人類戦線

さむほーん

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人類戦線編

第五十九話 最終戦線

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『……準備、完了しました!』

「よし。相手の動きが止まるまで待て」

様々な位置から撃てるように大砲を大量に用意して、俺達は待機する

『止まりました!』

「撃て」

俺の言葉を合図にミサイル発射の指示が出される

騒音と共にミサイル達は巨人に向かっていった

『一から五番、着弾しました!』

『六から十一番、同じく!十二番は破壊されました!』

様々な場所から報告が入ってくる

「着弾位置の状況を確認しろ」

そう言うと、続けて報告が入ってくる

『右肩。着弾箇所に大規模な亀裂が入っていることを確認。両肘にもダメージがあることはほぼ確実ですが、この部分は破壊するまでは行かないかと』

取り敢えずまずまずといった結果が得られた

暫くしたらのミサイルが飛ぶはずだからその様子を確認しないと本当に成功したかどうかを結論付けることは出来ないが……

「了解した。予定通り砲撃を続けてくれ」

そう言って、俺は全体を見つめる

(さて、どうなるか……)

今のところ、まともにダメージを与えられたのは一箇所だけだ

それ以上にダメージを与えられないのなら攻撃方針を変える必要があるかもしれない

数分後、新たに連絡が来た

『第二陣、発射準備整いました!』

「よし。撃て」

先程の数十倍の数のミサイルが目標の場所に向かって飛んでいく

ちょうどいい具合に命中し、相手の関節が大きく揺れる

「……駄目か」

しかし、その関節を吹き飛ばすとまでは行かなかった

(これは、俺が出ることも考えないといけないな)

見たところ、動きが鈍っているから全く無傷という訳では無いのだろう

しかし、相手の動きを確実に止める程のダメージを与えることが出来ていないのもまた事実だ

俺は専用の通信機を取り出して神柱に連絡する

「どうやら駄目そうだ。何時でも出れるように準備をしておけ」

『……了解』

神柱は少し納得していなさそうな様子でありながらもそう言って、通信を切った

――――――――――――――――――――――――

「あ~あ、このパターンは嫌だったんだけどな」

僕は恐れていた可能性が現実味を帯びてきていることを憂いながらも、その準備のために着替え始めた

(一応、僕が護衛のような役割として城崎に付いていくけど、それでも万全とは言えない)

本音を言うなら城崎にはずっと後ろで指示をしてほしかった

今日はただでさえ梁が死んで不安な気分なんだから、これ以上不安要素を増やさないでほしい

(……ああ、梁じゃなかった。梁の格好をしただけの偽物だな)

僕の気持ちも参ってるのかな?

ほとんど関係性の無い二つを結びつけるようになってしまった

そうして僕が服を着替え、準備運動も終えてから数分後、城崎から再び連絡が来た

『失敗だ。俺達が出るぞ』

「……了解」

ついにその時が来てしまった

(始まったものは仕方ない。これからは城崎を絶対に死なせないように立ち回ることに全力を尽くすとしよう)

今僕にできることはそれだけだ

僕はその場から動いて城崎の居る地点に向かって走り出す

思っていたよりも距離は離れていなかったので、刀の力を使えばすぐに辿り着くことが出来た

「……それじゃあ、始めるんだね」

僕は挨拶よりも先にそう確認した

「ああ。現地まではこいつに運ばせる」

そう言って城崎は虚ろな目をした人間を一人指差した

「……あの人は?」

「空間を繋ぐことができる装備を持っている。お前がイスラエルから行方不明になった時、俺が同じ場所に辿り着くことが出来たのはこいつの装備を利用したからだ」

「なるほど」

それにしても、あんな目をしている人間に僕達のことを運ばせて良いんだろうか?

この人が空間系の装備を使っているのなら、この人がミスったら僕達は深海へダイブする羽目になるんじゃないのか?

「お前、心配か?」

城崎はそんな僕の気持ちを汲み取ってくれたみたいだ

「そりゃあそうでしょ。だって、全く知らない、生きているのか死んでいるのか分からないような目をした人間に自分の命を預けるんだよ?不安にならない方がおかしいでしょ?」

僕がそう言う

それに対して城崎はこう返した

「その辺りは問題無い俺がこいつの脳を操ってそのような失敗が起こらないように調整するからな」

何気に怖いことを言い出した

僕としては人の自由意志を奪うようなことはしない方が良いと思うんだけど……

まあ、城崎がそう言うのなら仕方ないか

「分かった。それで、どこに行くの?」

「あの巨人の目だ。あいつの構造が分からないからどこを攻撃すれば良いのか分からない。よって、弱点が普通の人間と変わらないと考えて、目、そしてそこから神経を伝って脳を壊すつもりだ」

「了解!」

僕は城崎と手を繋いだ

「……手を繋ぐ必要は無いんだが」

「あれ?もしかして、手を繋いだら不都合なことになるの?」

不安にかられて僕はそう言った

「いや、そういう訳では無い。まあ、構わないか」

そう言って城崎は虚ろな目をした人間の頭に手をかざす

「行くぞ。移動まで三、二、一」

「ゼロ」

――――――――――――――――――――――――――

僕達は妙にブニョブニョとした地面の上に立っていた

肌に吹きつける強烈な風が、ここが上空であることをはっきりと主張してくる

そんな中、城崎がこう言った

「始めるぞ。正真正銘最後の勝負だ」
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