人類戦線

さむほーん

文字の大きさ
152 / 220
人類戦線編

第三話 骨董品

しおりを挟む
「ふぅ、やっと着いた」

学校の寮からそれなりに長い距離を歩いて商店街に辿り着く

一応時短のために加速状態で歩いてきたけど、結局歩く距離は変わっていないから普通に疲れるんだよな……

あれ?前にもこんなこと考えたような……

まあ、僕の考えることってレパートリーが少ないからそうなっても仕方ないか

見てみると、それなりに多くの人が商店街を練り歩いているようだ

ちなみに、この周辺は珍しく商店街が未だに残っている地域だ

多分だけど、ショッピングモールみたいな大型施設を建てることが出来るような広い土地が無かったから上手く進出できなかったからじゃ無いだろうか?

前はこんなに栄えていなかった気がするから、なにか理由が有ったのだろうか?

「……おっと、危ないじゃん」

後ろから来た車に轢かれそうになったので慌てて避ける

まあ、僕も歩道と車道の間くらいのややこしい位置にいたから百パーセント相手が悪いって訳じゃあ無いけど……

それでも

もうちょっと注意してほしいな……

当たったら怪我するのは僕なんだから……

僕が気を付ければ良いという話では有るけれど、やっぱり車の運転手に気を付けて欲しいな

「じゃあ、何を買おうか……」

特に思いつかないけど、雑貨屋とかに行こうかな?

そこで探せば何か欲しいものが見つかるんじゃないだろうか?

正直行き当たりばったりな気がするけど、なんとかなるでしょ

欲しいものが無かったら帰れば良いだけだし

そして、僕は一番近くに有った雑貨屋らしき店に入ってみた

「お邪魔しま~す……」

ドアを開けて、中にいる店主さんらしき人に話しかける

「あの……このお店にあるもので買っちゃいけない物って何か有りますかね?」

「いや、大丈夫だ。非売品は今は裏に仕舞ってある」

ゆっくりとそう答えて後ろの扉を指差した

多分、あの扉の奥に色々と置いてあるのだろう

「じゃあ、ちょっとゆっくり見させてもらいますね……」

そう言って部屋の壁に有る棚に置いてあったマグカップに手を近づける

「これは手にとっても」

「構わん」

許可が降りたので手にとって見てみる

なんというか……麻みたいな手触りだな 

セラミックとか陶器ならこんな感じにはならないだろうけど、一体どんな素材を使っているんだろう?

ちょっと気になるな

「あ……あの、これって何で出来てるんですか?」

「ん?……ああ、そのマグか。それは確かな……アストラルタイト、とかいう名前の鉱物で出来ていたはずだ」

なんでも、最近見つかった新種の元素らしくてな、と言って机の下からファイルを一冊取り出してページを開く

そこには隕石からきた金属アストラルタイトと書かれていた

隕石からきた金属アストラルタイト、ですか……」

結構かっこいい名前だな

僕もそんな風に良い感じの名前をつける能力が欲しいな

まあ、手に入れたところで使い道が無いんだけど

僕が何かの名前をつけるっていう状況が来るのが想像できない

そんなことを考えている

「ああ、ドイツで発見された物らしくてな。前から降ってきてる変な隕石が有るだろ?あれから検出されたらしい」

「それ……もう市場に出回ってるんですか?」

この人、なんかヤバい手段で集めたりしてないだろうな……?

「ああ、お前さんの気にしていることも分かる。だが、どうやらこの鉱物、相当な量が取れているらしくてな。好事家の間じゃあもう結構な話題になった後で、大抵のやつらは持ってると思うぞ」

成程、そんなのが有るのか

それにしても、隕石か……

もしかして、装備のことを言ってるのかな?

確かにこれは空から降ってきたから分類としては隕石に近くなるのかもしれないな

そうなると、この鉱物は装備由来ってことになるんだけど

僕の刀とは随分手触りが違うけど、本当に同じ素材なのかな?

「う~ん……これ、いくらぐらいします?」

ちょっと気になるし、値段によっては買ってもいいかな……

「二万と三千だ。ティースプーンも付けてな」

あ、ティースプーンも付いてるのか

じゃあ買おうかな

「現金で大丈夫ですか?」

「ああ。今後ともよろしく」

今後ともよろしく?

「こういう時って『毎度あり』みたいなことを言われるイメージがあったんですけど、違うんですね……」

「?それは馴染みの人に言う言葉だろ?ご新規さんに『毎度』なんか言ってもなんのことなのか分からねぇじゃねぇか」

ああ、そっか。毎度ありってそういう意味だったんだ

「じゃあ、他に買うものも無いので帰りますね」

「おう。じゃあな」

僕はそのまま店を出て通りに戻る

そして通りの裏に入り、改めてマグカップを見つめた

「……見た目は普通のマグカップなんだよな」

パッと見ただけでは何が変なのかは分からない

古物鑑定のお店とかに冷やかしで持っていって、鑑定士さんの腕を試そうかな……?

いや、お金があるとは言え、無限じゃないから止めておこう

こういう鑑定士って料金がやたらと高いからね

自分で頑張って違いを見つけてみることにしよう

そうして、僕は自分の持つ刀とそのカップを比べて違いを探してみる

(まっ……たく分からないな)

ちょっと自分でやるのは無理かもしれない

やっぱりネットで調べておくのが一番の手だな

そう思って、僕はスマホを取り出してそのマグカップを撮影することにした
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

処理中です...