし会う事がありましたら…殺して差し上げますわ」
黒薔薇が邪神様達を呼びつけにして怒っている。
「自分が愛されないからって…殺す」
黒牡丹も少し怖い。
「いやぁ~残念だったね…瞳にそんなに気に入られていたのに...肝心の穴が無いんじゃ受け入れられないよね?! あ~あ可哀そう! 2人とも残念でした。尤もラブなんちゃらとかダッチなんちゃらじゃ無ければ穴なんてつけないよね?よく考えたらもしついていても人形だから瞳の子も産めないよね」
「京子…落ち込んでいる私に塩を塗るつもりなの…殺しますわよ」
「京子…殺す」
よく考えたら、2人は『人形』それも『拷問人形』普通に考えたら、そんな機能つける訳無いよな。
元は魔王を守る為の護衛目的みたいだしな…
しかし…黒薔薇は血を飲むし黒牡丹にいたっては肉を食う。
その排泄は…考えるのはよそう。
『アイドルはトイレにいかない』それで良いじゃないか。
これを聞いて残念と思った反面『良かった』と安心している俺が居る。
黒薔薇や黒牡丹は…俺から見たら天使みたいな女の子だ。
だから、そういう対象に見られなかった。
だから…これで良かった。
本当にそう思った。
「喧嘩は止めて欲しいな」
「「「瞳(様)」」」
「あの…すみません、私知らなかったのですわ…私にそういう機能が無いなんて…その、もし望むなら口や手で頑張りますから…嫌いに..嫌いにならないで、グスッ欲しいのですわ」
「…黒牡丹も…頑張るから…グスッ…嫌いにならないで…くれる?」
「黒薔薇はそんな無理する必要はないよ。黒薔薇や黒牡丹を俺が嫌いになる訳ないじゃないか? 大体、人形はそんな機能が一部を除いてついていないよ」
「ですが…瞳様…」
「瞳様…」
「俺が居た世界でも人形を好きな人間は沢山いたよ? だけど、どんなに愛しても『人形は話してくれない』『人形は動いてもくれない』そう言う人ばかりだ…黒薔薇や黒牡丹は話してくれるし動いてくれている…それに愛されているのも解るし…恥ずかしいから、余り言わないけど…その、俺だって愛している…だから気にしないで欲しい…『愛』にだって色々な愛がある…そればかりが愛じゃない」
「瞳様…私、瞳様に愛されて、愛して本当に良かったですわ…瞳様の人形で本当に良かったですわ…」
「瞳様…愛している…本当に…ありがとう」
男だから、そういう事に興味が無いとは言わない。
だが、そればかりが愛じゃない。
少なくとも天使の様に可愛く綺麗な二人を嫌いになる訳は無い。
寧ろ…これで良かった…そう思う。
「あははっ、そうだよね…人形との愛ってそうだよね?! それじゃ瞳の夜の相手は、あたいと言う…えっ」
「京子…口は災いの元ですわ」
「これは死んでも仕方が無い罪」
「え~と、なにその顔…怖いんだけど? 瞳助けて…」
「俺はお京の事も愛しているけど…今日のお京は酷すぎる…無理」
「ちょっと…なんで二人とも爪を伸ばしているのかな…まさか」
「「残酷に殺す(して差しあげますわ)」」
「ちょっ…いやだ痛い、痛い…解ったから、そのチクチクやめて…あたいが悪かったからーーーっ」
これはどう見てもコミュニケーションだから放って置いて良いだろう。
「黒薔薇に黒牡丹…俺は少し席を外すから程々に…」
「解りましたわ…程々にいたしますわ」
「程々に…」
よく考えると俺は…
『俺で良ければ、幾らでも愛でます』
そう2人に約束したんだよな…ちゃんと愛でないと。
なにかサプライズをした方が良いな。
俺は初めて3人を置いて『世界』に1人で入っていった。
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