人類戦線

さむほーん

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胎動編

第二十一話 戦線後退

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これで偵察が始まってから15分が経つけど

今のところ特に異変はなし、と

そういえば、偵察した情報はなにかに記録してるのかな?

覚えるだけだったら大変そうなんだけど

「あ、索敵クリアリングしとかないと」

えーっと……

うん、周りに敵は無し

今のところは順調だな

須斎の方もあんまり敵は通らないみたいだし

人が居ないなら、特殊な索敵用の装備を持っている奴がいない限りは大丈夫だろう

こんなことを言うとフラグになりそうだけど

ん、須斎が何かしてるな

あれ?あのハンドサインって確か……


急がないと

そう思って、僕は最近の戦闘ですっかり慣れてしまった「抜刀」を行い、急いで須斎のもとに向かった

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(なるほど、こうして見るとあまり隙がないな)

そう思いながら、私は確認できた警備の配置を一つ一つ一つメモしていった

敵は……大丈夫そうだな

ここはやはり事前に確認した通り、近くを通る敵の数が少ない

ん、もう時間か

「隠れる」ことのできる時間の制限が来てるな

一旦見つからない場所に動いて発動し直さないと

じゃあ、あっちの物陰にでも隠れて


ん?何だあれは?

蚊か?

いや、確か城崎たちが言っていたが

やつらは自律移動ができる小型の監視カメラを持っている、という話だったな

発動中は当たりさえしなければ見つからないとは思うが

一応警戒しながら隠れるか

その時、私の右足に虫が止まった

(これは……)

まずい……

見つかったか?

早く神柱に伝えないと

確か決めておいたハンドサインはこうだったはず


そして私は「みつかった」ことを意味するハンドサインを出した

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

取りあえず「抜刀」してから急いで来たが

退路を確保するのを忘れていた

まだ時間は余っているし、ここで退路を見つけてしまおう

でも、地上の道にはだいたい敵がいるし

かと言ってここから急に屋上に上がるのは厳しいし

もともとは須斎がロープを使って屋上まで登って、それを僕が運んでいく、みたいな作戦だったんだけど

こうなってはもう、その作戦は使えないし

じゃあ最終手段を使うか

そうして僕は、加速状態を「解除」した

「須斎!外行くよ!」

「ああ!」

いざというときの最終手段

学校の外から地下通路を使って帰還、だ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「ふぅ、どうやら巻けたようだな」

「みたいだね」

そうして僕たちは地面を叩いて空洞のあるところを見つけ出した

「確か、ここだったよな」

そこを引っ張ると、地下に向かう階段が見えた

そして僕たちはその中に入って行った

もちろん、こんな通路がもとから学校にあったわけではない

いくらイレギュラーなうちの学校でもそんなことはない

掘ったんだ

それも、装備が降ってきてからの数日以内に

だが、別に僕がせっせとドリルを使っていたのではない

うちの勢力にはそれが簡単にできそうな、整地に向いた人間が一人いるだろう

多分、こうなる可能性は考えていたのだろう

目の前に出てきた人は僕らに向かってこう言った

「お前ら、失敗したのか」

「ごめん、城崎。なんかしくじっちゃったみたい」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

その後一旦本拠地に帰って須斎に失敗した経緯を話してもらった

どうやら時風は例の超小型自律移動監視カメラを何台も持っているらしい

どれだけセレブなんだよ

「……はぁ」

珍しく城崎がため息をついている

「今回はあのカメラの情報を知っておきながらそれを複数持っている可能性を伝えなかった俺の落ち度でもあるな」

いや、あのカメラについては僕も知ってたんだけど……

「それより、この先敵はどう動くんだ?」

失敗について責任を考えている時間ほど無駄なものはない

今は次に向けて進むべきだと思う

「ああ、そうだな。ところで、例のカメラはもうついてきていないよな」

「もちろんだ」

須斎は当然のように答える

まあ、脱出中にかなり念入りに確認したからね

「なら、そろそろ会議を始めよう。場所を会議所に変える。敵の位置などの報告は移動中に頼む」

そうして僕らは会議所に向かって歩き始めた

歩きながら須斎が判明した敵の位置、予想される敵の位置を報告し始める

「あれ?城崎?走ったりしないの?」

随分とゆっくりだったから思わず聞いてしまった

「ああ、地下だと足音が響くからな。ここは俺達の支配圏を離れているから敵に見つかるとまずい」

「聖にしては珍しく対策はしていないんだな」

須斎も城崎について少しずつわかってきたみたいだな

「一応対策はしてあるんだが、万全とは言いにくい。万が一を考えると音はあまり立てたくない」

もしかして、このカーペット?

「このカーペットがそうなのか?」

「ああ、須斎の言う通り、この壁一面と床に貼ったカーペットで少しでも音を吸収しよう、という考えだ」

へぇ

まあ、布は音を吸収するって言うしね

「この布は自分で用意したの?」

「いや、空気中の原子を支配してそれを組み替えることで布を作った」

うわぁ

マジか……

「聖ならそのうちコンクリートから人の体を作れるんじゃないか?」

「かもな、さぁ、着いたぞ」

そこはいつも通りの会議所だった

会議所まで直通なんだ

「今から弘岡を呼ぶ。少し待っていろ」

数分後すぐに会議が始まった
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