人類戦線

さむほーん

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怪奇編

第五十四話 怪我人

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「……ん?まさか、ここに居るのか?」

ある建物の前に来たときに、中に人間がいる反応が有った

(いや……少し待て)

落ち着いて周りを探ってみると、俺と教祖、そしてその建物の中にいる人以外は誰も居なかった

何故だ?何故今まで気付かなかった?

ここまで人が居ないと、態々探らなくても違和感を感じそうなものだが……

何か細工をされていたのか?

これは……早急に対処しないといけないかもしれないな……

「まあ、それよりも先に中に居る人間が誰なのかの確認だ」

仮に先程確認した【この周辺には俺たちとその相手以外に人が居ない】ということが事実なら、その相手との共通点を探ることで何故居なくなったのかを理解することができるかもしれない

それが出来ればこの事態もどうにか打開できるだろう

俺は教祖を引き連れて建物の中に入る

そして、早速人の反応がある方向に向かって歩いていく

「これは……医務室、か?」

どうもそちらの方に居るようだ

見たところ、動いていないから、自分で治療をしている訳でも無さそうだが……

一体こいつは何を目的に医務室に潜伏しているのか……

ドアを開けて入り込んだ

すると、そこには別途の上で横たわっている伏原が居た

(なるほど……意識が無かったのか)

それで自力で何かを出来る訳では無かったと

それなら、治療をしておくか

一応、医療関係は多少なら学んであるしな

そうして、俺はこの場にある器具で出来る対処を行い、部屋を出た

本来、意識を失っているような状況ではあの程度の処置をしたところで焼け石に水だ

もう少し踏み込んで治療を行うべきだが、その為に必要な医療器具は、その殆どが鍵付きの棚に仕舞われている

こじ開ければ使えないことも無いが、それをやると後々面倒なことになる

だから、俺が今やるのはここまでだ

後はこの騒動が終わってうちの学校の養護教諭が戻ってくるのを待つか、それが無理そうなら近くの病院に連れて行くか、くらいしか出来ないだろう

それまでこいつが耐えれるかどうかは俺は知らないがな

(しかし……共通点が見つからないな……)

今の所、確実にこの周辺に残っているのは俺と神柱、そして、この教祖と伏原の四人だ

後は、確実では無いが相手のサポーターに当たる人間も一人居るだろうな

弘岡は……連絡が取れないことを考えると、残っていないとするべきか?

仮にこの工作を教会側が仕掛けたものだとすると、教祖とサポーターらしき人間が残るのは分かる

だが、俺と神柱そして伏原の共通点が分からない

一応全員がこちらの勢力で重要な立ち位置にいるという共通点はあるが……

これを仕掛けた人間がそこまで考慮するか……?

何か他の基準があると考えた方が自然な気もするが……

ダメだな。サンプル数が少なすぎて何とも言えない

もう少し色々なケースを調べてからにしないとな……

(ん?電話か……)

見ると、神柱から電話が来ている

「どうした?弘岡の捜索はどうなっている?」

「いや、それとは別の話なんだけど……C棟にいる伏原さんの所に行ってきてくれない?結構怪我してると思うから……」

ん?あれは神柱が運び込んだのか?

「それならもう処置を済ませたぞ。まあ、あの場にあって俺が使える設備では応急処置しか出来なかったが……」

「あ、終ったの?!」

神柱は俺が既に処置を済ませているとは思っていなかったようだ

神柱は何か考える様子で少し黙る

「……じゃあ、僕は行かなくて大丈夫なのか」

「いや、来い。今こちらが少し面倒なことになってる。出来れば、お前以外にこの学校の敷地内に居るやつを探してそいつも連れて来い」

「え?そんなの言われても他の人が何処に居るかなんて知らないよ。そもそも、僕とかの一部の人以外はこの辺に誰も居ないっていうことにさっき気付いたくらいだし」

その言い分も分かるが……

「誰も居ないか?一応俺も調べているが、須斎等の迷彩能力を持った奴は見つけ出すことが出来ない。そういった相手を実際に歩いて素手で探せ」

こういった手法は俺が苦手とするものでもある

だから、神柱や須斎といった者に頼まなくてはならないが……

「う~ん……まあ、一応探してみるよ。ただ、あんまり成果が出なくても怒らないでね?人探しなんて今までほとんどやったことが無いし」

「大丈夫だ。ある程度正確性が低いのは考慮に入れてある」

俺自身が動かない時点でそこは覚悟の上だからな

「よし、じゃあ僕ができる範囲でやってみる。ちょっとそっちに向かうのに時間が掛かることになるかもしれないけど、その辺りは許容してね」

「問題無い」

――――――――――――――――――――

……そういえば、城崎にバーテンダーさんの死体を放置していることを伝えて無かったけど、大丈夫だったのかな?

まあ、どうせ殺した後だからそこまで大きな問題にはならないだろうけど

「さて、探すって言ってもどうすれば良いのか……」

場所が分からないから手当たり次第探すしか無いぞ……

ただ、それだとかなり時間が掛かるからな……

どうにかして当たりくらいは付けておかないと、とんでもない時間探し回ることになってしまう

「どうしようかな……」

結論を出すまで時間が掛かったが、何とか時間短縮の方法は見つけられた
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