人類戦線

さむほーん

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怪奇編

第七話 賢

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「それで、何で炎が効いたか思いつかない?城崎?」

戻ってから、気になったので聞いてみた

「まあ、お焚き上げとかが関係したんじゃないか?」

お焚き上げ?

ああ……あの、人形供養とかでやるやつか

じゃあ、ちゃんとお祓いっぽいやり方では出来たんだな……

「ところで、ああいう手合にお焚き上げって効くのかな?人形みたいなのにしか効かないと思ってたんだけど」

「だが、お前は切ったときにはそれが効いていると思ったんだろ?なら、それで十分だ」

ん?

「それって、どういうこと?」

僕がそう思った?

「何か、関係有るの?」

城崎は座り直してから答える

「これはまだ仮説でしか無いんだが、聞くか?」

仮説、か

万が一間違ってた時に変なバイアスが掛かりそうだから怖いけど……

ま、でも一応聞いておこう

「何?教えて」

ゆっくりと語りだした

「色んな所でこういう怪異の調査をさせていたんだが、そこであることに気が付いた」

あること?

というのは本当だった」

……なるほど

「神様は忘れ去られると死ぬ、っていうのと似たような感じ?」

「まあ、それと同じと思えばいい。むしろ、その神が死ぬことが元な気もするがな」

つまり、あの時僕の刀による熱が効いたのは、僕が【炎なら効く】と思ったから、ってことか

あれ?でも、それじゃあ最初に斬った時は関係ないんじゃない?

「まあ、お前の考えていることは何となく分かる。すぐに説明するからちょっと待ってろ」

そう言って、古い資料を取り出す

それを見てみると、全国各地の除霊・供養の方法が書かれていた

「燃やす、という方法が半分を超えており、多くの人が燃やすことを供養や除霊の方法と考えているようだな」

……ああ、そっか

「つまり、その人たちが信じ込んでたから、最初に熱、つまり炎が効き、それでお前が炎が通じると考えたからあいつに炎が聞くようになった、というところだな」

へぇ……

じゃあ、僕が思ってなくても炎は通っていた可能性が高かったりするのかな?

「じゃあ、次から怪異の調査に行くときはそういう噂を事前に調べてからの方が良いのかな?」

「まあ、そうだろうな」

う~ん……そうなると、怖い話とかを1から見直しておこう

これは、決して趣味などでは無く、任務の準備だ

もう一度言う、これは決して趣味などでは無い

さて、それじゃあ、話も終わったことだし一旦外に出よう

ちょっと気になることも有るし

――――――――――――――――――――

「ねぇ、弘岡」

気になってはいたけど、聞くのを避けていたことをこのタイミングで弘岡に聞く

「何?」

少し不機嫌そうに答える

「えっと……何で『賢』っていう呼び方を知ってたの?」

「……」

何か言いたくないことがあるのだろうか

弘岡は喋らない

「……そう言っていた人を知ってるから、咄嗟にその言い方が出た」

……知ってた?

「何処で?!誰がそう言ってたの?!」

「確か……昔、何時だったかは分からないけど、どこかの森に遊びに行ったとき、だったと思う」

どこかの森……

森、というのが気になるけど、そこは一旦おいておこう

「そこで会った人について、詳しく聞かせてくれる?」

ゆっくりと思い出すような仕草を見せて弘岡は話し始める

「口調は穏やかだったと思うけど、そこまで口数は多くなかったから細かくは分からない」

口数が多く無く、穏やかな口調

そこまでは特徴が一致している

「あとは?他になにか特徴とか思いつかない?」

確信が持てる情報が欲しい

ここで変に期待して結局違った方が悲しいから、しっかり情報を得てから考えよう

「特徴……とは言っても、多分私と同じくらいの年齢だったことくらいしか……」

年齢も大体同じ……

まずいな、少し期待が高まってきた

もう少し話を聞こう

「それで、ちょっと意気投合して暫く遊んでた。その後は……知らない。とこに行ったのかも。今どこに居るのかも」

……そうか

弘岡は知っていたのか

だとしたら、僕の欲しい情報は持っていないかもしれないな

「ありがとう。取り敢えずの手がかりは手に入ったよ」

そう言って、その場を立つ

「あの……」

弘岡が何か言葉を口にしようとする

「神柱は……その人とどんな関係なの?」

どんな関係……か

「幼馴染」

――――――――――――――――――――

……まぁ、良い

どうせ終わったことだ

今さら考えることじゃ……無いよな

「やっぱ……気になるな」

かと言って、これ以上弘岡からは情報が出てきそうに無い

自分で探ってみても良いかもね

……確か、この崖だったよな

僕は、スマートフォンで久しぶりにあの場所について調べた

すると、そこはもう住宅地が建っているようだ

多分、再開発の中で行われたんだろう

建築終了がもう十年近く前になっていたから、城崎が指示したことでは無さそうだ

……こうなると、もう見に行けないかもね

それなら踏ん切りがつく……かも、しれない

よし!もうあの時のことは気にしない!前に向かって進む!

これで良い

忘れれば、それで良いんだ

――――――――――――――――――――

「聖。この任務、本当に私に任せるのか?」

須斎が俺に聞いてくる

「ああ。出来れば秘密にしておきたいからな。適任はお前だ」

その後、しばらく任務について話した
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