人類戦線

さむほーん

文字の大きさ
61 / 220
東京事編

第三十一話 仲直り

しおりを挟む
「それでは、ここから会議を始める」

保健室には全員とは言わないまでも、いま校内にいる主要な人の多くが集まった

とは言っても、会議なので数人だ

俺、神柱、伏原と、この部屋にもともと居た弘岡の合計四人が集まっている

「で?会議って何するのー」

話の火蓋を切ったのは伏原だ

何をすると言っても、今この状況を考えれば分かると思うんだが

「官房、及び官邸への侵入と調査についてだ。この前攻めてきた連中の親玉が官房長官だったらしいからな」

伏原の顔が少し固まったように見えた

「なるほど、それで、官邸か。想像以上にヤバそうな理由だねー。どうにかして協力は取り付けられないの?」

「あ、それ、僕も思った。国と戦うのは流石に大変じゃない?」

今度は神柱も賛成してきた

その意見には聞くべきところもあるが、とある理由から俺はその交渉は始める前から失敗していると考えている

「忘れたのか?既にその勢力の手のものに攻め入られているんだぞ。攻め込んできた相手と交渉が出来ると思っているのか?」

それを言うと、納得したように二人は黙った

神柱は本当に納得したように見えるが、伏原の方は最初から分かっていたんじゃ無いだろうか?

俺では未だにこいつの考えが理解出来ないし、予測などもっての他だから何とも言えないがな

「それで、具体的にはどんな情報を集めてるの?」

そう聞いてきたのは弘岡だ

普段から話すことの少ないこいつだが、会議などの場では発言することが多い

「頼んでいる内容は機密情報だからあまり細かいことは言えないが、主には内部構造や相手の幹部がどこにいるかといったものだな」

他にも警備員の巡回ルートや交代時間なども探らせているが、それは変更されたら情報価値が消えるのであくまで参考程度だ

手に入れた情報を過信すると後々その情報が自分たちに牙を剥く

情報戦とは相手より多く情報を集めるのも重要だが、誤情報を相手に正しいと認識させればその時点で勝利なのだ

特に、戦力では劣るであろうこちらが情報まで誤ったものを使ってしまうと、勝利の芽は薄くなるどころか無くなってしまうだろう

「それじゃあ答えは一つじゃない?速攻しかないでしょ。国に本格的に準備されたら僕らなんて瞬殺だと思うよ」

「そうだ。だからその準備のために情報を集めている」

神柱の質問に対して俺はそう答えた

「いや……だから、情報を集めてる時間があるの?って聞いてるんだけど……」

「情報が無いと速攻で攻め入るなんて真似は出来ないだろう?」

「う~ん……そういうものなのか……」

まあ、納得してくれなくとも神柱には本気で参加してもらわないと困る

少なくとも奇襲において、須斎と同等かそれ以上の能力を持つこいつは、今回の調査、及びそこから繋がる襲撃での、役割はくらいの重要度があるのだから

「そして、今後の予定についてだが、須斎と篠原が帰って来次第、官邸に奇襲をかける。その際、官房の方を混乱させる役回りの者が一人欲しいんだが……」

「分かった分かった……僕が行くよ」

名乗り出たのは伏原だ

これで信用を集めようということなのだろうか?

「よし、それならお前に頼んだ。だが、目的はあくまで陽動だ。一撃離脱ヒット・アンド・アウェイでも構わないから注意を引くことを優先しろ」

「自分の安全と注意を引くことヘイト集めではどっちを優先したほうが良いのかな?」

安全か……

「その場合は一応安全を優先してくれ。お前の仕事は今回で終わりじゃないし、陽動は命をかけるほどの重要任務じゃない」

「りょーかい。安全な範囲で気を引くんだね」

これで配役が一人決まった

「さあ、配置を考えるのはあまり時間をかけたくない。情報が持ち帰られたときに備えて自分がどういった役割に付きたいのかを考えておいてくれ」

――――――――――――――――――――

よ~し……会議終わりっと

今回は参加してる感を出すために色々意見してみたから真面目に参加しているように見えたでしょ?

神柱家の末裔として、やる気がなくてもやる気を出しているように見せる練習は日頃からしているんだ

ん?神柱家のことは関係ないだろって?まあ、それはそうだよ

でも、僕は自分の祖父からそう教育されてるから実質神柱家の伝統と言っても良いんじゃないか?

そもそも、僕の両親が誰かなんてあんまり分からないし

(さて、それよりも今問題なのは……)

「僕の配置か……」

そんなこと言われても、あんまり思いつかないんだよな……

強いて言うなら、役に立ちそうな所、かな?

集団のために働くんなら難しい仕事は出来ないけど、城崎個人のためだったら出来る

なんだかんだ昔馴染みっていうところは大きい

三人組で遊んだときからずっと友達で居ることができているし

……高校に入ってからのあの冷え込んだ関係は友達と言えるのかな?

そう考えると、装備が降ってきて世の中が戦う方に変わったのも悪いことばかりじゃないのかな?

小学校のときのあの事に加えて、中学で変なデマを流されたせいで僕と城崎の関係は完全に冷え込んでいた

それがこうやって普通に会話できるようになってるんだから

まあ、結局はわだかまりのせいで前みたいに話すことはまだ出来ていないけど

「仲直り、か……」

どうやったら出来るんだろうね
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...