人類戦線

さむほーん

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東京事編

第四十三話 倉庫

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「♪~」

始めまして。僕は官房長官の相澤涼

今日は何やら騒がしく、それが僕に安心感を与えてくれる

どうもじっと考えているのが苦手な性分なんだ

お、良さげな人が一人、こっちに向かって近付いて来てるぞ

じゃあちょっとばかし遊んであげようか

相手が丁度僕の個室の前で立ち止まった

前で立たせっ放しというのも可愛そうなので、開けて出迎えることにした

「どうぞ。入っていいよ」

お、ちょっと驚いてるみたいだな

「気にせずに入っていいよ。この部屋には僕しか居ないし」

相手の女の子はかなり若いようだ

というか、これ、未成年じゃない?

えぇ……今僕達のところに攻めてきてる人って未成年だったの……

だったら、ちょっと対応を考えないとな……

「……なぜ分かった?」

僕をかなり警戒した様子でそう口にする

「何でも聞けば教えてくれると思わないほうが良いんじゃないかな?」

相手の警戒がより一層深まる

にしても、参ったな……適当に遊んでから殺しちゃう予定だったのに……

未成年を殺した、って幼き生命に感謝する者あのロリコンにバレたら面倒なことになるぞ……

「ま、そんなに気にしないで、ゆっくりしていきなよ。」

さらに警戒が強まった

僕の行動の意味がわからないから警戒しているんだろうけど、残念ながらこの行動に意味はない

精々時間稼ぎといったところだ

相手に自分の考えを読ませないためにすることは何も考えないことだとはよく言ったものだな

「分かった……」

そう言って、後ろに下がっていった

ちょっとちょっと……勝手に変えられたら困るんだけど

「入って」

僕のその言葉と共に、二人の自衛官が部屋の中に入ってくる

まあ、もともと自衛官をやっていて今は僕の警備だから「元」自衛官って呼ぶべきだろうけど

あの二人、今は国とか守ってないし

「あ、玉もったいないかもしれないけど、別に撃っちゃっても構わないから」

そう伝えると、二人はゆっくりと頷いて銃口に指をかけた状態で待機した

「それで、ちょっと話したいんだけど……」

そう相手の娘に話しかける

相手の娘は固まっていた

「まず、名前だけでも教えてくれないかな?」

――――――――――――――――――――

しくじった……

相手は私のことが全く見えていないと思い込んでいたけど、どうやらそれは違ったみたいね

相手が銃口をこちらに向けているので、両手を上げて、攻撃する意思がないことを示す

「あれ?降参しちゃう感じなのか……それならそれで別に良いんだけど……」

私のそんな様子を見て相手は少し不思議そうにする

「勝てない戦いを挑むほど私は馬鹿じゃないよ」

ゆっくりと腕を頭の後ろに回す

未だに銃口に指はかけられたままだ

「じゃあ、腕を縛って。ほら」

そう言って、3人の中で最も立場が上に見える男が自分の椅子に座った

私はその間、手を頭の後ろに置いたまま残りの二人の動きを待った

一人が手枷らしきものを持ってきて、私の腕に嵌める

手枷を自分で壊す方法は思いつかない

これは、私は今回の侵攻では脱落かもな

それより、今のところ私以外にこの建物に味方がいない上に相手の幹部を攻撃する担当が私以外にいないことの方が大変だ

とは言え、美優が校舎の方に居るからあまりこの手枷を壊せそうな味方に心当たりは無いんだが

「それにしても、相方の方は随分と速いんだね。中々目で追えないよ」

相方?どういうことだ?

その気持ちが顔に出ていたのか、相手は少し驚いたように表情を変える

「あれ?もしかして知らなかった?」

誰か別の勢力の者が入り込んでいるのか?だとしたら、今更だがまるで同じ勢力のものかのように振る舞って相手を混乱させた方が良かったか?

「う~ん……それじゃあこの人の対処はどうしようか……」

相手の男は一人悩み始めた

その間に、私は別の場所に連れて行かれる

拷問か何かでもする予定なのか?

拷問は受けたことが無いから最終的には話すことになりそうだが

どれだけ耐えれるか、だな

私が耐えている間にその侵入者が内部を荒らして私に構っていられない状況にしてくれるのを願うしかなさそうだ

――――――――――――――――――――

この部屋で最後、か

金庫みたいな扉の奥に向かってみたけど、そこは案外普通の場所だった

いろんな部屋にも入ってみたが、なんの変哲もない作業部屋だったり、事務室らしきものもあった

これがカモフラージュなのかどうかは僕には判断がつかない

けど、全部の部屋を見て一つも特殊なものが無かったら、隠し部屋を探すのも面倒だし、もう終わろうと思う

「よし……と、この扉も切ればいいかな?」

全ての部屋に例外なく鍵が掛けられていた

しかも全部電子ロック

何故か分からないけど加速状態では電子機器が使えないのでロックを外せず、強引に切るしか無かった

まあ、電子ロックじゃ無くて南京錠でもやることは同じなんだけど

……よし!開いた!

重い扉を押して何とか人が通れる幅にまで広げる

扉を倒そうとしても僕の感覚では超絶ゆっくりにしか倒れないから自力で押し広げるしか無い

これ、解除したら今まで倒した扉の音が全部一斉に聞こえるのかなぁ……

次に解除するときは耳を手で塞いでおくことにしよう

「これが最後の部屋か……」
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