人類戦線

さむほーん

文字の大きさ
101 / 220
怪奇編

第八話 仕事内容

しおりを挟む
「結局、全っ然割り切れないな……」

寮の中にある僕の部屋のベットの上で、寝転びながらこう呟く

そうしていると、芳枝ちゃんから連絡が来た

「そういえば、最近芳枝ちゃんと話してなかったっけ?」

おおいさんの調査で学校を空けてたからな

えっと……人手が足りないから来い?

そういうことは城崎の方に頼めば良いのに……

でも、僕が対応しないと起こるかもな……

怒ったら怖いから、一応手伝いに行こう

「持ち物は……軍手が要るのか」

というか、人を手伝いに呼びつけておいて持ち物まで指定するって、本当に何様なんだ?

ここは一度文句を……言わないでおこう

怖いし、そもそも僕はあんまり他人と揉めたくない

持ち物は……ここだな

「じゃ、手伝いに行きますか」

ポケットに軍手を入れて、僕はガレージに向かった

――――――――――――――――――――

現在、作物の品種改良は主に理化学研究所、つまり、理研で行われている

恐らく、単純に設備が良いからなんだろうけど、芳枝ちゃんか妙に理研に行きたがってたことから他の理由も有るんじゃないか、と思ってしまう

例えば、昔そこで農場を見て、それから農業に興味を持った、とか

まあ、流石にそこまでの因縁は無いだろうけど、何か有るはずだ

そう思っていると、僕の乗る車が止まった

「あれ?もう着いたんですか?」

「はい」

運転手の人が答ええくれた

幹部みたいな立ち位置になったから車と運転手を好きに使えるんだけど、これはかなり嬉しい

一々歩いて行く必要が無くなったんだ

その上、僕の装備のことをそれとなく伝えてくれているのか、急に現れても驚かない

お陰で、現在では絶賛運動不足中だ

食べる量が少ないからまだ太ってはいないけど、体力は落ちるはずだ

何故か落ちてない、むしろ上がってるけど

不思議だよな……

装備が何か関係しているのかな?

「あの……出来れば早めに降りていただくと助かるのですが……」

「あ!すみませんすみません……すぐに降ります」

そうして、僕は研究所の前に立った

チャイムを押すと、男の人の声が聞こえる

「神柱さんですね。どうぞ」

ドアが開いて、中に入ることを促される

中で、見知った顔の人が僕を案内してくれた

「いや~……すみませんねぇ。最近は色々忙しくてこっち来れて無くて……そっち、人が少ないから大変でしょう?」

「いえいえ……確かに小松さんの下で働くのは大変ですけど、それなりにやりがいもあって楽しいんですよ。ですから、人数が少なくてもそれなりに楽しかったりするんですよ」

それ……社畜的なやりがい搾取に近いような……

超長時間残業とかさせられてない?大丈夫?

「あ……それで、今日はどこに行けば良いんですかね?僕、あんまりその辺知らないんですけど」

「そうですね……確か呼ばれているのはこちら……でしたか」

そう言って、ある方向を指し示す

そちらには、動く歩道があった

「へぇ……こんなの、いつの間に用意してたんだろ?」

そう思いながら乗ってみると、そこで初めて歩く歩道に方向が無いことに気付く

「……これ、どういう仕組みで動いてるんだ……?」

まあ、今は気にせず小松ちゃんのところに向かおう

――――――――――――――――――――

「いらっしゃ~い。じゃあ、早速だけど、手伝ってくれる~?」

「いやいや……労いも無いの?」

まあ、移動自体は楽だったから、無いなら無いで良いんだけど

「ん?あ、じゃあお疲れ様~、それじゃあ、手伝ってほしいことを言っていくよ~」

いや……まあ、確かに労いの言葉はくれたけど……

まあ、良いか

「それで、僕は何をすれば良いの?」

すると、目の前に書類が出された

「言っとくけど、引き継ぎも無しに事務作業なんて無理だからね」

勘違いしてるかもしれないから、ちゃんと伝えておこう

「大丈夫。これは仕事内容を簡単に纏めただけだから。別にこれについて纏めろ、って言ってる訳じゃ無いよ」

あ、なんた……そうなんだ……

……仕事内容、こんなに有るの……?

「多くない?」

「いや~こんなもんでしょ!暫く来てくれなかったからその分溜まっては居るけど」

あ……怒ってるのかな?

「いやいや……ゴメンって……というか、僕も任務を割り振られて結構忙しかったんだけど……」

「え?ゴメン?何が?」

ん?……怒ってない?

まさか、今の刺々しい言い方が素になってるのか?

だとしたら、敵を増やしそうなんだけど……

「ああ、いや。気にしないで。じゃあ、これをやれば良いんだよね?」

そう言って、書類の1ページ目をめくる

そこには、早速山程の文字が詰め込まれていた

読むだけでも大変そうだな……

「期限とかは有るの?」

「特に無いよ~。ただ、いずれはやっておかないといけないことだし、早ければ早いほど良いから、その辺もよろしくね~」

早ければ早いほど良いのか

じゃあ、早速と取り掛かるとしよう

――――――――――――――――――――

「あの……今の人は誰だったんですか?」

一人の研究員がそんなことを言った

「ああ……そっか。まだ会ったことないんだよね。彼は、神柱賢明。手先が器用だから手伝ってもらってるんだ」

「はぁ……あれ?どこに行きました?」

見てみると、もう神柱は居なくなっていた

「本当に、移動が早いんだなぁ……」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...