人類戦線

さむほーん

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胎動編

第二十二話 戦略戦術

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 弘岡が早速来たので取りあえず今の状況を簡単に説明した

「なるほど。つまり、偵察がバレてそのまま帰ってきた、と」

「ああ、その通りだ」

須斎が顔を下に向けながら答える

とはいえ、今回は須斎だけの責任ではない

情報共有も上手く行ってなかったし

「それで、相手の動きはどうなりそう?」

「おそらく、警備の配置は変えないだろう」

え、なんで?

「むしろ変えるんじゃない?」

こっちに配置が割れたことはほぼ確定なんだし

予測の裏をかくために

「警備も慣れで効率化できる。使える人数が限られている場合は同じ配置にしたほうが警備はうまくいく」

ここまでは普通にわかるんどけど……

「そして相手はこちらがもうすぐ攻めてくることがわかっている」

ああ、なるほど

「つまり、私達が新しいメンバーを入れなかったのと同じだな」

須斎に先を越されたが、そういうことだ

そうなると、できるだけ急いだほうがいいのか?

時間を空けて相手が新しい配置に慣れてしまうとまずい

「相手はおそらく短期決戦を避けているんだろう。お前たちを大して追撃してこなかったのはそういうことだ」

「え?結構追われたんだけど」

かなり執拗に負われた記憶がある

「本気で追うならあの機械を使うだろ。さっきの話ではお前らに機械はついてきていなかったんだろ」

そう……なのか?

まあ、確かに振り切るまでが結構スムーズだったような気はするけど……

「でも、そうなると早めの行動が必要」

「そうだな、すぐに準備して向かうぞ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

7分後、僕たちはもう戦闘の準備を終えていた

「じゃあ、もう行こうか」

「いいか、まずは西口から神柱が入れ。まっすぐ進むと電気の制御パネルがあるはずだ。そこで配線用遮断器ブレーカーを落としてこい」

なるほど、停電か

「でも今は普通に昼だし、あんまり関係なくない?」

「それに、多分非常電源がある」

弘岡も気になるらしい

「だから、須斎にはまず東口から入ってもらう」

でも非常電源って簡単には切れないんじゃない?

「奥に進むと非常電源の装置がある。それを壊してこい」

「いや、待ってくれ。聖」

やはり須斎も同じことを思ったのだろうか

「非常電源は電力の要だ。そこはそう簡単には落とせないはずだぞ」

「ああ、だから直接壁とつながっているコードをすべて切れ」

ん?

随分と危ないことするんだな

「あの手の装置は電気的な衝撃には強いし、地震などの揺れにも耐性があるが、切断には無防備なものが多い」

なるほど

直接コードを切れば思ったより簡単に非常電源は落とせるって言うわけか

「そして、ブレーカーを落とすメリットだが」

城崎が続ける

「例の小型自律監視装置カメラを分解したところ、単純に可視光線を解析しているだけだった」

赤外線カメラとかでは無かったってことだね

「それに、侵入防止のためか窓はほとんどバリケードで塞がれている」

「つまり、電源を落とせば室内での相手の監視は奪える」

「そうだ、弘岡」

なるほど

「それなら、もうすぐに入った方がいいんじゃない?敵に時間を与えるとまずいんでしょ」

「ああ、そうだな。弘岡は俺とともに出入り口をあらかた塞ぐぞ」

「了解」

これで準備は不完全ながらも整った

後は相手がどう出るか、だ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

さて、それで目の前に見張りが複数いるわけだが

今ここで抜刀するのはやめておきたいんだよね

色々試した結果、加速間のインターバルは1秒ということがわかった

つまり、一度抜刀するとその効果が終わってから次に発動するまで最低1秒必要だ、ということだ

だから、ここで道を抜けるために加速を使うと、中に入ってから最低1秒は待たないといけない

城崎の情報によると、あと30秒で交代の時間が来るからそのタイミングを狙うか

お、来た来た

「あ、もう交代の

(抜刀)

よし、あの新しい見張りの開けた扉から入って

確か、ここをまっすぐ進むんだったよな

あ、確かに「配電室」って書いてある

そして僕はその扉を開けた

(誰も……いないな)

こんなに重要な部屋なのに誰もいないと言うことがあるんだろうか

じゃあ、壁のスイッチの一番大きなスイッチを切るんだよな

……怖いから全部切っておこう

きっと加速状態を解くとパチッパチッという音が聞こえているんだろうな

よし、これで全部切り終わった

じゃあここで一旦解除して非常電源に変わるまでの間に「抜刀」し直すか

(解除)

すると、さっきまでついていた電気が消えた

よし、じゃあもう一度

(抜刀)

これで間に合ったはずだ

今はすぐに脱出しよう

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

さて、神柱の方はそろそろ電源を切る頃か?

隠蔽もそろそろ時間的に厳しいから早めにやってくれると助かるんだが

そう思っていた矢先、ライトが一斉に切れた

(成功したかっ!)

それを確認し次第、ポケットからすぐにサバイバルナイフを取り出す

持ち運びが安全で簡単なものはこれくらいだったからな

そして一瞬だけ非常電源で復旧したようだったが、すぐにケーブルを切ったことでもう一度停電した

(さて、早く脱出しないと聖に隔離されてしまう)

そう思って寮から脱出するためにすぐに行動を始めた

確か向こうで実優が敵を引きつける算段だったはずだ

そんな間に正面玄関の方が騒がしくなってきた
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