人類戦線

さむほーん

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人類戦線編

第三十七話 またかよ

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「成程、共に行動している人間とはぐれてしまい、何処に行ったのかも分からない、と」

俺は先程と出会った少女にそう確認した

「何でその仲間のいる方に行かなかったの?一緒に居ると何か不都合なことがある?」

弘岡がそう聞く

「い、いえ……そういう訳では無いんです!あの……自分達が行った方には敵がいるかもしれない、ってカタナさん達が言ったていたので……そっちに歩いていったらダメかな?って……」

敵……か

「それを言うなら、こっちに敵が居たときはどうするつもりだったの?一人で居る時に敵に会うと対処できないはず」

弘岡がそう尋ねる

「いえ……その、こっちには敵はあんまり居ないって分かってましたから……だからっ、あなた達が居るって分かったとき、凄くびっくりして……」

敵が居ないと分かる……か

そういう装備を使用しているんだろう

俺がまだ日本政府とやり合う前、蜃気楼高校の中だけで活動していた頃にそういう装備を使っているやつが一人居たな

確か名前は……篠原、だったか?

そういえば、あれから索敵に該当する能力を使用する装備を使っている奴と出会っていない

勿論、俺の『支配』の様に装備の能力を応用すれば索敵に近いことは出来るし、他にも装備を応用することで索敵を行うことが出来る者も居るだろう

しかし、索敵そのものが装備による能力となっている例はあまり聞いたことが無い

こいつがそういった『索敵が本来の能力である』装備を使っているのかどうかを確かめるべきだろうか……?

(いや、その必要は無いか。今はそれよりもこの場所の把握を進めよう)

俺は壁に手を当てて色々と探る

「……おい、そこの。お前は何が探れる?生物だけなのか、それとも建物の構造自体も探れるのか、どっちだ?」

先程出会った女にそう聞く

「あ……私は基本生き物しか……す、すみません……」

「いや、それなら良い」

この女の装備に頼ることは出来無さそうだ

俺は一人で探れるだけ探ろうとして、右手を柱に、左手を地面に当てる

そしてそのまま地面を探って行くが……

(やはり、数キロメートル間隔である)

形は俺が今触っている柱と同じだが、変な点がいくつかある

まず一つは、目に見えないというところだ

これに関しては何らかの装備を使っていると考えるのが自然だが……仮にそうだとしたら、俺達に勝ち目は無くなる

相手は直径が数十メートルにも及ぶ柱を何本も透明化させることができる、ということになる

そして、その力が及ぶ対象が柱だけとも限らない

仮に何かの兵器を隠すことが出来るのだとしたら、俺達は見えないところからの攻撃によって殲滅されることとなる

(この空間内では、常時装備を利用して索敵し続けた方が良いかもしれんな)

今後の方針の参考として頭の片隅に置いておく

そして、俺は弘岡達にこれからやることについて伝える

「よし、今からに向かう」

「え?!ひ、人が居る方ですか!?」

「城崎、流石に危険だと思う」

二人からそう言われる

「いや、移動する。このままここで待っていても何も進まない」

俺は二人に対して少し一方的にそう伝えて、そのまま歩いていった

――――――――――――――――――――――――

「……?」

俺は少しだけ違和感を感じた

(あの場所にある壁は、先程までは無かった筈だ)

それが急に現れた

この空間の中で何かが起ころうとしているのか?

(索敵する範囲を広げるか)

少し集中しなくてはならないから範囲を広げて索敵している間は動けないが、それでも構わない

俺は調べる範囲と支配する範囲を少しずつ広げていく

(……これは)

かなり遠くまで確認したところ、地面に穴が空いている場所が有ることに気が付いた

(ここで起こった異変について調べるのが良さそうだな)

俺は索敵を止め、その場所へ向けて走り出した

――――――――――――――――――――――――

薄暗い道を僕は一人進む

その右手が持っている刀と壁はずっとくっついたままだ

(これは僕の予想だけど、敵側の人は装備が何かで柱を隠していたんだと思う)

須斎の装備を利用していたのかどうかは分からないけど、少なくとも性能が似た装備は使っているだろう

須斎の装備は視覚は誤魔化せるけど、触った感触等は誤魔化せなかったはずだ

もし使っている装備の性能が似ているのならその部分にも共通点が有る……はずだ

だからこんな風にずっと触っているのが一番効果的な方法になる

「……ん?どういうことだ?」

僕は歩いている間、壁に刀を擦りつけていた

迷路とかで使われる『右手法』ってやつを使うことで迷わないようにしているんだ

でも、この『右手法』にも弱点はある

例えば、ゴールに当たる部分が壁に接していない時や部屋の真ん中にある階段などを利用しないと行けない場合等は右手を壁に付けて歩いてもゴールへ辿り着けない

では今の状況を確認しよう

僕は壁に刀で印を付けることによって擬似的に右手法を再現していた

その上で、言わせてもらおう

歩き出してから、僕は一度も角を曲がってない

にも関わらず、僕は僕自身が先程付けた印の所へ戻ってきた

ここから推測できることは一つ

「またループかよ……」

脱出するのが面倒だと思いながら僕は呟いた
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