人類戦線

さむほーん

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人類戦線編

第四十九話 戦線状況

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「よし……準備は出来た……頼むぞ」

「了解です。僕の装備、結構役に経ってますかね?」

巨大なミサイル発射装置に触れながら僕はそう言った

「ああ、勿論だよ伏原。お前の力には助けられてる」

その言葉を聞いて僕は少しだけ嬉しくなった

「角度は……こうで良いんですよね?」

「ああ、これで多少は効果があると良いんだが……」

そうして暫く待つとミサイルが巨大な足に向かって飛んでいく

「結果の確認や報告は俺がしておく。お前は早く他の所のサポートに行ってこい」

「了解しました!」

そう言って他の人のところに向かおうとする

「おい!ちょっと待て!そっちじゃなくて『コッチ』だろ?!」

そう言ってある場所を指差す

そこには何か変なマットがあった

「あ、そうでしたね。間違えてました」

僕はそう言ってマットの上に乗り、番号を選択する

すると、マットが一瞬光る

次の瞬間、僕は別の場所で同じマットに乗っていた

「じゃあ、頼みますよ」 

「了解です」

僕の仕事は一つ

僕は装備である薬を飲むことで一定時間あらゆるものの角度を操ることが出来るようになる

一見強そうに見えるけど、実際のところはそこまで強力という訳でも無い

例えば、この装備を使えばどこかから攻撃が飛んで来た時にそれを反らすことが出来るかもしれないと思う人も居るだろう

確かに、不可能ではない

ただし、幾つか問題がある

まず僕が装備によって角度を操作できる範囲は僕の皮膚から5cmの範囲までだ

角度が操作できるということは角度をすることもできるんだけど、それが可能なのも同じ範囲

だから銃弾が飛んできたことに気が付いたころには体に銃弾が当たっている

それに、よしんば銃弾の角度を変えられたとしてもその辺で跳弾した奴に当たって死ぬ

この装備って使いこなせたら結構色んな事が出来るんだろうけど、僕のスペックが足りなくて全然使いこなせないんだよね……

だから僕に出来ることといえば砲塔の発射角度の調整位だ

それでも結構助かってるとは言われるけど、やっぱりこれからは出来ることを増やして行きたいな……

「これで大丈夫でしょうか?」

「……まあ、大丈夫そうですね。じゃあ撃ちますよ?3……2……1……はい」

その合図と同時に僕達を衝撃が襲う

「……よし、大丈夫です。次の所の補佐に行って下さい」

「分かりました」

そう言って僕は再びマットの上に乗った

――――――――――――――――――――――――

『ああ、インド洋にも出現した。こっちはだ。日本は確か左足だったな?』

「そうだ。それで、そちらでも右手だけで動いているのか?」

『ああ。かなり暴れているから対処が大変だ。今のところは何とかなっているがな。そちらはどうだ?』

「日本の方も『今のところは』何とかなっている。まあ、相手が動いていないからどうにか戦線を維持できているだけだがな」

俺はイギリス軍の代表者と電話で話していた

「ではまた新しい情報が入った時にでも」

『ああ、そうだな』

情報を共有していたところ、相手の居るインド洋にも巨大な手が出現していることが分かった

だからといって対策を考えることが出来たわけでも無いから無駄足になったがな

「さて……あちらの報告はどうなっているか……」

俺は今度は通信機を取り、別の相手に連絡を取る

『こちら、航空隊。報告を入れます』

「了解。話せ」

『現在【足】の上空。計算した足の大きさから考えると、今は足首の部分より上に居るはずだ』

「『はずだ』か……実際には何が起こっている?」

そう聞くと、話し相手はこう答える

『何も無い。これは誇張した表現では無い。雲も、空気も、巨人の肉体も……何も無い』

それを聞いて顔をしかめる

「つまり……巨人の足が足だけ独立して動いているのとでも言うのか?」

『現在得られている情報から判断すると……そうなる』

俺はそれを聞いて考え込む

(何らかの手段を用いて体の一部分だけを作り出している……?いや、それでは体の一部分だけが動いている説明にはならない)

勿論相手はこちらの常識の通用しない生物だから、体の各部位が独立して動く可能性もゼロでは無い

だが、情報が少ないこの状況でそう決めつけるのは流石に軽率と言えるだろう

(他の可能性としては……本来は胴体や頭と他の肉体は繋がっているが、何らかの装備を使って四肢だけを出している……等か?)

この可能性は低くは無い

おそらく相手は空間に干渉する手段を持っているからだ

あの謎の空間はおそらくこの世界には無い

日本に戻ってきた後に、俺のスマートフォンのGPS機能や常備している衛星通信も可能な発信機の移動経路を調べたが、俺があの空間の中に居た時間は発信機が機能して居なかった

更に言うと、世界中にある高さが百メートルを超える建物を全て確認し、その内装を見たが、どれも俺達が居た空間とはまるで違った

そして、あの大きさの建造物を隠しておく方法はほぼ無いと言って良いだろう

だとすると、あの場所は別の世界だった、という仮定が現実味を帯びてくる

「……分かった。その情報も含めてこちらで色々と確認しておく」

通信機のスイッチを切り、机に置く

(さて、どう対応するか……)

俺はゆっくりと考え始めた
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