人類戦線

さむほーん

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人類戦線編

第十四話 異常

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「やることないなー」

待機組に振り分けられた僕はやることがなくて暇な時間を送っていた

まあ、暇でも構わない

むしろ、予定が増えちゃうと僕が困るんだよ……

やっぱり出来るだけ楽をしたいしね

(……ってなったら良いんだけど、ちょっと不穏な感じなんだよね)

さっきから皆慌ただしく動いている

もしかすると、なにか緊急事態が発生したのかもしれない

だとしたら、予備戦力の投入が行われるだろうけど……

そうなると、僕も前に出ないといけないんだよね

ゆっくりしていたい僕の性分からすると、そういうのは止めてほしいんだよな……

「でも、一応そういう事態が起こったときに備えて、出発準備くらいはしておかないとね」

そう考えて、僕はカバンの中身を見る

そこから必要な物としてまずは地図を取り出す

そして、僕の補充先として予定されている場所への行き方を確認しておく

それを見終わってすぐ位のタイミングで全体に向けて放送が行われた

「えー、予定変更です。待機を命じられた方々はすぐに出発準備をして下さい」

お、連絡が来た

それにしても、細かい事情は言わないんだな

僕としてはその辺りをちゃんと伝えてもらった方が納得できて仕事も捗ると思うんだけど……

まあ、そんな人ばっかりじゃあ無いのかもね

ここの人達、変な人ばっかりだからな

その辺りで僕の理解できない行動をしている人達を横目に、僕は所定の位置に向かって歩き始めた

――――――――――――――――――――――――

「連絡が取れない、と」

「はい、通信を妨害されている様子は無いのですが……」

軍の指揮官級の人間達がインカムを利用してそういうやり取りをする

「向こうの技術力が想像よりも高かったのか?それとも、技術等全く関係の無い全く別のナニカが蠢いているのか……」

不安に、そして不審に思いながらも今後の予定を考えなくてはならないという思考の元、会話を続ける

「まず、電波を妨害されている可能性を考慮して、捨て駒にできそうな人間を通信の中継機として潜り込ませます」

「そうだな。幸い、使い捨てても問題の無い護衛とある程度丁重に扱わなくてはならない護衛の分類は済んてある」

「その内の数人を中継機として利用する、と」

そうして二人は話を進め、数分後には全体に向けて指示が出された

――――――――――――――――――――――――

「僕はここ……かな?」

偉い人に決められた位置に移動してから、僕は一息つくことにした

僕の仕事はとっても簡単

このポールを立てて守るだけ

なんだか白い粉を運ぶバイトみたいに、何か大きいことの一端に触れてる感覚がするな

このポール(多分何かの機械)を運ぶことが何に影響が有るのかは分からないけど

「ところで、これって置いたらもう帰って良いのかな?」

ポールの設置とは言っても、キットを渡されているからそんなに難しいことじゃあ無い

ただ、設置場所には結構気をつけないと行けないみたいだ

場所がcm単位で指定されてるから、最低でもそのレベルで気にしないといけないのか

「大変だな……待機組になったの、失敗だったかな?」

でも、前線に行ったらもっと大変だろうしな……

やっぱり後方で良かったんだろうな

「よし、これで設置完了」

やることをしっかりとやり切って、そのまま帰ろうとする

その時、本部から連絡が入った

「国籍番号三十三番。聞こえるか?」

「はい、聞こえます」

突然連絡が来るなんて、一体何が起こったんだ?

「そちらの近くで特殊な物が発生したと考えられる。今から場所を指定するから、すぐにそちらへ向かってくれ」

「はぁ……分かりました」

そう言われたので、ポールを置いて指定された場所に向かう

そこには、特殊な形をしたオブジェが置かれていた

「えっと……これ、かな……?」

調査って言われたけど、何をすれば良いんだろう?

写真とか撮れば良いのかな?

でも、変なことをしてこのオブジェを刺激しちゃっても駄目だろうしな……

取り敢えず、本部の方に連絡して指示を待つことにしよう

(確か、この機械を使うんだよな……)

なんでも、僕や他の人達がポールを設置している区域では通信が妨害されている可能性が高いらしい

だから普通に電波を飛ばすやり方では通信が出来ないみたいで、光通信?か何かで無理やり繋いでいるらしい

細かい通信規格とかは知らないから、もしかしたら装備由来のものもしれない

まあ、結構大人数に渡していたからそれは無いような気がするけどね

そうなると、さっきのポールは中継機かな?

なんだかそれ以外の役割も有りそうだけど……

「あ、すみません。本部ですか?こちら三十三番です。異常の原因と見られるものを発見しました」

「こちら本部。了解した。その情報を口頭でも、画像でも良いから送ってくれ」

その話を聞いて、すぐにスマホで写真を撮る

そのスマホを直接通信機に繋いだら、取った写真がコピーされて本部に転送される……はずだ

「……よし、受け取った。一旦こちらで写真を確認するから少しその場で待機していてくれ」

そうは言ったが、僅か数秒ほどで再び連絡が入る

「おい三十三番。どういことだ?何も異常性が見つからないぞ?」

通信機から、そんな驚くべき言葉が帰ってきた
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