197 / 220
人類戦線編
第四十九話 戦線状況
しおりを挟む
「よし……準備は出来た……頼むぞ」
「了解です。僕の装備、結構役に経ってますかね?」
巨大なミサイル発射装置に触れながら僕はそう言った
「ああ、勿論だよ伏原。お前の力には助けられてる」
その言葉を聞いて僕は少しだけ嬉しくなった
「角度は……こうで良いんですよね?」
「ああ、これで多少は効果があると良いんだが……」
そうして暫く待つとミサイルが巨大な足に向かって飛んでいく
「結果の確認や報告は俺がしておく。お前は早く他の所のサポートに行ってこい」
「了解しました!」
そう言って他の人のところに向かおうとする
「おい!ちょっと待て!そっちじゃなくて『コッチ』だろ?!」
そう言ってある場所を指差す
そこには何か変なマットがあった
「あ、そうでしたね。間違えてました」
僕はそう言ってマットの上に乗り、番号を選択する
すると、マットが一瞬光る
次の瞬間、僕は別の場所で同じマットに乗っていた
「じゃあ、頼みますよ」
「了解です」
僕の仕事は一つ
僕は装備である薬を飲むことで一定時間あらゆるものの角度を操ることが出来るようになる
一見強そうに見えるけど、実際のところはそこまで強力という訳でも無い
例えば、この装備を使えばどこかから攻撃が飛んで来た時にそれを反らすことが出来るかもしれないと思う人も居るだろう
確かに、不可能ではない
ただし、幾つか問題がある
まず僕が装備によって角度を操作できる範囲は僕の皮膚から5cmの範囲までだ
角度が操作できるということは角度を知覚することもできるんだけど、それが可能なのも同じ範囲
だから銃弾が飛んできたことに気が付いたころには体に銃弾が当たっている
それに、よしんば銃弾の角度を変えられたとしてもその辺で跳弾した奴に当たって死ぬ
この装備って使いこなせたら結構色んな事が出来るんだろうけど、僕のスペックが足りなくて全然使いこなせないんだよね……
だから僕に出来ることといえば砲塔の発射角度の調整位だ
それでも結構助かってるとは言われるけど、やっぱりこれからは出来ることを増やして行きたいな……
「これで大丈夫でしょうか?」
「……まあ、大丈夫そうですね。じゃあ撃ちますよ?3……2……1……はい」
その合図と同時に僕達を衝撃が襲う
「……よし、大丈夫です。次の所の補佐に行って下さい」
「分かりました」
そう言って僕は再びマットの上に乗った
――――――――――――――――――――――――
『ああ、インド洋にも出現した。こっちは右手だ。日本は確か左足だったな?』
「そうだ。それで、そちらでも右手だけで動いているのか?」
『ああ。かなり暴れているから対処が大変だ。今のところは何とかなっているがな。そちらはどうだ?』
「日本の方も『今のところは』何とかなっている。まあ、相手が動いていないからどうにか戦線を維持できているだけだがな」
俺はイギリス軍の代表者と電話で話していた
「ではまた新しい情報が入った時にでも」
『ああ、そうだな』
情報を共有していたところ、相手の居るインド洋にも巨大な手が出現していることが分かった
だからといって対策を考えることが出来たわけでも無いから無駄足になったがな
「さて……あちらの報告はどうなっているか……」
俺は今度は通信機を取り、別の相手に連絡を取る
『こちら、航空隊。報告を入れます』
「了解。話せ」
『現在【足】の上空。計算した足の大きさから考えると、今は足首の部分より上に居るはずだ』
「『はずだ』か……実際には何が起こっている?」
そう聞くと、話し相手はこう答える
『何も無い。これは誇張した表現では無い。雲も、空気も、巨人の肉体も……何も無い』
それを聞いて顔をしかめる
「つまり……巨人の足が足だけ独立して動いているのとでも言うのか?」
『現在得られている情報から判断すると……そうなる』
俺はそれを聞いて考え込む
(何らかの手段を用いて体の一部分だけを作り出している……?いや、それでは体の一部分だけが動いている説明にはならない)
勿論相手はこちらの常識の通用しない生物だから、体の各部位が独立して動く可能性もゼロでは無い
だが、情報が少ないこの状況でそう決めつけるのは流石に軽率と言えるだろう
(他の可能性としては……本来は胴体や頭と他の肉体は繋がっているが、何らかの装備を使って四肢だけを出している……等か?)
