人類戦線

さむほーん

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怪奇編

第四十七話 再配置

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「……そうか」

神柱から来た連絡を見て、俺はそう呟く

「どうしたの?何か有った?」

待機中の弘岡にそう聞かれる

「いや……少し予想外のことが有ってな……」

しかし、相手が何処にでも有りそうなバーを根城にしているんだ

空間を操作できる者が居ることは想定しておくべきだったな……

まあ、今となっては後の祭りだが

「まあ、今後の行動に関わってくる内容では有るが、今すぐに何か影響があると言うわけでは無い」

そう言うと、弘岡は表情を変えずに頷いた

「だったら大丈夫。私がフォローしなくても良さそう」

弘岡としてはそこが気になっていたのだろうか?

(……よし、プラン変更はこれくらいで良いだろう)

そう考えて、俺は席を立つ

「何処に行くの?」

「予想外のことが起こったからな。少し調整をする」

そう言って、俺は部屋を出た

――――――――――――――――――――

「……どうしました?」

「申し訳ございません。失敗しました」

先程、バーでグラスを拭いていた男がそう言って頭を下げる

「いえいえ、そうではなく……何が起こりました?と聞いているのです」

座っているもう一人の女がそう聞く

「いえ……正直、分からないことの方が多く……突然味方が倒れたとしか言いようが……」

ふむ、と少し考える

(仮にそういった力を持つものが居るとして……私の力で防ぐことが出来ますかね?)

「少し教義を変更したほうが良いのかもしれませんね」

そう提案する

「……はい」

「いえ、私は肯定して欲しいのでは無く、提案をして欲しいのですが……まあ、構わないでしょう。自分で考えるとしましょうか」

そうして、暫く口に手を当てて考える

「……そうですね。こうしてしまいましょう」

何かを決めたような雰囲気で呟いた

――――――――――――――――――――

「……やっぱり近くには居ないか」

バーテンダーっぽい人が居なくなってから周りの建物を探してみたけど、それらしき人物は見つからなかった

とっくに何処かに逃げられたんだろうか

まあ、本拠地の場所も多分調べてるんだろうし、そこを潰せば問題ないんだろうけど……

僕も何かするべきなんだろうか……?

う~ん……やっぱりさっきのバーにもどろうかな

それなりに重要な場所っぽいし、物色したら何か出てくるかもしれない

「よし!戻ろう」

ゴミ捨て場を去ってバーへの階段を登る

そして、経営者が入る場所だと思われる部屋に入ってみた

そこでまず、資料に目を通す

見たところ、経営資料は普通みたいだ

少しずつ売上高を伸ばしているんたな

というか、思っていたより売上が多いな

こういう隠れ家的なバーってやっぱりそれなりの需要が有るんだろうか?

僕はあんまり行きたいとは思わないんだけど……

「他には……単に仕入先との交渉の記録が残されてたりはするけど……」

その仕入先もどこか一つや二つに集中している訳では無い

宗教団体絡みでの癒着的なことはあんまり無いのかな?

実はクリーンだったり?

「お?これは……」

資金の供給元、つまり、出資者が誰なのかを示す書類が有った

「これを見れば支援団体とかが分かるのかな?」

カモフラージュをしてある可能性も有るけど、どうなんだろう?

まあ、写真に取ってから持ち帰るとしよう

「あとは……これかな?」

一応、売上高や品目別のデータも持ち帰っておこう

あと、これも

……こう見ると、全部持ち帰った方が良いような気がしてきたな

出来るだけ写真に撮ってから帰ろう

――――――――――――――――――――

「城崎、今戻ったよ」

城崎の隣に帰ってきてから加速状態を解く

少しだけ弘岡が驚いたような表情をしたけれど、特に気にしなくて良いだろう

「それで、何が有った。詳しく伝えろ」

城崎がそう言ってくる

だから、僕はあの場所で有ったことを一つ一つ丁寧に伝えた

「成程……そいつの始末は後だ。もうすぐでデマの拡散が完全に終了する。そうなったら、空間を操作するというそいつよりも教祖を優先して潰すぞ」

ん?城崎としてはそっちが優先なんだ

よっぽど教祖の始末を優先したい理由でも有るのかな……?

「じゃあ、僕はこれからどうすれば良いの?」

でも、布教者を一人を残して全員倒して、残った一人は倒さないで良いとなると、僕のやることが無くなったということになる

これから何をやれば良いんだろうか……

「そうだな……取り敢えず、エンジニアの方の警備をしておいてくれ。その他の細かい指示は追って出す」

成程、警備員か

ちょっと暇だけど、無職よりはマシかな?

僕は場所を教えられてからそちらに向かった

――――――――――――――――――――

あの話を聞くだけでは、情報が足りずに何も分からないままで終わってしまう

だが、俺の持っている情報と組み合わせると、重要なことが見えてくる

「ここから考えると……もうじき来るだろうな」

その対策の為に神柱を警備に向かわせた訳だが……

果たしてどうなるか……

そして、俺は拠点の内部を把握しようと支配の根を張り巡らせる

大抵の場所には異変は起こっていないが……

ここだけは別だ

「思っていたより随分と早かったんだな」

しかし、ここに来られると面倒だ

調べた限りでは伏原の待機している場所のすぐ近くに、なにもないところから人が次々と現れていた
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