人類戦線

さむほーん

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人類戦線編

第六十一話 拒絶

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飛んで来たスライムを刀で焼き切る

「何これ!?城崎!分かる?!」

「さあな!多分免疫細胞とかじゃないか?!」

城崎の方を見ると、そっちにもスライムが来ていた

それを城崎は手袋で直接触れて撃退する

免疫細胞……ああ、そっか

よく考えれば僕達は巨人にとっては僕達は異物なんだから、拒否反応が起こるのは当たり前だな

「じゃあ、どうすれば良いの?!免疫細胞ってことはここでこいつらを倒してもどんどん増援が出てくるんでしょ?!」

僕はそう叫ぶ

「……仕方ない。お前がこいつらをどうにか処理しておけ。俺が先に進んでおく」

城崎がそう言った

「あれ?そういう時って普通は『自分が敵を止めておくからお前が進め』みたいなことを言うんじゃないの?」

そこで相手に止めるのを頼むような人は中々見ないなぁ……

「普通に考えれば当たり前だろう?そもそも俺しかこの中で道を作れる人間がいないのだから俺が足止めをしたところでお前も進めなくなって終わりだぞ」

まあ、それもそうなんだけと……

「まあ、分かったよ。僕が城崎のためにこいつらを足止めしておけば良いんでしょ?でも、こいつらが本当に免疫細胞なら僕が足止めしたところで城崎のところにも向かうと思うよ」

「それは織り込み済みだ。お前が全員止めなくても別に構わない。ヘイトを反らしさえすればそれで良い」

なるほど、そんな感じか……

「分かった。じゃあ僕にできる範囲でどうにかしておくよ」

僕はそう言って、後ろに走っていく城崎を見送った

――――――――――――――――――――――――――

(……まあ、あいつなら死なずにどうにかしているだろう)

神柱を置いて行ってからもあいつのことが気にかかっていたが、そのことを一旦頭の中から弾き出す

そして、目の前に来ていたスライムを消し飛ばした

(間違い無い。確実に強くなっているな……)

この巨人の免疫機能が人間のものと同じ仕組みなのだとしたら、人間で言うところのT細胞のような強力な免疫細胞が出動するには時間がかかる

時間が経って、それが出動しだしたということなのだろうか

(それとも、この先に重要な器官が有り、それを守っているのか……)

もし後者なら俺の判断は正解だったということになる

「……多いな」

俺は立ち止まってそう言った

目線の先には無数のスライムが存在する

スライム間で空間があることを考えると、一つの巨大なスライムが有るのでは無く、中くらいのサイズのスライムが数体居ると考えた方が良いのだろう

「こいつらをどう処理するか……」

今までのように一つ一つ支配して崩していたら手数が足りずに飲み込まれるだろう

ならば、一網打尽に出来る方法を考えなくては

(壁に当たる肉を支配してそこから攻めていくか)

俺は壁に手を当てる

(……よし、これを利用して)

俺は壁を支配し、その材質を変化させる

恐らくだがこいつらが壁から突然出てくるのは人間の免疫で言うところの遊走と似たような仕組みだろう

つまり、俺が触っている壁は巨人の肉体とは別の物になったので、あのスライムたちはこの周辺の壁を通り抜けることが出来ないはずだ

その状況であいつらを壁で圧迫すると……

(……よし、潰れたな)

スライムはペースト状になって動かなくなった

正直なところ、今回の行動は結構大きな掛けだった

相手がスライムのようなものだったから押し潰すと融合する可能性もあったからな

「さて、では本丸に向かうとするか」

俺は目の前にある道を進み続ける

そして、神経と思われる管に辿り着いた

「ここを登るか……」

壁に手を当てて、少しだけ削り取る

削り取った隙間に指を引っ掛けて、もう片方の手も同じようにする

「……いや、足の方も準備してからにしよう」

俺が登りやすいように手や足を引っ掛ける為の空洞を作っておく

その場所に手や足を引っ掛けてスポーツクライミングと同じ要領で登っていく

そうやってどれだけの距離を登っただろうか

俺の上には肉の蓋がされた場所があった

「あとはここを開けるだけで構わないか」

その肉に手を当てて、少しずつ支配していく

そうして蓋をこじ開け、体をその中に捩じ込む

「……っ、ふぅ」

上半身を穴から出したところで一息付いて周りを見渡す

穴の中には何とも不思議な空間が広がっていた

空中に肉の塊が浮いていて、その肉塊が互いに繋がっている

(脳のニューロンと同じ仕組みなのか……?)

まず全身を穴から出してその肉塊を調べに行く

見てみると、肉塊自体が一つの脳のようになっていた

「これは……相当な処理能力が有りそうだな」

まあ良い

巨大な脳を持てば演算能力が上がるわけでは無いとは言え、ある程度相手の演算能力が高いのは予想していた

問題は、その能力のうちどの程度をライアンが使えるのか、というところだ

「そうだ、ライアンだ」

ここまで来たんだからライアンを探さなくてはならない

ここに居なければ心臓部に居ると予想できる

そのくらいここは重要な場所だが……

「……あれか?」

俺の目の先にはビーカーのようなものがあり、その中には一人の肉人形が浮いていた

その目と口が空き、俺に向かって言葉を告げる

「……久し振り、だね」

ビーカーが割れる音に混じって、中の人間がそう言った
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