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人類戦線編
第三十九話 操作
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「成程……そんな場所に……」
僕は須斎を見つけたときのことを丁寧に城崎に伝えた
「それならば、地面の下もしっかり調べておいた方が良いかもしれないな。確かあちらの方には穴が開いている場所があったはずだ」
そう言って城崎は安全さん達がいる方向を指差す
城崎の言っている穴というのは恐らく安全さんが空けたやつだろう
その場所がわかるのは凄いけど、どうやら城崎は索敵みたいなのが得意らしいし、不思議でも無いか
「それはそうとしてさ、城崎、弘岡と合流したんでしょ?弘岡は何処に居たの?」
「そうだ。そのことなんだが……お前は一体何時弘岡が居ないことに気が付いたんだ?」
何時……か
「その言い方をするってことは城崎も途中までは異変に気付かなかったってこと?」
そう聞き返すと城崎は頷いた
「俺は自室で考え事をしていたときに違和感に気付き、お前に須斎の居場所を聞こうと連絡した。まあ、お前はあの時点では何の違和感も覚えていなかったようだがな。それで、お前はどの段階で違和感に気が付いた?」
その質問に僕は答える
「僕は……水中に居た須斎を引っ張り上げた後かな。須斎の顔を見て『須斎は今日本にいるはず』とか考えてたら違和感に気付いた感じ。まあ、その違和感も城崎に会うまで放置してたんだけど」
「なるほど……俺もお前も何らかの精神操作を受けていたということになるな……」
精神操作か
まあ、確かに記憶や認識が変えられてるからね
そういう言い方が正しいのかもしれない
そこで、僕は今までの会話にある一人の情報が抜けていることに気が付いた
「そういえばさ、弘岡はちゃんと須斎のことを認識できてたの?」
あの二人はそこそこ仲が良さそうだったからどちらかが相手を認識できないようになっていたら少し可愛そうだな
「ああ、弘岡には須斎のことを忘れたり居場所などに対して不自然な思考をしたりといった精神操作を受けているような兆候は無かった」
弘岡には何もされていない、ってことかな?
「じゃあ、何かされたとしたら僕と城崎が一緒に居て、弘岡が居ない時になるのかな?」
そうなると……何時だ?
「ああ。更に言うなら弘岡が居て須斎が居なかったのに俺達が一切違和感を抱かなかった『空港に居た時』よりも前だな」
あ、そうか。そこも考えないといけないのか
「そうなると……どのタイミングなんだ?正直なことを言うと、僕は全く思いつかないよ」
僕は分からないことを正直に言う
こうやって知らないことを知らないと、分からないことを分からないと言えるのは大切だ
そうでもしないと、本当に大変な時や何も分からない時、すぐに助けに来てくれる人が居なくなる
「そうだな……俺も操作を受けている身である以上は確定的なことは言えないが……場合によっては俺とお前が精神操作を受けたタイミングは別だと考えた方が良いのかもしれんな」
別のタイミングで?
「じゃあ本格的に手掛かりが無いじゃん……どうやって探るんだよ……」
僕は頭を抱えた
「だがまあ、やり様が全く無いという訳では無い」
城崎が少し耳に優しい言葉を放った
「無いわけでは無いって……心当たりでも有るの?」
僕には対策がはっきりとは思い浮かんで来ないけど、城崎には何か有るんだろうか?
「簡単な話だ。お前の頭の中を見せろ。それでどうにかする」
頭の中を見せる?
もちろん、物理的に脳を開けってことじゃないのは僕にも分かる
けど、それ以外に具体的なイメージが湧かないから困惑してしまう
「その……頭の中を見せるって言っても、具体的にどんな感じなの?例えば……話を聞くだけでは無いにしろ、どういう手術みたいなのを受けるのか、とかさ」
それを言うと、城崎は自身の手を僕の頭の上にかざした
「直接見る」
つまり……何らかの手段を用いて僕の頭の中を弄るということだろうか
「それってさ……安全なの?廃人になったりしない?」
僕は不安があったので聞いておく
「その辺りについては十分確認してある。少なくとも、俺が今まで同じ操作をした相手には後遺症は起こっていない」
一応確認はしてあるのか……
「まあ、そういうことなら……」
僕は自分の頭を城崎の手の前に持っていく
城崎の手の平と僕の頭頂部が触れ合った瞬間、少し全身が痺れるような感覚があった
「っ、本当に大丈夫なの?」
「喋るな。そうされると安全を保証出来ない」
そう言われると僕も迂闊に声を出せないな……
静かにしておこう
暫くすると、城崎が僕の頭から手を離した
「……それで、何か収穫は有ったの?」
「ああ、お前の記憶は思っていたよりも使えたぞ。大体だがお前の認識が変えられたタイミングが分かった」
「もう分かったの?!」
凄いな……いきなり結論を出せるなんて……
記憶を読むっていうのは情報を集める上では結構有用な手段なのかもしれない
「俺達の本拠地となっている学校に出入りしている不審な人物がお前の記憶の片隅に有った。お前も、そして学校にいるはずの他の人間もそのことを不審に思っていないようだからかなり周到に準備をしているようだな……」
そんな人が居たのか……
「それで、僕はいつ頃に操作をされてたの?」
