【石のやっさん旧作 短編集】勇者に恋人を寝取られ追放されたが、別に良い...シリーズ

勇者に恋人を寝取られ追放されたが、別に良い...だって俺クズだから！

パーティーリーダーであり勇者のジョブを持つリヒトが告げる。

「悪いが今日でクビだ」

「そうか、まぁ良いや」

　リヒトとは幼なじみだ。

　「今迄ずっと仲間で支え合いながらやっとここまで来た」俺がそう思っていると思っているのか？

　そんな風に思っているのは、お前だけだぜ。

　剣聖のケイト

　聖女のソニア

　魔法使いのリタ

　五人揃ってＳランクパーティー『ブラックウイング』そう呼ばれていた。

やや中二病な名前だがまぁリヒトは勇者だから可笑しくないな..

確かに最近の俺は取り残されていた。

ジョブの差で成長した四人に能力が追いついていないのは事実だな仕方ない。

だから、別にクビになっても良いと思っていた。

だってそうだろう？　腐ってもSランクパーティーのメンバーなんだぜ、俺も。

此処を出れば、幾らでも次がある。

こいつ等が凄いだけで他のSランクパーティーならまだ通用するし、Aランクまで落とせば恐らく女のパーティーなら体を使っても取りに来るぜ。

その位の価値はあるんだよ。

「ついて来れないのは分かっているだろケイン」

「そうだな、勇者として大きな舞台に立つんだろう...俺も一度で良い、そこに連れていって貰えないか？」

此奴の狙いは解っている、リタが欲しいんだろう？　だから俺を追放したいんだろう？　はっきり言えよ！　女々しいな！


「勇者とし大きく飛躍するには大きな手柄が必要なんだ。残念ながらお前とじゃ無理なんだ。なぁ分かってくれよ、パーティーを抜けてもお前が親友なのは変わりないからな。」


確かにお前は親友だった。

だが、「ある時」から親友と思ってない。

そして、他の女もな。


　
　俺は恋人であるリタの目を見た。

　彼女ももう昔の優しい目をして居ない。

「私もリヒトの意見に賛成だわ！貴方はもうこのパーティーについていけないじゃない。きっと近いうちに死ぬか大怪我をするわ..さっさと辞めた方が良い...これは貴方の事を思って言っているのよ」

「リタ...そうか...そうだな」

まぁ、そう言うだろうな！

俺と目を合わせないんだからな。

ふと、リタの左手に目が行く。

薬指には見覚えのない指輪があった、これは多分リヒトが買い与えた物だろう。

俺の指輪はもうしていない...まぁ解っているけどね。


他の三人も同じ指輪をはめていた。

まぁそう言う事だ...

俺は親友に彼女を寝取られていた、そう言う事だ。


そんな事は...もうとっくに気が付いていたさ...

「大人しく村に帰って田舎冒険者にでもなるか、別の弱いパーティーでも探すんだな」

「「この野郎！」とは言わないよ、お前は親友だったんだ...」

　こいつは俺とリタが婚約していると知っていて寝取ったんだな。

知っているよ...

親友だと思っていたのにな..

お前が欲しいって言うなら...リタも諦めたよ。


リヒトは勝ち誇った顔で俺を見ている。

思いっきり、俺をあざ笑っているんだな。

何をしても優秀で、顔も良くて、強くて、おまけに勇者に選ばれた。

そんなお前が、おれは自慢だったんだ。

リタは俺の女だったんだ..他の2人だって俺は好きだったんだ...

だがな、俺にはお前が一番だったんだぞ。

欲しければくれてやったよ、どんなに悲しくても、所詮は親友のお前の方が大事だ。


俺はな女にとっては最低な人間なんだ、愛より友情の方が大切な人間なんだ。

「さようなら、ケイン」

「情けない男だケイン！」

「貴方より！リヒトの方が素敵だわ」

　三人の幼なじみが一斉に罵倒してくる...結構堪えるははこれ..

あのリタまでもが俺を睨み付けていた。


「こんな指輪いらない！　もう立ち去ってよ！」

「解ったよ...」

　
「余り酷い事言うなよ　リタ。ケインだって俺の親友なんだからな」

「そうね。私も言い過ぎたわ。ごめんねケイン」

　言葉が出ない。どの顔して親友っていうんだよ...
　

もう良いや、どうでも。


「世話になったな。四人とも幸せに暮らせよ！」

「それじゃ、パーティから抜けてくれるんだな！」

「ああ、お前達は世界を救えばいいんじゃない。じゃぁな、俺は田舎に帰るわ」


　さようなら俺のリヒト...


《裏》


俺はリヒトを親友だって思っていた。

小さい頃、から良く遊んでいたし、お互いに背中を預けられる唯一の男だ。

リヒトが光なら俺は闇だ。

だから輝くのは彼奴で良い...そう思っていたんだ。


おれは勇者なんて嫌いなんだ...だってそうだろう？

絶対に貧乏くじだぜ、面倒な事させられて、善人面しなくちゃいけないんだ...

