人類戦線

さむほーん

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人類戦線編

第四十話 空中庭園

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「四ヶ月前から……それって、マジで言ってる?」

僕は城崎の言葉が信じられず、そう返した

「ああ、間違いない。お前はその時期から精神を操作されている」

そうなのか……

「じゃあ、誰がそんなことをやったんだろう?僕の記憶を見て、何か分かった?」

「ああ、かなり多くの情報が得られた」

そう答えて城崎はこちらに向き直る

「まず一つは、お前や俺に精神操作を行ったのが誰かということだが……これは……小松の可能性が高い」

小松……小松……

「あ!芳枝ちゃんのことか!」

そういえば芳枝ちゃんの名字がそんなんだったような気がする

「そうだ。小松芳枝のことだ。あいつと出会ってから、お前の精神が不自然に動作している」

そうなのか……

「芳枝ちゃん、そんなことをしてたのか……」

確かに、時々変な行動をするとは思っていたけど……

もしかして、ああいった行動も精神操作を仕掛けていることを隠すためのカモフラージュだったりしたのかな?

だとしたら……ちょっと詳しく話を聞いておきたいな

何でそんなことをしたのか、最初から相手の手先だったのか、とかさ

僕としても芳枝ちゃんのことはそんなに嫌いじゃなかったから、結構ショックを受けてるけど、そのことだけは確認しておかないといけない気がする

そうじゃないと僕が納得出来ない

「ねぇ城崎、芳枝ちゃんが今何処に居るか分かる?」

「俺は今は分からないが……分かったとしても今すぐ行くのは無理だ。少なくとも、この空間を作り出している相手をどうにかしない限りは何も倒しに行くのは無理だろうな」

今この空間を作っている相手……

「よく分からないけどさ、城崎がこの場所の壁や地面を全部支配して脱出、とかじゃダメなの?」

そうすれば手っ取り早いんだろうけど、どうしてしないのかが分からない

「それは無理だ。理由は二つある。一つは、俺が壁や地面を支配しようとしたときに気付いたことだが、この空間は広すぎる。仮に何とか全体を支配できたとしても、その全容を把握できないのでは無意味だ」

なるほど、広すぎると……

「もう一つは?」

それ以外の理由もあるんだろうか

「恐らく、何らかの手段で俺の触れている壁や床と他の壁が分離されている。俺が操作できるのは一体となっている物体のみだ。そんな風に分離されては俺の装備がうまく使えない」

分離か……

「それさ、一旦この空間を柱ごと壊してくっついた状態にすれば良いんじゃないの?そうすれば分離している物もくっつく……少なくとも、どこが分離しているのかは分かるんじゃない?」

僕がそう言うと、城崎も賛同してくれた

「そうだな。少々危険な気もするが、そうするのが最適かもしれん」

そう答えて城崎は壁に自身の手を当てた

次の瞬間、随分と立派な地下空間が一瞬にして崩れ去った

「……見つからないね」

「いや、どこが分離されているのかを確認する術があるはずだ。神柱、お前はなにか気付かないか?」

何か気付かないか、って言われても……

「僕は特に何も……」

「……そうか、なら良い」

あれ?これ何か気付いた方が良かったのかな?

でも、気付かない物は気付かないしな……

どうしようも無いというか……

そう思っていると城崎が上を指差した

「えっと……?」

「見てわからないのか?あの部分から先が浮いているだろう?」

よく見てみると、随分上の方に岩らしきものが見えた

「本当だ……浮いてる……」

その岩は何も支えが無いにもかかわらず、宙に静止していた

「どういう原理なんだろう……?」

「さぁな。だが、あれが核になっている可能性は低くは無いだろう。問題は、あれの存在する場所だ」

まあ、確かにあの浮遊した岩はかなり高い場所にある

僕たちがあれに干渉するのは至難の業だろう

「城崎は何か良い方法思いつく?」

僕自身は何も思いつかないから城崎に聞いてみることにした

「そうだな……例えば、柱の残骸を組み立てて積み上げることによって高さを確保する、といったところだろうか?神柱。俺が準備をするからお前が登ってこい」

成程……積み上げて……か

「バランス的に大丈夫なのかな?」

「その辺りは俺が下から調整する」

城崎がサポートしてくれるなら、多少危険でもやってみようかな……?

「今から準備していくぞ」

――――――――――――――――――――――――

「どうだ?!何とかなりそうか?!」

「無理!絶対手ェ届かない!」

僕は十メートルはあろうかという瓦礫の山の上でそう叫ぶ

すると、下から大量の瓦礫が山を伝って登ってきた

「何これ?!」

「お前が今いる場所で、その瓦礫を使って足場を組み立てろ!」

「城崎は組み立ててくれないの?!」

「俺のいる場所からでは遠すぎてお前本人の場所が分からん!」

そうか、城崎の居る場所からでは分からないのか

そう思った次の瞬間、足元の瓦礫から声が聞こえた

「それと、これからは足元に向かって話しかけろ。俺はその部分を経由してお前と会話することにする」

成程……足元からか……

帰って話しにくいような……

ちょっと違和感は有るけど、まあ別に良いか

「よし、それじゃあ早いところ足場を組み立てて登っていくとしよう」

こういう組み立ては初めてだけど、多分大丈夫でしょ

そう思いながら僕は瓦礫をつかんだ
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