人類戦線

さむほーん

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人類戦線編

第五十話 友達

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「……暇だ」

僕は海を目の前にしてそう零した

やることが無い

僕の役割は特に無い

警備くらいしか役を任せて貰えなかった

この国、ヘタレだらけだから非常事態でも治安が悪くならないんだよ

だから治安維持の仕事が暇すぎる

これが軽犯罪も取り締まる警察とかだったら話は別だろうけどさ

「よし、それじゃあ僕はここで素振りでもしておこう」

僕はよくわからないまま適当に素振りをする

やり方はこれで合ってるのか分からないけど、暇つぶしにはなるでしょ

それを続けていると城崎に繋いであるインカムから声が聞こえてきた

『神柱。今からお前に役割を与える』

待望の役割だ

「了解。でも、何をやればいいの?あんな巨大生物相手に僕が出来ることなんて殆ど無いと思うけど」

そう返すと、城崎はあることを言った

「……それ、僕がやらないとダメなやつ?」

『他にもこの役割を任せられそうなのは何人か居るが、そういう奴らには軒並み防衛戦での任務を与えてある。今から配置を変えさせることも出来るが、その為には少々厄介な手続きが必要になって来るんでな』

成程

僕じゃなくても良いけど、これが出来そうな人で僕以外に自由に動ける人が居ないと

「じゃあ一応確認するけど、あの巨人が暴れている最中に貴重な人材を個人の捜索なんかに使っても良いの?」

『ああ。は少なくとも俺達にとってはあの巨人が暴れることや、文明の存亡よりも重要なことだ』

『梁のニセモノを見つけ出して殺せ。日本国内に居ることは確認できた』

「……分かった」

思うところは有れど、僕はそう言った

――――――――――――――――――――――――――

僕は装備の加速能力を利用してかなり高速で移動することが出来る

だから、索敵専門のような装備を持っている極一部の人を除けば僕の調査能力は国内でもトップクラスと言えるだろう

いや、間違えた。僕の調査能力が高いんだ

これで後僕本人に特殊技能でも備わっていればきっと文句無しだったんだろうな……

まあ、そういう力が僕本人にあったらそれこそ【ゲーム】バランスが崩れちゃうからね

その辺りは仕方無い

「……さて、馬鹿なこと考えてないで探すか」

僕は梁を探し、そして殺すたすける為にそこら中を駆け回った

勿論、捜索範囲が日本全国と非常に広い状況で闇雲に探し回っても見つかりなどしないということは分かっている

だから、僕はある場所に向かっていた

(あの梁が僕の記憶を元に生まれた存在なのだとしたら、僕の梁に関する記憶の中で一番印象的なものを無視するはずは無い)

僕の梁に関する記憶の中で一番印象的なもの

つまり、梁が死んだあの日のことだ

「……ここ、だね」

僕はあの日、梁と一緒に来た公園に再びやって来た

無視出来ない以上、今は居なくても一度はここに来ているはずだ

その時の痕跡を探して、それを手掛かりに梁を探し出す

もしかしたら、まだ来ていなくて痕跡が残っていないかもしれないけれど、その時は来るまで待っていれば良い

「さあ、問題はどうやって痕跡を探し出すのか、だね」

さっきも言った通り、僕には索敵や諜報の特殊技能なんて無い

だからこうやって地道に手掛かりを探すしか方法が無い

「……これが、その痕跡なのかな?」

思っていたよりもずっとスムーズに見つけ出す事が出来た

僕が見つめる先には靴が有った

確認の為にその靴の写真を撮って画像検索で調べてみる

(ヒット無し……当たりか)

その靴自体はよくあるデザインのものだ

僕も『似たデザイン』のものなら小さい頃に見た記憶がある

けど、今検索した限りではこの靴はどこにも売っていないみたいだ

つまり、自作か改造か、それともで作られたものが……

前の二つの可能性も有るけど、僕は三つ目、つまり、ライアンの聖杯によって生み出されたと考えた訳だ

僕が見たことのある靴にデザインが似ていることも考えると、これは十中八九梁の靴になる

「……あそこか」

少し遠くの滑り台に誰かが座っているのが見えた

(抜刀)

そうして僕はゆっくりとその人影の方に向かっていく

近付いて、それが誰なのかはっきり判別できるようになった

「……やっぱりか」

そこにはこの前会った時と全く変わらない姿の石神梁がいた

――――――――――――――――――――――――

誰しも、自分が生きる意味が気になるときがあるだろう

親のためなのか、社会のためなのか、自分自身のためなのか、それとも、そもそも人が生きる意味というものは存在しないのか

誰もがそう悩む日がくる

そして、その問いに自分なりの答えを出す人も居れば最後まで答えが出せずに人生を終える人も居る

この青年も、そんな風に悩む者たちの内の一人だった

(賢や聖と一緒に遊んだことは覚えてる、自分が死んだことも覚えている、その直後の記憶は不鮮明、でもそれから暫く後のことは覚えてる)

(……僕は何なんだろう?気付いた時には賢明と聖の前に居たけど)

あの二人や、一緒に座っていた人の話から考えると、僕は新しく生まれたってこと?

(……分からない)

自分が何なのかが分からない……

そんなことを考えていると、僕の隣に突然誰かがやって来た

「……数日ぶりだね、梁」

「賢」

そこには僕の親友にして幼馴染が座っていた
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