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東京事編
第六十一話 治療
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「この道は……左だな」
「うん、それで合ってるよ」
隣りに居る奴に聞くと、答えてくれる
この情報が正しいかどうかも裏切りの判断基準にはなるが……
まあ、それは考えすぎても仕方がない
大きな戦力も手に入ったことだし、撤退も視野に入れて構わないか……
「須斎、居るか?」
小声で聞いてみると、合図が返ってきた
一応、他の奴に場所がバレ無いよう、須斎とは直接言葉を交わしてやり取りすることは避けている
そうして、少しやり取りをした結果、須斎にこいつを連れて帰らせることが決定した
まあ、このバケモノは戦力になるなら攻撃に投入したいが、今の時点では少し不確定な部分が多すぎる
帰らせる須斎とこの男のボディーガードくらいの考えが丁度いいかもしれない
それに、須斎単独ならいざとなった時に逃げ出して俺に話を伝えに来ることが出来る
「じゃあ、僕たちはこのまま敵のボスみたいなのを叩く、ってことでいいんだよね?城崎」
「ああ、その通りだ。神柱」
こいつの考えているように、相手の中心人物を即座に捕縛・ないしは殺害する
その目的がきちんと伝わっているようで良かった
「じゃあ、須斎とはここで一旦お別れなのかな?」
少し不用意なことを口走った神柱の言葉を誤魔化すように俺は言う
「須斎……?一体誰のことだ?」
それで察してくれたらしく、それからバケモノ達と別れるまで須斎のことは話さなかった
しばらくしてから、バケモノ達と離れて、須斎がそれについていった
「……よし、じゃあ俺たちも向かうか」
「そうだね。確か、向こうの方だよね」
二人でゆっくりと歩いていった
――――――――――――――――――――
「はぁ、はぁ、はぁ……」
最悪だ……
帰り道にこんなのに出会うなんて……
既に篠原クンはやられた
「ンンー!ンー!」
何やら言葉にならない声で叫んでいるようだ
本当にふざけるなと思うが、もしかするとこの言葉しか喋れないよう声帯を改造されたのかもしれない
だが、どちらにせよこいつに篠原クンが倒されたのは事実だし、その時の行動も一切見えなかった
今は少し遠くで唸っているだけだが、またいつ動き出すか分からない
その時にはこちらに対抗手段は無い
「……あ~あ。終わりだよこれ」
あいつの気分が変わったら僕の死亡が確定する
そう思った次の瞬間、巨大なバケモノが小さなバケモノを襲った
「……え?」
理解ができない
何だコイツ?
「ちょっと~、そこの人?大丈夫ですか~?」
右を見ると、この特殊な状況で平然として歩いてくる人が居た
「え?……あ、ああ。大丈夫ですけど……」
この人は一体何なんだ?
それに、さっき出てきたバケモノは今も小さなバケモノを殴り続けている
「えっと……これは……何でしょうか?」
謎のものについて質問する
もしかしたら相手も知らないかもしれないけど……
「ああ……これは……聞かないでくれ」
本当に知らないのか、伝えたくないのかわからないが、そう答えた
なら、放っておくしかないだろう
「それで……僕は君を信用して良いのかな?」
「もちろん」
……ここまではっきりと答えられるとかえって不安になるな……
「ンンー!ン!ンンー!」
小さいのは健闘しているが、正直時間の問題だろう
何より、体格差が有り過ぎる
「そうだ!あいつの処置を頼みます!もしかしたら、もう意味が無いかもしれないけど……」
一応頼んでおかないと
目の前で人が死ぬような経験は出来れば避けたい
「ああ……まあ、ダメかもしれないですけど……」
そう言ってポケットからハンカチを取り出した
ハンカチって……体が明らかにヤバイ方向に曲がってる人に対してそれですか……
あんまり効果が期待できないな……
あんまり手段が無いのかもしれない
まあ、それでもやらないよりはマシか……
ハンカチでついている血を拭き取り、傷口を抑えて止血しようとするが……
「う~ん……上手く血が止まらないな……そうだ!おい!ちょっとこっち来て!」
バケモノを呼び寄せて何をするつもりなんだろう……?
気になって見ていると、バケモノの鱗?らしきものを引っ剥がしていた
それでどうするんだろう?
じっと見つめていると、その鱗を篠原クンに食べさせた
「え!?ちょっとちょっと!なにやってんの?!」
目の前で変なものを食べさせ始めた人を見て驚く
「え?治療だけど……もうこれしか思いつく方法が無いんだよね。代案が有れば出してほしいな」
そこまで堂々と言われるとこちらも言葉を失ってしまう
「……わかりました。お好きにして下さい」
まあ、どうせ放っておいたら死ぬんだ
好きにすれば良いだろう
「あ……ヤバイかも……」
あ……だめだったみたい
「ウグッ、グッ!ンンー!」
あれ?復活しちゃった
「あ、生きてたんだ。じゃあ、よろしく」
デカい方のバケモノが入念に殴りつけていく
「あの……それで、その人は大丈夫そうですか?」
「いや、多分ダメ。完全にミスっちゃったわ」
え?ミスったの?
じゃあ、僕はどうすれば良いんだ?
責任が無かったことにして逃げ帰ればいいのか?