だがな、お前がやりたいなら付き合ってやる...そう思っていたんだ、親友だからよ。

リタを選んだんだって、三人の中でお前が此奴が一番好みじゃ無いから選んだんだぞ。

ソニアが一番、ケイトが二番だったんだろう？

知っているよ...親友だからな。

三人とも、俺が好きなのに、あえてリタを選んだんだ、俺だって面ならソニアが一番だし、抱くならケイトの方が良かったんだ。

そこ迄考えていた俺をなんで裏切るんだ..

誘惑スキル魅了（チャーム）　異性を虜にするレアスキルを手に入れた時からお前...今回の事考えていたよな？


だがよ...このスキルには欠点があったんだぜ...簡単に言えば時間が掛かる事だ。

お前を好きになるまで実に1年掛ったよな？

好きな相手が居る奴には時間が掛かるんだよ...

だから、あの三人は可哀想だけど...お前の泣き顔が見たいから少し壊して置いたよ。


三人とも俺が好きなんだから、そういう関係になるのは簡単だったよ。

お前がそういう事するからいけないんだぞ。

相手する時に、香油に麻薬と媚薬を混ぜて塗っておくんだわ...そうすれば女なんて簡単なんだぜ。

スキルなんて必要ないんだ、お前がこういう事したいなら、教えてやったのによ...馬鹿やろう。


まず、ソニアな！

今の彼奴は左右の胸の大きさが違うんだ、まぁ片側ばかり責めるとこうなるんだよ。

片方の乳房が垂れ下がるなんて見たら萎えるぜ..しかも乳首もまるで、タイ米みたいに尖らせておいた。

あと、お尻の内側と股の解りにくい所に「ケイン専用」って刺青いれておいたぜ...当人は知らないと思うけど..

見つけた時のお前の顔が見ものだぜ。

穴もガバガバにして置いたから、多分オーク位の大きさがあっても気持ちよくなれないんじゃないかな？

人間大じゃ..入れた感触も無いんじゃないか？　鞄にマッチ棒入れるような物だな。


ケイトはさぁ剣聖じゃん...

元から、女っぽくない体だけど、「俺はお前みたいな筋肉がある女が好きなんだ」そういってさぁ鍛えさせた。

魔法のホルモン薬まで飲ませてな..結果此奴の体はオーガみたいになっているんだぜ。

まぁ鎧を着ていたから解らないよな？

だから、お前にホモの気でも無ければ気持ち悪いと思うぞ..しかもホルモン薬の使い過ぎで、生えているんだ、男のあれが。

まぁ同じ様に失神した時に「ケイン専用」って刺青を入れたし...穴は同じでガバガバし、此奴とやるなら、女にもならないといけなんだぜ...お前壊れないと良いな。

まぁ俺はやっちまったんだから...諦めて相手したけど...初めては結構痛いと思うぞ...


リタは少しは真面だ。

まぁ此奴が辛うじて使えるんじゃないかな？

ただ、散々俺が使ったから、此奴にはじめて、何て物は何もないけどな...何でもやる変態だ、どうだ使えるだろう？

体だって散々やったから崩れているし...妊娠も2回中絶しているから子供は産めないかも知れないな。

一応、お尻に大きく「ケインの妻」って刺青と胸に「旦那様ケインの物」って入っているけど気にすんなよ！

だって結婚して手元に置いておくつもりだったんだからな、仕方ないだろう。


俺は凄いクズだ..女の体の価値なんて無いと思っている...だってそうだろう？

貧民街の女なら銅貨5枚、普通の娼婦だって銀貨1枚でやれるんだぜ。

俺が欲しいのは「心」なんだ、そういう意味では此処まで壊しても俺を好きだったんだ。

こいつ等はそこそこ良い女だ...まぁスキルに負けた時点で要らんけどさぁ。

こいつ等がお前のスキルに負けなければ一生傍にいる。その位の気持ちは俺にはあったんだぜ。

それを取り上げたんだ...幸せにしてやれよ...

あと、こいつ等は、あっちの方は本当にうぶでさぁ...俺のやり方が「普通」だと思っているからな生粋の変態だ。

ちゃんと相手してやれよ...


だが、此処までされても俺、リヒトとの友情...大切なんだわ。

だから約束通り...田舎で待っているよ！


流石に親友に女とられるのはもう辛いからな

お前の母ちゃんと妹を女にする事にしたわ。

お前の母ちゃん、未亡人だけど綺麗だし、お前の妹はまだガキだけど..面がいいからさ。

しかも、俺の本性知らないから、「ケインちゃん」「ケインお兄ちゃん」って呼んでくれるからチョロそうじゃん！

まぁ兄弟になったら俺たちの友情もフォーエバーだよな...

約束通り、田舎で待っているぜ...帰る頃には弟や妹、姪っ子や甥っ子沢山で迎えてやるからよ...

頑張れよ...勇者。