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人類戦線編
第六十二話 再戦
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「俺のことも覚えているものなんだな」
出てきた相手にそう言う
こいつは恐らくライアンだ
見た目は変わっているが、雰囲気が全く変わっていない
何より、ビーカーから出てすぐに隣にあるテーブルに手を伸ばし、その上にあるグラスを手に取ったことがその根拠になる
あれは恐らく例の聖杯だろう
「神柱から聞いた話によればお前は今聖杯を持っていないはずなんだが?」
そう聞くと、ライアンは少しだけ複雑そうな顔をする
「ああ。確かにあの時は私にとって最高の道具が奪われてショックだったよ。その上、あの後いくら探しても聖杯は見つからないと来た。もう完全にお手上げだったよ」
軽薄な態度と一致しない心配性な言葉を言ってくる
「少しは表情を取り繕ったらどうだ?」
顔が完全に笑っていることから、本当に『お手上げ』とは思っていないようだ
「あ、バレちゃった?」
そう言って言葉すら取り繕うのを止める
「まあでも、あの瞬間はちょっと焦ったのは事実だよ。僕の大事な聖杯が無くなったんだから。もう少し奪われるのがな早かったら正直危なかったかな?」
聖杯が無くなった、と
「もう少し聖杯を奪われるのが早かったら危なかった、というのはどういうことだ?後から奪われた場合は何の問題も無いとでも?」
こいつの言葉の中で気になった言葉に対して問い正す
「うん。問題無いよ。だってその力は巨人を経由して僕に引き継がれたんだから」
(引き継ぎ?)
これだけでは情報が足りない
相手に更に喋らせるためにまずは黙って相手の言うことを聞く
「まあ簡単に言うとね、聖杯と巨人を融合させることによって聖杯の機能を巨人に移植したんだよ。そして、その巨人と僕が一体化することによって僕は実質的に聖杯の力を引き継いだってことさ」
「移植だと?」
それはありえない
「つまり、聖杯の力によって誕生した巨人に聖杯の機能を全て移植した、ということか?」
そんなことが有り得て良いのか……?
まるで人間の細胞が一つだけ自律移動して脳機能の全てを手に入れるようなことが有り得るのか?
「あれ?そもそも勘違いしてるのかな?あの巨人は聖杯によって作り出されたものじゃないんだよ?」
「何?」
聖杯によって作られたものではない
「つまり、あの巨人はもとからこの世界に存在したということか?あれ程の存在が居たとしたら流石に隠すのは難しそうだが」
もしこの巨人が昔から存在したのだとしたら、あのサイズの生き物が世界のどこかで立っていた―もしくは寝転んでいたということになる
いくら何でもそれを隠蔽するのは不可能な筈だ
「う~ん……もうちょっと頭を柔らかくして考えてみたらどうかな?例えば、『僕達が出会った異空間は装備や聖杯なんて関係無しに存在した』って考えてみたり?」
(……そうか、その可能性があるのか)
相手の言葉に乗せられるのは危険だが、今回相手が言っていることは少し考える価値はある
「つまり、あの異空間は昔から存在したものであり、巨人はずっとその場に居たということを言っているのか?」
そういうことなんだろうか?
「うん。そもそも聖杯がある時点でこの世界には出てくるけど『僕達の理解の及ばない物品』が存在していることは確かじゃないか。その中の一つが巨人で、他の一つがあの異空間だった。それだけのことだよ」
そう言われると少し納得できたような気がするが
「……まあ、この話を続けても意味が無いな」
俺はそう言う
それと同時にライアンの下にある地面がライアンを挟むように捲れ上がった
「残念だが、お前の話はもう聞く必要が無いと思ったんでな。潰させてもらう」
そう言いながらも俺は二撃目を狙って地面を練り上げる
(前回は初撃で殺せたと思っていたら相手に殆どダメージが入っていなかった)
同じ轍は踏まない
地面から剥がした肉の塊のようなものを槍に似た形に成形したタイミングで相手の居る場所から声が聞こえた
「そんなこと言わないでよ……って言いたいところなんだけど、もう話すネタが無くなってきたからな……そろそろ本気で相手しても良いかもしんないね」
そして、ライアンは肉の表面から浮き出て来た
いや、浮き出るという表現は適切では無いか
どちらかというとまるで元から肉壁の中に入っていた人間が表に出てくるかのような状況と言えば良いだろうか?
「じゃあ、行くよ」
ご丁寧にそう言ってから動き出す
次の瞬間、俺は後ろにふっ飛ばされていた
「っ!?」
壁に当たって、視界が一瞬だけ暗くなる
体制を立て直し、すぐに考察を始める
(何をされた?壁に当たった衝撃が有るということは俺をテレポートさせたのでは無くただ単純に強い力で突き飛ばしただけか?)
