人類戦線

さむほーん

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人類戦線編

第六十話 侵入開始

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「まずは地面を突き刺せ」

「了解!」

僕はその言葉に従って刀を地面に突き刺した

「熱くするよ!」

「やれ!」

僕は刀の周りの粒子の運動を激しくさせる

そうすることによって刀はどんどん熱くなっていった

そのまま目の肉を抉り取る

それでも、巨人の動きに大きな変化は無かった

「これ、痛みとか無いのかな?!」

「大して無いんだろう!そもそも目に攻撃すればダメージが通るとも思っていなかっただろう?!」

まあ、確かにそれはそうだ

「じゃあ早速この中に入ることになるの?」

僕は目を指差してそう言う

「そうだな。出来るかどうかは分からないが、開けて見るから待っていろ」

そう言って、城崎は地面に手を付ける

その間、僕はやることが無いから周囲の景色を見ていた

すると、あることに気が付く

「……ヤバイよ城崎!が迫ってきてる!このままじゃあ潰されるよ!」

僕達を目掛けて巨人の指が迫ってきていた

「待て!少しで良い!その指を引き付けてくれ!今すぐにこいつを支配するのは無理だ!」

城崎からそう言われた

「引きつけるって……出来るかどうか分かんないし、僕がミスったら二人共死ぬよ!」

「このままだとどの道死ぬだろ!良いから早くやれ!」

城崎がいつになく必死そうな声を出す

「……分かった!出来なくても知らないからね!」

僕は【抜刀】してすぐにその場を離れる

「うぉ!っと」

走り出すと、その場から滑り落ちそうになった

そうだ……ここは目の上だ

目は球体をしていて、この巨人は別に上を向いている訳では無い

つまり、僕達は球体の側面とも言うべき場所に居ることになる

さっきまではやや傾いてるくらいだったけど、ここより先に進もうとすると傾斜の問題で滑って地面行きになりそうだ

そうなったらおしまいだ

「じゃあ、上に行くとしようか」

僕は必死に目を駆け上がる

途中で息が切れ、何度も再【抜刀】しながらかなり上の方まで来ることが出来た

(これで行けたかな……?)

少々不安になりながら、後ろを見る

指はこちらに向かってきている……ように見えた

相手もずっと止まっている城崎よりも動き回っている僕の方を優先してくれたのだろうか……?

まあ良い

今はそんなことを考えている場合じゃあ無い

(僕がこの指を引き付けたところで、僕が指に潰されて死んじゃったら僕にとっては意味が無いんだよ!)

生憎、僕は『自分が死んでも皆の目的が果たせたらそれで満足だ』なんていう崇高な精神は持ち合わせていない

だから、この場で生き残る最善の方法を探す

(よく考えろ。まず、相手はどうして僕を潰そうとしてきている?そもそも、どうやって僕の行動を感知した?)

巨人の指がこちらに向かってくる理由を一つ一つ考えては廃棄していく

最後に残ったのは実にシンプルな理由だった

「蚊を潰そうとしたような感覚……なのかな?」

それが一番しっくり来る

鬱陶しいと感じたから目の上で動き回る僕を払おうとした

多分これかな?

そう考えたほうが良さそうだ

(じゃあもしかしたら立ち止まっていたら攻撃されないのかな?)

その可能性に思い当たり、僕はその場で走るのを止めた

(僕の予測が間違っていたら、この行動は的になるだけなんだけど……)

その答えはすぐに出た

巨人の指は僕の少し後ろにある空気を押しつぶした

(よし!正解!)

じゃあ、このまま地面を揺らさないように歩いていけば何とかなるかも?

僕はそう思ってゆっくりと歩みを進める

(……大丈夫、バレてない)

ゆっくりと動いたらバレていないみたいだ

(抜刀)

相手の指が目から大きく離れたのを確認してから【抜刀】を行い城崎のところにを猛スピードで走っていった

城崎の元に辿り着いて、すぐに加速状態を解除する

「準備できた?!」

「できたぞ。入れ」

そう言って城崎は自身で開けたとされる穴を手で示す

「ここに行けば良いの?」

「ああ」

僕はその中に走って入っていく

(というか、今僕が走ってるのってこの巨人の目の中なんだよな)

ってことは巨人からすると目の中を何かが走っているような感覚なのか

仮に巨人とライアンの感覚が共有されてたらすごい痛みだろうな

(……もう敵認定したとは言え、ちょっと可哀想にも見えるかな)

その辺りは僕がどうこう言っても仕方のないことなんだけど……

そんな風に考えていると、僕が歩いている通路が大きく揺れた

「っ!!」

軽く端に叩きつけられる

それとほぼ同時に後ろから城崎が飛んできた

「っ!神柱、無事か?!」

こちらに来るのとほぼ同時のタイミングで僕にそう聞いた

「大丈夫!これ、何かな?!」

そう聞くと城崎はある程度予測していたかのように答えた

「まあ、多分だがライアンが焦って体を大きく動かしたんじゃないのか?それで頭が大きく動いて揺れたのだろう」

「それって、やっぱり僕達がこうやって目の中に入っていったことが原因なのかな?」

「恐らくな」

その直後に城崎は僕の近くに歩いてくる

「ここからは俺が前を進んで道を作る。お前はその後ろを付いて来い」

僕はその言葉に頷いて城崎に着いて進もうとする

「下がれ!」

その直後に城崎は僕を突き飛ばした

その直後、さっきまで僕が居た場所に変なスライムが『降って来た』

「何!?こいつ!?」

スライムの体の一部がが僕達に向かって飛んで来た
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