人類戦線

さむほーん

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東京事編

第五十二話 敵対者

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中庭や校庭には、私の友達が居た

じゃあ、他の場所には居なかったのかと言われると

まさしくそうだ

私はクラスメイトが他の人間と話している間、植物と話していた

今となってはそういう行動をしていたから人間の友達が居なくなったのか、人間の友達が居なかったからそういう行動をしだしたのかはわからない

それでも、中庭に居た子達や校庭で毎日ずっとだけだったあの子達も、立派な私の友達だった

友達を殺されて黙っている人なんて居ない

少なくとも、襲撃の首謀者を引っ張り出して償わせないと

あの子達はともかく、私の気が収まらない

【靴】を使って足元を変化させ、滑るように進んでいく

その方法を使うと、かなり早いうちに官邸の前に着くことができた

官邸の中には観葉植物くらいしか私に協力してくれる相手が居ないだろうから、入ってからが大変だろう

まあ、そんなことは関係なしに突入しよう

栽培以外のことはまず動いてから考える

私の考えの根本だ

その考えに沿って、建物のドアをくぐった

「あ……人居るのか……」

中に入ると、結構人が立っていた

もちろん、急に入ってきた私の方を向く

部屋に植物は……無いか

なら仕方ない。を使ってどうにかしよう

足に意識を集中させ、地面の組成を変える

その変化は相手の足場にまで及んだ

突然足場の周りに穴が空きだして、相手は驚く

不意をつけたというのはやっぱり大きい

じゃあ

「罪を感じてこのまま死んじゃえ」

相手の近くの足場を強酸性の液体に変化させる

アルカリ系だったら相手に痛みが与えられないかもしれないから、こっちにしておこう

かと言って、喋られるとうるさいから耳栓でもしておこう

「はい、終わり。もう邪魔だから静かにしていてね」

相手の大部分を無力化した

次は、連絡手段も奪っておこう

相手に近づいて、口のあたりを踏む

これで、人体の顔の部分を別のものに変換できた

そうやって、一人ひとり地道に連絡手段、というより、そもそも命を奪っていく

しかし、足でしか能力を発動できない、っていうのも結構大変だなぁ

「そりゃあ、前は友達のためになるから特に気にしてなかったけどさぁ~」

やっぱり、助けるのが目的の力は殺す目的には使いにくいのかもしれないな~

そんな他愛もないことを考えつつ、敵の無力化に成功した私は官邸の奥へ進んでいった

――――――――――――――――――――

おびき出されて時間を取られてと、今回は相手のいいように動かされすぎだな

別方向へ向かおうと正面玄関のあたりまでやってきた

「何だ……これは?」

顔や足の潰された人間がそこら中に横たわっていた

「誰がやった?」

これだけの敵を倒したということは、これを行った者は官邸周辺の勢力に何らかの恨みがあるか、本格的に敵対しているかのどちらかだろう

俺としては後者の方が楽なんだが、楽観的に考えすぎるのも駄目だろうな

どちらにしろ、これを行ったのが誰なのかは調べておかないといけないな

「これは、随分と分かりやすい道標を置いてくれたな」

変質した地面が道のようになっている

罠の可能性が高いが、今はそちらに向かってみよう

勘……と言えば良いか、こうした方がいい気がする

今はその思いに従うのが良いだろう

そのまま少し離れたところから道に沿って歩いて行くと、別のドアを見つけた

(それにしても……)

この変化の仕方、どこかで見たことがある

何処だ?かなり最近のことのように思えるんだが……

……いや、疑問は一旦棚上げしておこう

調査が優先だ。その中で思い出していけば良い

ドアを開けて、更に奥へ進む

そこでも、多くの人が顔や足を潰されて横たわっていた

これは……恨みの線で考えたほうが自然に見えてきたな

単に敵対しているだけではここまで強烈な進み方はしないだろう

あとは、この実行者と交渉の余地があるかどうかだな

見たところ、あまり交渉の結果には期待しない方が良く見える

いっそこのまま放置して荒らせるだけ荒らしてもらうか?

そんなことを考えている最中に、足のあたりから変化のが観えた

予め支配しておいたので、すぐさまその変化を止める

「なるほど、これは中々面倒な相手だな」

これでもある程度広い範囲を支配して居るんだが、一番端の部分が変化してから自分の近くに変化が及ぶまで一秒もかからなかった

だがまあ、変化してきた方向から相手のいる方向だけは分かった

しかし、この支配範囲の外にいるとは……随分と離れているんだな……

探しに行くより相手が索敵範囲内に入ってくるのを待ったほうが効率が良いか?

いや、ここまで来たんだ。俺の方から一気に動こう

支配してある地面の流動性を高めて、高速で動いていく

「逃がす気はないからな」

しばらく動くと、人間を一人見つけた

「……小松?」

そこには、今学校に居るはずの俺の所属する高校の生徒がいた

「……どうしてここに居るんだ?」

今回の襲撃に関しては、こいつは攻撃はおろか、防衛の任務にも就かずに生産に集中しておく手筈になっているんだが……

「えっと~ホントは籠もってたほうが良いって知ってるんだよ。でも、やっぱりあの子達を殺されたんだからちょっと放置っていうのは……ねぇ?」

なるほど、これは止めるのは難しそうだな

となると、制御不能の人間を一人連れて動くのか

「参ったな……」
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