「……この人は僕たちが来たときには既に事切れていた。……いいね?」
「……はい。そうですね」
改めて事実確認を行ってから、僕たちは逃げるために動いた
「うん、それで合ってるよ」
隣りに居る奴に聞くと、答えてくれる
この情報が正しいかどうかも裏切りの判断基準にはなるが……
まあ、それは考えすぎても仕方がない
大きな戦力も手に入ったことだし、撤退も視野に入れて構わないか……
「須斎、居るか?」
小声で聞いてみると、合図が返ってきた
一応、他の奴に場所がバレ無いよう、須斎とは直接言葉を交わしてやり取りすることは避けている
そうして、少しやり取りをした結果、須斎にこいつを連れて帰らせることが決定した
まあ、このバケモノは戦力になるなら攻撃に投入したいが、今の時点では少し不確定な部分が多すぎる
帰らせる須斎とこの男のボディーガードくらいの考えが丁度いいかもしれない
それに、須斎単独ならいざとなった時に逃げ出して俺に話を伝えに来ることが出来る
「じゃあ、僕たちはこのまま敵のボスみたいなのを叩く、ってことでいいんだよね?城崎」
「ああ、その通りだ。神柱」
こいつの考えているように、相手の中心人物を即座に捕縛・ないしは殺害する
その目的がきちんと伝わっているようで良かった
「じゃあ、須斎とはここで一旦お別れなのかな?」
少し不用意なことを口走った神柱の言葉を誤魔化すように俺は言う
「須斎……?一体誰のことだ?」
それで察してくれたらしく、それからバケモノ達と別れるまで須斎のことは話さなかった
しばらくしてから、バケモノ達と離れて、須斎がそれについていった
「……よし、じゃあ俺たちも向かうか」
「そうだね。確か、向こうの方だよね」
二人でゆっくりと歩いていった
――――――――――――――――――――
「はぁ、はぁ、はぁ……」
最悪だ……
帰り道にこんなのに出会うなんて……
既に篠原クンはやられた
「ンンー!ンー!」
何やら言葉にならない声で叫んでいるようだ
本当にふざけるなと思うが、もしかするとこの言葉しか喋れないよう声帯を改造されたのかもしれない
だが、どちらにせよこいつに篠原クンが倒されたのは事実だし、その時の行動も一切見えなかった
今は少し遠くで唸っているだけだが、またいつ動き出すか分からない
その時にはこちらに対抗手段は無い
「……あ~あ。終わりだよこれ」
あいつの気分が変わったら僕の死亡が確定する
そう思った次の瞬間、巨大なバケモノが小さなバケモノを襲った
「……え?」
理解ができない
何だコイツ?
「ちょっと~、そこの人?大丈夫ですか~?」
右を見ると、この特殊な状況で平然として歩いてくる人が居た
「え?……あ、ああ。大丈夫ですけど……」
この人は一体何なんだ?
それに、さっき出てきたバケモノは今も小さなバケモノを殴り続けている
「えっと……これは……何でしょうか?」
謎のものについて質問する
もしかしたら相手も知らないかもしれないけど……
「ああ……これは……聞かないでくれ」
本当に知らないのか、伝えたくないのかわからないが、そう答えた
なら、放っておくしかないだろう
「それで……僕は君を信用して良いのかな?」
「もちろん」
……ここまではっきりと答えられるとかえって不安になるな……
「ンンー!ン!ンンー!」
小さいのは健闘しているが、正直時間の問題だろう
何より、体格差が有り過ぎる
「そうだ!あいつの処置を頼みます!もしかしたら、もう意味が無いかもしれないけど……」
一応頼んでおかないと
目の前で人が死ぬような経験は出来れば避けたい
「ああ……まあ、ダメかもしれないですけど……」
そう言ってポケットからハンカチを取り出した
ハンカチって……体が明らかにヤバイ方向に曲がってる人に対してそれですか……
あんまり効果が期待できないな……
あんまり手段が無いのかもしれない
まあ、それでもやらないよりはマシか……
ハンカチでついている血を拭き取り、傷口を抑えて止血しようとするが……
「う~ん……上手く血が止まらないな……そうだ!おい!ちょっとこっち来て!」
バケモノを呼び寄せて何をするつもりなんだろう……?
気になって見ていると、バケモノの鱗?らしきものを引っ剥がしていた
それでどうするんだろう?
じっと見つめていると、その鱗を篠原クンに食べさせた
「え!?ちょっとちょっと!なにやってんの?!」
目の前で変なものを食べさせ始めた人を見て驚く
「え?治療だけど……もうこれしか思いつく方法が無いんだよね。代案が有れば出してほしいな」
そこまで堂々と言われるとこちらも言葉を失ってしまう
「……わかりました。お好きにして下さい」
まあ、どうせ放っておいたら死ぬんだ
好きにすれば良いだろう
「あ……ヤバイかも……」
あ……だめだったみたい
「ウグッ、グッ!ンンー!」
あれ?復活しちゃった
「あ、生きてたんだ。じゃあ、よろしく」
デカい方のバケモノが入念に殴りつけていく
「あの……それで、その人は大丈夫そうですか?」
「いや、多分ダメ。完全にミスっちゃったわ」
え?ミスったの?
じゃあ、僕はどうすれば良いんだ?
責任が無かったことにして逃げ帰ればいいのか?
「……この人は僕たちが来たときには既に事切れていた。……いいね?」
「……はい。そうですね」
改めて事実確認を行ってから、僕たちは逃げるために動いた
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