この可能性は低くは無い
おそらく相手は空間に干渉する手段を持っているからだ
あの謎の空間はおそらくこの世界には無い
日本に戻ってきた後に、俺のスマートフォンのGPS機能や常備している衛星通信も可能な発信機の移動経路を調べたが、俺があの空間の中に居た時間は発信機が機能して居なかった
更に言うと、世界中にある一階分の高さが百メートルを超える建物を全て確認し、その内装を見たが、どれも俺達が居た空間とはまるで違った
そして、あの大きさの建造物を隠しておく方法はほぼ無いと言って良いだろう
だとすると、あの場所は別の世界だった、という仮定が現実味を帯びてくる
「……分かった。その情報も含めてこちらで色々と確認しておく」
通信機のスイッチを切り、机に置く
(さて、どう対応するか……)
俺はゆっくりと考え始めた
「了解です。僕の装備、結構役に経ってますかね?」
巨大なミサイル発射装置に触れながら僕はそう言った
「ああ、勿論だよ伏原。お前の力には助けられてる」
その言葉を聞いて僕は少しだけ嬉しくなった
「角度は……こうで良いんですよね?」
「ああ、これで多少は効果があると良いんだが……」
そうして暫く待つとミサイルが巨大な足に向かって飛んでいく
「結果の確認や報告は俺がしておく。お前は早く他の所のサポートに行ってこい」
「了解しました!」
そう言って他の人のところに向かおうとする
「おい!ちょっと待て!そっちじゃなくて『コッチ』だろ?!」
そう言ってある場所を指差す
そこには何か変なマットがあった
「あ、そうでしたね。間違えてました」
僕はそう言ってマットの上に乗り、番号を選択する
すると、マットが一瞬光る
次の瞬間、僕は別の場所で同じマットに乗っていた
「じゃあ、頼みますよ」
「了解です」
僕の仕事は一つ
僕は装備である薬を飲むことで一定時間あらゆるものの角度を操ることが出来るようになる
一見強そうに見えるけど、実際のところはそこまで強力という訳でも無い
例えば、この装備を使えばどこかから攻撃が飛んで来た時にそれを反らすことが出来るかもしれないと思う人も居るだろう
確かに、不可能ではない
ただし、幾つか問題がある
まず僕が装備によって角度を操作できる範囲は僕の皮膚から5cmの範囲までだ
角度が操作できるということは角度を知覚することもできるんだけど、それが可能なのも同じ範囲
だから銃弾が飛んできたことに気が付いたころには体に銃弾が当たっている
それに、よしんば銃弾の角度を変えられたとしてもその辺で跳弾した奴に当たって死ぬ
この装備って使いこなせたら結構色んな事が出来るんだろうけど、僕のスペックが足りなくて全然使いこなせないんだよね……
だから僕に出来ることといえば砲塔の発射角度の調整位だ
それでも結構助かってるとは言われるけど、やっぱりこれからは出来ることを増やして行きたいな……
「これで大丈夫でしょうか?」
「……まあ、大丈夫そうですね。じゃあ撃ちますよ?3……2……1……はい」
その合図と同時に僕達を衝撃が襲う
「……よし、大丈夫です。次の所の補佐に行って下さい」
「分かりました」
そう言って僕は再びマットの上に乗った
――――――――――――――――――――――――
『ああ、インド洋にも出現した。こっちは右手だ。日本は確か左足だったな?』
「そうだ。それで、そちらでも右手だけで動いているのか?」
『ああ。かなり暴れているから対処が大変だ。今のところは何とかなっているがな。そちらはどうだ?』
「日本の方も『今のところは』何とかなっている。まあ、相手が動いていないからどうにか戦線を維持できているだけだがな」
俺はイギリス軍の代表者と電話で話していた
「ではまた新しい情報が入った時にでも」
『ああ、そうだな』
情報を共有していたところ、相手の居るインド洋にも巨大な手が出現していることが分かった
だからといって対策を考えることが出来たわけでも無いから無駄足になったがな
「さて……あちらの報告はどうなっているか……」
俺は今度は通信機を取り、別の相手に連絡を取る
『こちら、航空隊。報告を入れます』
「了解。話せ」
『現在【足】の上空。計算した足の大きさから考えると、今は足首の部分より上に居るはずだ』
「『はずだ』か……実際には何が起こっている?」
そう聞くと、話し相手はこう答える
『何も無い。これは誇張した表現では無い。雲も、空気も、巨人の肉体も……何も無い』
それを聞いて顔をしかめる
「つまり……巨人の足が足だけ独立して動いているのとでも言うのか?」
『現在得られている情報から判断すると……そうなる』
俺はそれを聞いて考え込む
(何らかの手段を用いて体の一部分だけを作り出している……?いや、それでは体の一部分だけが動いている説明にはならない)
勿論相手はこちらの常識の通用しない生物だから、体の各部位が独立して動く可能性もゼロでは無い
だが、情報が少ないこの状況でそう決めつけるのは流石に軽率と言えるだろう
(他の可能性としては……本来は胴体や頭と他の肉体は繋がっているが、何らかの装備を使って四肢だけを出している……等か?)
この可能性は低くは無い
おそらく相手は空間に干渉する手段を持っているからだ
あの謎の空間はおそらくこの世界には無い
日本に戻ってきた後に、俺のスマートフォンのGPS機能や常備している衛星通信も可能な発信機の移動経路を調べたが、俺があの空間の中に居た時間は発信機が機能して居なかった
更に言うと、世界中にある一階分の高さが百メートルを超える建物を全て確認し、その内装を見たが、どれも俺達が居た空間とはまるで違った
そして、あの大きさの建造物を隠しておく方法はほぼ無いと言って良いだろう
だとすると、あの場所は別の世界だった、という仮定が現実味を帯びてくる
「……分かった。その情報も含めてこちらで色々と確認しておく」
通信機のスイッチを切り、机に置く
(さて、どう対応するか……)
俺はゆっくりと考え始めた
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる