人類戦線

さむほーん

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胎動編

第十五話 死線

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 うちの学校では各クラスの前に手洗い用の水道が作られている

そして、この数日は皆学校内過ごしているから自販機で買った飲み物などの空きペットボトルがたくさんある

つまり、水の入ったペットボトルを大量に作ることができるということだ

この作業、簡単だがとてつもなくめんどくさい

一つのペットボトルを水で満タンにするのにおよそ7秒かかる

加速時間内には14本くらいしか完成しないということだ

しっかり行うには50本くらいはほしいなぁ

仕方ない、もう一回「抜刀」するか

そうして僕は、合計四回の抜刀を行った

まあ、四回目はペットボトルを配置につかせるためのものだが

よし、これでしっかり準備できた

(解除)

マイクロウェーブがものを温めることができるのは、他のものの中にある水分子を振動させているからだ

それによって水の温度が上がって沸騰し、城崎の指を破裂させたのだろう

そんなものの前に水の入ったペットボトルを置くと、当然温度が急に上がって沸騰する

つまり、ペットボトルが爆発するのだ

そして、これは直接的な加熱ではないのでマイクロウェーブの通ったところだけが爆発する

その爆発した線をたどれば……

(あそこか)

おおよその場所は分かる

そうして僕は何もない廊下に首を向けた

と思ったらすでに城崎が攻撃していた

速いな

というか、この作戦はあいつに伝えてなかったんだけど

理解力が高すぎないか?

あいつからしたら体感2秒だろ?

それで僕より早く敵の位置を見つけるなんて……

「ぐっ」

城崎の攻撃は聞いているようだ

マイクロウェーブ対策で無機物を使って攻撃しているのが良かったのか?

僕は近付いたらさっきの城崎みたいに破裂させられそうだから離れておこう

「弘岡、一旦離れるよ」

「何で?」

「僕は正直あの戦いに入っていける自身がない」

加速のおかげでスピードはあるけど、火力がないんだよなぁ

一旦離れたあとに状況を確認しようと見たのは

腹に鉄の棒が刺さった葉狩匡広だった

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「一人でできる行動には限界があったようだな、葉狩」

「お前のところの戦力は今より一人少なくて、俺のところの戦力は今より二人多い予定だったんだがな」

「ああ、神柱がいい働きをした」

……この口ぶり、知っていたのか

どちらにせよ俺の負けだな

「なあ、俺の命はおそらくもうすぐ尽きる。だがどうやら、命が尽きる直前の瞬間まではこの装備チカラを使わせてくれるらしい」

「……俺がお前の熱攻撃マイクロウェーブの対策をしていないとでも」

「ああ、しているだろうな」

お前は・・・

どうせいつも通りの秘密主義なんだろ

お前は仲間であっても情報を伝えない

マイクロウェーブのことも知ってたんじゃないか?

それは命取りになるぞ

この力、もう少し鍛えれば治癒にも使えそうだったが、それを待つ時間はなかったようだな

そう考え、俺は最後の攻撃のために操作を始めた

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

これは

空気中の電波を集めている、のか?

だが俺たちは別にペースメーカーを使っている訳でもない

何が目的だ?



まさか……電磁力か?!

不味い

俺はさっきから無機物を使って攻撃していた

当然その中には鉄の含まれるものも多く存在する

腕から血を吹き出しながら操作しているところを見ると、そこまで長くは持ちそうに無いが

待て、これは……

身体が引き寄せられている

血液中の鉄分まで引き寄せてるのか?

無茶をするな

「城崎!僕ら二人は刀を奪われないようにするので精一杯だから」

「対処はそっちでして」

そうか、あの二人の刀には鉄が含まれているのか

しかし、対処と言ってももともと有機物は爆発させられるから使えない上、鉄を含むものもダメだ

絶縁体で攻撃すれば電流がそれを避けようと不規則な動きをしてより危険だ

あとはアルミのような非鉄金属で攻撃するしかないのか?

鉄がわずかでも含まれていると引き寄せられるから純粋なものでないといけない

まあ、手段は少ないが試してみるか

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

まずい

このままでは聖や実優も含めて全員殺られる

ここぞという時だけ動けと言われたが、まさに今がその時だろう

出るしかない

そう思い、私は隠蔽を解いて葉狩に向かって走り出した

城崎の身体は引き寄せられていたが、私は違った

つまり、私の装備は葉狩の力も防ぐということだ

なら、投げ飛ばしてすぐに隠蔽すれば私が飛ばされることはない、ということだ

そうして、私は葉狩を投げ飛ばし、窓ガラスから外に出した

それとちょうど同じタイミングで葉狩に向かって夥しい数の鉄製の製品が飛んでいった

「須斎、助かった。攻撃のタイミングを逃していたんだ」

「お前に策があるなら私が動かなくても良かったんじゃないか?城崎」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

はぁ、この数の傷なら治癒できたとしても生き残っていたとは思えないな

あの言葉も負け惜しみに聞こえてしまう

城崎のやつ、あんな隠し玉を持っているとはな

ああ…お前ら、そんな絶望したような顔をするな

お前らは俺がいなくなれば次の主を探せばいいだろう

そもそも俺が今までお前らを利用していたに過ぎんことにとっとと気づけ

そのせいでお前らは今、こんなに危険な状況にあるんだぞ

まあ、どうせならこれ以外の死に方が良かったか

あの雑魚共と共に眠ることになるからな




その日、校庭の元人間が一人追加された
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