人類戦線

さむほーん

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怪奇編

第三十七話 遠征

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「ん?……決定じゃ無いの?」

意外だったなのか、伏原さんはまた固まっていた

まあ、城崎は基本的に自分の中である程度決めてから会議で最終確認をする、ということが多いから確かに今回みたいなのは珍しいかもだけど……

それでも、そこまで驚かなくて良いんじゃないかな……?

もしかして、僕に対してはしっかり説明していた方だったのかな?

……あれで、かぁ

他の人にはどんな対応してるんだろう……?

ちょっと知りたいけど、今は会議中だからやめておこう

迷惑かもしれないしね

「ああ、そもそも、既に全部決まっているとしたら、何の為に会議をするんだ?」

「まあ、確かにそれはそうだけど……」

正論を言われて黙ってしまった

面倒なことになるから喧嘩みたいな事は止めてほしいんだけど……

「まあ、いい。それは一旦置いくぞ。お前達はその遠征に行く気は有るか?」

二人共少し考え始める

「私は行く気。そういう機会があれば全部残さず使いたい」

弘岡は意外とすぐに決めたみたいだ

かなり活動的だな

前からそうだったっけ?

……あんまり覚えてないな

まあ、その辺はまた今度でも良いかな

「僕は……出来れば今回はちょっと遠慮したいかな……」

伏原さんはそういう風に拒否した

やっぱり、あんまりやる気では無かったみたいだ

単に日本から出たくないだけの出不精な人なのか、それとも、何かやりたいことが有るのか

前者だったら良いんだけど、後者で、しかもそれが城崎にとって害になるならどうにかして……

「おい、神柱。お前はどうなんだ?」

ん?……ああ、僕も答えるのか

「僕は別にどっちでも構わないよ。好きに決めて貰えれば大丈夫」

特に要望は無いかな

まあ、確かに今は梁の事件について調べたい

でも、それはあくまで時間が有れば、だ

その他にやることが有ればそちらを優先しても構わないというレベルだ

だから、城崎が向かえと言うならそうする

「そうか。なら神柱、弘岡。お前達二人は決定で構わないか?」

「僕は大丈夫」

「問題無い」

僕も弘岡も遠征には行く気だ

「ところで、二人ってどういうこと?他にも誰か居るの?」

まあ、確かに僕達二人だけで行ってもまともな調査なんて出来ないだろうけど

そもそも、英語も学校で習うレベルでしか話せないし

エルサレムなんか行っても結局何も調べられないだろうから、誰が調べる担当の人は居るだろうけど

「ああ、研究員に関しては国連のエルサレムを管理する団体が何人か派遣するそうだ。まあ、こちらもある程度は連れて行くがな」

へぇ……国連から調査団みたいな感じで来るのかな?

だとしたら専門家が居るから大丈夫だろうけど……

「通訳とかもちゃんと居る?」

「?当たり前だろう?」

良かった……

「あれ?神柱、英語話せない?どうだった?」

弘岡が聞いてくるけど、何か勘違いしているようだ

「僕が英語を話せるのはあくまで高校レベルかその少し上くらいだよ」

確かに、僕は学校で英語を習っただけの人間にしては英語を話せるだろう

一応、中学校にいた頃に英会話教室に行っていたからね

でも、高々教室で学んだ程度のものとと政治に使えるレベルの英語というのは次元が違う

だって向こうは普通に専門用語とか使って来るんだもん

だから、言葉の意味がそもそも分からない

そんなんじゃあ勿論話せる訳ないよね

「なるほど……私が英語を学ぶ時は参考にしておく」

学ぶ時は、って……

今高校生なんだから、学ぶ時は今じゃないの?

まあ、その辺りは本人の考え方によるのかもしれないけど……

「まあ、二人共納得しているようだし、遠征者の選定はこれで終わりにしても構わないか?」

「うん。大丈夫だと思うよ」

城崎がそう提案したが、特に反対の声は出なかった

これで会議は終わりなのかな?

「よし、なら、もう一つの本題に入るぞ」

もう一つ?

他にまだ何か有るのかな?

「今から言うことは特に黙っていて欲しいんだが……国内で一つの新興宗教が形作られつつあるのは知っているな?」

え?そうなの?

僕は驚いたけど、周りの皆を見る限り、他の人はこのことを知っていたみたいだ

じゃあ、僕も知っていたってことにしておこうかな

「俺が正式に調査させた所によると、その宗教はある一人の教祖を神のように崇めるという典型的なカルトだった」

「あ~ちょっと読めた」

城崎が話している途中で伏原さんがそんなことを言う

伏原さんは何が起こるのか読めたのかな?

僕には無理だったけど

「まあ、何が起こったのかわかっても一応最後まで聞け。先程もそう言ったからな」

そうして、城崎は続ける

「その教祖に対する信仰が原因となって、教祖に様々な特異能力が備わった」

え?信仰?

「……つまり、怪異みたいな状態になった、っていうことで合ってるのかな?」

「ああ、間違いない」

ええ……人間が怪異になるの……?

まあ、確かに歴史上の人物を見ると海の上を歩いた人とか海を割った人まで居るからそういう風に人が怪異になることも有り得るのか……

だとしたら、その人ってモーセや天草四郎とかと同レベルってこと?

流石にそれをどうにかするとなるとキツくない……?

聖人みたいな立ち位置だからね

「その対策についても今ここで話し合う予定だ」

そう言って、城崎は新しい資料を取り出して僕たちの前に置いた
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