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人類戦線編
第十五話 砲撃
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先程送った画像を見たらしい本部の人が発した言葉に、僕は理解が追いつかなかった
「あの……どういうことですか?このオブジェ、元から有ったんですか?」
流石に無いだろうと思いながらも一応その可能性も確認しておく
ちなみに、有り得ないだろうと思った理由は簡単だ
このオブジェが色んな宗教のことを冒涜してるからだ
例えば、一番上は丸い部分に尖った針が付いているモスクみたいな見た目をしているけど、その針にはイエス・キリストらしき人物が刺さっている
他にも、ヒンドゥー教では神様の乗り物である牛を不殺主義のブッダが刺殺している絵が彫られていたり
でも、やっぱり僕本人がこれと全く同じものをどっかで見たことある気がするんだよな……
どこで見たんだろう……?
「オブジェだと?何処にそんなものが有る?」
「はい?」
流石にこれが見えないのは無いでしょ……
「あの……見るからにあるじゃないですか……ほら、写真の真ん中に」
もしかして、虚偽報告の可能性を疑われているのかな……?
「……?見つからないぞ。具体的にどこに有るのか言ってみろ」
それにしては、ちょっとしつこいような気がするけど……
っていうか、今緊急事態なんでしょ?
こんなことをやっている暇、有るのかな……?
「ほら、写真の真ん中にあるじゃないですか。タージ・マハルにキリストが刺さってるやつが」
「何だそれは?そんなもの無いぞ」
あれ?おかしいな……
とても見逃すようなサイズじゃあないと思うんだけど……
もしかして、僕が何かに化かされているのかな?
そう思ってスマホに入っている写真を確認してみるけど、やっぱりちゃんと写っている
「もしかして、データが上手く転送できてないんじゃないですか?少なくとも僕のスマホに入っている写真には写っていますよ」
「ふむ……画像が欠損したりそもそも写真が見れないという転送ミスは聞いたことが有るが、画像の中身が変化するミスなど……」
そう言ってから、暫くは他の人と話しているような声が聞こえた
「とにかく、一旦こちらに届いた画像を送り返す。受信したらすぐに確認して、何か変な点が有ったら取り急ぎ伝えてくれ」
スマホを例の通信機にくっつけた状態で十数秒待ったら、件の写真が届いた
それを見て、僕は言葉を失う
「どうなってるんだよ……」
その写真の中央部には、さっきのオブジェとは全く違う種類のオブジェが写っていた
――――――――――――――――――――――――
「危ないな」
俺はモーターとエンジン、後は燃料庫だけになった飛行機の上で休みながらそう言った
「まあ今回は俺と運転手、航空整備士くらいしか乗っていなかったから救助も簡単だったが……大人数が乗っている場合にこれをされると困るな」
この攻撃が何処から行われたのかを探りつつ、俺は空中で他の燃料を探す
俺自身は生き残った上、移動手段まで確保してはいるが、この爆撃のような攻撃によって食らったダメージは大きい
何せ、複数用意しておいた燃料庫が二つを残して全て塵となったからな
そして、今俺が『支配』している燃料庫は一つだけだ
機体の大半を拾うのを諦めたから長時間飛ぶことは出来るだろうが、やはり予備は持っておきたい
もう一つの燃料庫も一応視界の中には有るが、かなり遠く、取りに行くのなら少し方向を転換しなくてはならない
(そこまですると流石に妨害されるだろうが……)
しかし、ここで行動しないことにはこの状況の打開が出来ない
まずは攻撃を仕掛けてきた相手を片付けるとするか
「向こうか」
攻撃が行われた方向をよく見る
そしてカバンから小型の遠視ゴーグルを取り出し、それを使ってその方向を調べた
「恐らく、あいつ達だろうな」
見た先にはミサイルの発射台とそれを操作していると考えられる人間が数人居た
そいつらが操作盤らしきものに触れると、砲口の向きが変化し、俺に照準を合わせる
そして、その砲口から一本のミサイルが飛び出てきた
それを見た俺は瞬時に周囲の空気を支配し、そいつ等の居る場所に向かって押し出す
原理としては周囲の空気を押し出すという空気砲のようなものだ
勿論、俺もこの程度でミサイルを打ち返せる等とは思っていない
だが、強力な力で押し出された空気をぶつければミサイルの軌道を変えることくらいは出来る
打ち出されたミサイルは俺の前方二百メートルほどの場所で軌道を変えられ、明後日の方向へ飛んでいった
(……あまり高精度な撃針は付けていなかったようだな)
衝撃に反応して爆発するタイプだったら空中で方向を変えさせるのも危険だったが、どうやら大丈夫だったらしい
「さて、今ので向こうの手は割れた」
ここから攻撃者の居る場所までは目測で二キロメートル程か
この飛行機のエンジンを利用すればそこまで時間は掛からなさそうだな
幸いにも、俺の左手に付けている装備を使えばエンジンが熱暴走することは防げそうだ
「少し事情を聞きに行くとするか」
――――――――――――――――――――――――
「目標見失いました。レーダーにも反応しません」
「何?海上でか?……一応ミサイル用のレーダーをも使って確認しておけ」
「ミサイル用ですか……分かりました」
その数秒後、一人の叫び声が聞こえた
「来てます!」
次の瞬間、司令室が爆炎に包まれた
「あの……どういうことですか?このオブジェ、元から有ったんですか?」
流石に無いだろうと思いながらも一応その可能性も確認しておく
ちなみに、有り得ないだろうと思った理由は簡単だ
このオブジェが色んな宗教のことを冒涜してるからだ
例えば、一番上は丸い部分に尖った針が付いているモスクみたいな見た目をしているけど、その針にはイエス・キリストらしき人物が刺さっている
他にも、ヒンドゥー教では神様の乗り物である牛を不殺主義のブッダが刺殺している絵が彫られていたり
でも、やっぱり僕本人がこれと全く同じものをどっかで見たことある気がするんだよな……
どこで見たんだろう……?