肝心のことを知ろうと城崎に聞いた
「四ヶ月前だ」
「え?」
一瞬、固まる
「お前はそのくらい前から操作を受けている」
僕は須斎を見つけたときのことを丁寧に城崎に伝えた
「それならば、地面の下もしっかり調べておいた方が良いかもしれないな。確かあちらの方には穴が開いている場所があったはずだ」
そう言って城崎は安全さん達がいる方向を指差す
城崎の言っている穴というのは恐らく安全さんが空けたやつだろう
その場所がわかるのは凄いけど、どうやら城崎は索敵みたいなのが得意らしいし、不思議でも無いか
「それはそうとしてさ、城崎、弘岡と合流したんでしょ?弘岡は何処に居たの?」
「そうだ。そのことなんだが……お前は一体何時弘岡が居ないことに気が付いたんだ?」
何時……か
「その言い方をするってことは城崎も途中までは異変に気付かなかったってこと?」
そう聞き返すと城崎は頷いた
「俺は自室で考え事をしていたときに違和感に気付き、お前に須斎の居場所を聞こうと連絡した。まあ、お前はあの時点では何の違和感も覚えていなかったようだがな。それで、お前はどの段階で違和感に気が付いた?」
その質問に僕は答える
「僕は……水中に居た須斎を引っ張り上げた後かな。須斎の顔を見て『須斎は今日本にいるはず』とか考えてたら違和感に気付いた感じ。まあ、その違和感も城崎に会うまで放置してたんだけど」
「なるほど……俺もお前も何らかの精神操作を受けていたということになるな……」
精神操作か
まあ、確かに記憶や認識が変えられてるからね
そういう言い方が正しいのかもしれない
そこで、僕は今までの会話にある一人の情報が抜けていることに気が付いた
「そういえばさ、弘岡はちゃんと須斎のことを認識できてたの?」
あの二人はそこそこ仲が良さそうだったからどちらかが相手を認識できないようになっていたら少し可愛そうだな
「ああ、弘岡には須斎のことを忘れたり居場所などに対して不自然な思考をしたりといった精神操作を受けているような兆候は無かった」
弘岡には何もされていない、ってことかな?
「じゃあ、何かされたとしたら僕と城崎が一緒に居て、弘岡が居ない時になるのかな?」
そうなると……何時だ?
「ああ。更に言うなら弘岡が居て須斎が居なかったのに俺達が一切違和感を抱かなかった『空港に居た時』よりも前だな」
あ、そうか。そこも考えないといけないのか
「そうなると……どのタイミングなんだ?正直なことを言うと、僕は全く思いつかないよ」
僕は分からないことを正直に言う
こうやって知らないことを知らないと、分からないことを分からないと言えるのは大切だ
そうでもしないと、本当に大変な時や何も分からない時、すぐに助けに来てくれる人が居なくなる
「そうだな……俺も操作を受けている身である以上は確定的なことは言えないが……場合によっては俺とお前が精神操作を受けたタイミングは別だと考えた方が良いのかもしれんな」
別のタイミングで?
「じゃあ本格的に手掛かりが無いじゃん……どうやって探るんだよ……」
僕は頭を抱えた
「だがまあ、やり様が全く無いという訳では無い」
城崎が少し耳に優しい言葉を放った
「無いわけでは無いって……心当たりでも有るの?」
僕には対策がはっきりとは思い浮かんで来ないけど、城崎には何か有るんだろうか?
「簡単な話だ。お前の頭の中を見せろ。それでどうにかする」
頭の中を見せる?
もちろん、物理的に脳を開けってことじゃないのは僕にも分かる
けど、それ以外に具体的なイメージが湧かないから困惑してしまう
「その……頭の中を見せるって言っても、具体的にどんな感じなの?例えば……話を聞くだけでは無いにしろ、どういう手術みたいなのを受けるのか、とかさ」
それを言うと、城崎は自身の手を僕の頭の上にかざした
「直接見る」
つまり……何らかの手段を用いて僕の頭の中を弄るということだろうか
「それってさ……安全なの?廃人になったりしない?」
僕は不安があったので聞いておく
「その辺りについては十分確認してある。少なくとも、俺が今まで同じ操作をした相手には後遺症は起こっていない」
一応確認はしてあるのか……
「まあ、そういうことなら……」
僕は自分の頭を城崎の手の前に持っていく
城崎の手の平と僕の頭頂部が触れ合った瞬間、少し全身が痺れるような感覚があった
「っ、本当に大丈夫なの?」
「喋るな。そうされると安全を保証出来ない」
そう言われると僕も迂闊に声を出せないな……
静かにしておこう
暫くすると、城崎が僕の頭から手を離した
「……それで、何か収穫は有ったの?」
「ああ、お前の記憶は思っていたよりも使えたぞ。大体だがお前の認識が変えられたタイミングが分かった」
「もう分かったの?!」
凄いな……いきなり結論を出せるなんて……
記憶を読むっていうのは情報を集める上では結構有用な手段なのかもしれない
「俺達の本拠地となっている学校に出入りしている不審な人物がお前の記憶の片隅に有った。お前も、そして学校にいるはずの他の人間もそのことを不審に思っていないようだからかなり周到に準備をしているようだな……」
そんな人が居たのか……
「それで、僕はいつ頃に操作をされてたの?」
肝心のことを知ろうと城崎に聞いた
「四ヶ月前だ」
「え?」
一瞬、固まる
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