Death Gods＆Devil

序章

光

今思えば、堕天使の言う自分と同じ境遇を持った者がもう一人いるらしいけど、今のところそういう人物とは会っていない。まさか同じ日時に、同じ願いをした者がいるとは自分でも驚きだった。
まあ、出会ったらどうこうしようとは思わないけど。
自分が死神になるためには、いろいろ学ばなければならなかった。
たくさんの資料など、たくさんの世界を頭に叩き込んだりするのは、正直大変だった。

「でも、まさか自分が死んだ後に、あんなことがあるとはね。」
堕天使の言う、落とし前が今わかった気がする。

『光霊長。トオルリンとはどうなったんですか？』
伊藤麻美。現在は霊長でもある光の部下で、かつては光の先輩だった。だがこれはこの【世界】での彼女の設定。
昔は…
『ねえ、光。あの子とはどうなったの？私、妄想が止まらないんだけど。』
昔というか生前は、彼女は自分の学生時代の同級生だった。変に何かと目立つ私に興味を持ったのか、噂話が大好きで、いろいろ妄想しては噂話を流しては、人を面白おかしく書き立てるような迷惑な人だった。人のことをあれこれ聞くのが日課で、それを妄想してはブログに書いては反応を面白がるような人で、こっちが何かと言うと、自分の方が優れていると高を括るような人だった。
「あの後、いろいろ調べたら、自分が死んだ後に残した日記が決め手となり、今までのことが露見して世間からバッシングを受けて、引きこもり。そして、立ち寄ったコンビニで車が突っ込んできて即死とはね。」
光はそんなことを呟きながら、腰に差した刀を抜いた。

「まあ今はそんなことどうでもいいか。悪霊退治しなきゃね。」
光はニヤリと笑う。