「オブジェだと?何処にそんなものが有る?」
「はい?」
流石にこれが見えないのは無いでしょ……
「あの……見るからにあるじゃないですか……ほら、写真の真ん中に」
もしかして、虚偽報告の可能性を疑われているのかな……?
「……?見つからないぞ。具体的にどこに有るのか言ってみろ」
それにしては、ちょっとしつこいような気がするけど……
っていうか、今緊急事態なんでしょ?
こんなことをやっている暇、有るのかな……?
「ほら、写真の真ん中にあるじゃないですか。タージ・マハルにキリストが刺さってるやつが」
「何だそれは?そんなもの無いぞ」
あれ?おかしいな……
とても見逃すようなサイズじゃあないと思うんだけど……
もしかして、僕が何かに化かされているのかな?
そう思ってスマホに入っている写真を確認してみるけど、やっぱりちゃんと写っている
「もしかして、データが上手く転送できてないんじゃないですか?少なくとも僕のスマホに入っている写真には写っていますよ」
「ふむ……画像が欠損したりそもそも写真が見れないという転送ミスは聞いたことが有るが、画像の中身が変化するミスなど……」
そう言ってから、暫くは他の人と話しているような声が聞こえた
「とにかく、一旦こちらに届いた画像を送り返す。受信したらすぐに確認して、何か変な点が有ったら取り急ぎ伝えてくれ」
スマホを例の通信機にくっつけた状態で十数秒待ったら、件の写真が届いた
それを見て、僕は言葉を失う
「どうなってるんだよ……」
その写真の中央部には、さっきのオブジェとは全く違う種類のオブジェが写っていた
――――――――――――――――――――――――
「危ないな」
俺はモーターとエンジン、後は燃料庫だけになった飛行機の上で休みながらそう言った
「まあ今回は俺と運転手、航空整備士くらいしか乗っていなかったから救助も簡単だったが……大人数が乗っている場合にこれをされると困るな」
この攻撃が何処から行われたのかを探りつつ、俺は空中で他の燃料を探す
俺自身は生き残った上、移動手段まで確保してはいるが、この爆撃のような攻撃によって食らったダメージは大きい
何せ、複数用意しておいた燃料庫が二つを残して全て塵となったからな
そして、今俺が『支配』している燃料庫は一つだけだ
機体の大半を拾うのを諦めたから長時間飛ぶことは出来るだろうが、やはり予備は持っておきたい
もう一つの燃料庫も一応視界の中には有るが、かなり遠く、取りに行くのなら少し方向を転換しなくてはならない
(そこまですると流石に妨害されるだろうが……)
しかし、ここで行動しないことにはこの状況の打開が出来ない
まずは攻撃を仕掛けてきた相手を片付けるとするか
「向こうか」
攻撃が行われた方向をよく見る
そしてカバンから小型の遠視ゴーグルを取り出し、それを使ってその方向を調べた
「恐らく、あいつ達だろうな」
見た先にはミサイルの発射台とそれを操作していると考えられる人間が数人居た
そいつらが操作盤らしきものに触れると、砲口の向きが変化し、俺に照準を合わせる
そして、その砲口から一本のミサイルが飛び出てきた
それを見た俺は瞬時に周囲の空気を支配し、そいつ等の居る場所に向かって押し出す
原理としては周囲の空気を押し出すという空気砲のようなものだ
勿論、俺もこの程度でミサイルを打ち返せる等とは思っていない
だが、強力な力で押し出された空気をぶつければミサイルの軌道を変えることくらいは出来る
打ち出されたミサイルは俺の前方二百メートルほどの場所で軌道を変えられ、明後日の方向へ飛んでいった
(……あまり高精度な撃針は付けていなかったようだな)
衝撃に反応して爆発するタイプだったら空中で方向を変えさせるのも危険だったが、どうやら大丈夫だったらしい
「さて、今ので向こうの手は割れた」
ここから攻撃者の居る場所までは目測で二キロメートル程か
この飛行機のエンジンを利用すればそこまで時間は掛からなさそうだな
幸いにも、俺の左手に付けている装備を使えばエンジンが熱暴走することは防げそうだ
「少し事情を聞きに行くとするか」
――――――――――――――――――――――――
「目標見失いました。レーダーにも反応しません」
「何?海上でか?……一応ミサイル用のレーダーをも使って確認しておけ」
「ミサイル用ですか……分かりました」
その数秒後、一人の叫び声が聞こえた
「来てます!」
次の瞬間、司令室が爆炎に包まれた
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