敵を見ると、先程まで俺がいた場所に立って周囲を見回していた
(そうであると仮定して、次に重要になってくるのはライアンがどのようにして俺のいる場所に来たのか、だ)
ただ高速移動しただけならば別に構わない
その場合は相手の行動パターンを読んで罠を張れば良い
問題は、瞬間移動等の能力を使っていた場合だ
もしそうなら、相手の能力の法則や制限、デメリットを探る必要がある
(さて、どうなるか……)
ここからの考察で俺の、さらには世界全体の未来が決まる
頭を最大限に働かせて考察を始めた
出てきた相手にそう言う
こいつは恐らくライアンだ
見た目は変わっているが、雰囲気が全く変わっていない
何より、ビーカーから出てすぐに隣にあるテーブルに手を伸ばし、その上にあるグラスを手に取ったことがその根拠になる
あれは恐らく例の聖杯だろう
「神柱から聞いた話によればお前は今聖杯を持っていないはずなんだが?」
そう聞くと、ライアンは少しだけ複雑そうな顔をする
「ああ。確かにあの時は私にとって最高の道具が奪われてショックだったよ。その上、あの後いくら探しても聖杯は見つからないと来た。もう完全にお手上げだったよ」
軽薄な態度と一致しない心配性な言葉を言ってくる
「少しは表情を取り繕ったらどうだ?」
顔が完全に笑っていることから、本当に『お手上げ』とは思っていないようだ
「あ、バレちゃった?」
そう言って言葉すら取り繕うのを止める
「まあでも、あの瞬間はちょっと焦ったのは事実だよ。僕の大事な聖杯が無くなったんだから。もう少し奪われるのがな早かったら正直危なかったかな?」
聖杯が無くなった、と
「もう少し聖杯を奪われるのが早かったら危なかった、というのはどういうことだ?後から奪われた場合は何の問題も無いとでも?」
こいつの言葉の中で気になった言葉に対して問い正す
「うん。問題無いよ。だってその力は巨人を経由して僕に引き継がれたんだから」
(引き継ぎ?)
これだけでは情報が足りない
相手に更に喋らせるためにまずは黙って相手の言うことを聞く
「まあ簡単に言うとね、聖杯と巨人を融合させることによって聖杯の機能を巨人に移植したんだよ。そして、その巨人と僕が一体化することによって僕は実質的に聖杯の力を引き継いだってことさ」
「移植だと?」
それはありえない
「つまり、聖杯の力によって誕生した巨人に聖杯の機能を全て移植した、ということか?」
そんなことが有り得て良いのか……?
まるで人間の細胞が一つだけ自律移動して脳機能の全てを手に入れるようなことが有り得るのか?
「あれ?そもそも勘違いしてるのかな?あの巨人は聖杯によって作り出されたものじゃないんだよ?」
「何?」
聖杯によって作られたものではない
「つまり、あの巨人はもとからこの世界に存在したということか?あれ程の存在が居たとしたら流石に隠すのは難しそうだが」
もしこの巨人が昔から存在したのだとしたら、あのサイズの生き物が世界のどこかで立っていた―もしくは寝転んでいたということになる
いくら何でもそれを隠蔽するのは不可能な筈だ
「う~ん……もうちょっと頭を柔らかくして考えてみたらどうかな?例えば、『僕達が出会った異空間は装備や聖杯なんて関係無しに存在した』って考えてみたり?」
(……そうか、その可能性があるのか)
相手の言葉に乗せられるのは危険だが、今回相手が言っていることは少し考える価値はある
「つまり、あの異空間は昔から存在したものであり、巨人はずっとその場に居たということを言っているのか?」
そういうことなんだろうか?
「うん。そもそも聖杯がある時点でこの世界には出てくるけど『僕達の理解の及ばない物品』が存在していることは確かじゃないか。その中の一つが巨人で、他の一つがあの異空間だった。それだけのことだよ」
そう言われると少し納得できたような気がするが
「……まあ、この話を続けても意味が無いな」
俺はそう言う
それと同時にライアンの下にある地面がライアンを挟むように捲れ上がった
「残念だが、お前の話はもう聞く必要が無いと思ったんでな。潰させてもらう」
そう言いながらも俺は二撃目を狙って地面を練り上げる
(前回は初撃で殺せたと思っていたら相手に殆どダメージが入っていなかった)
同じ轍は踏まない
地面から剥がした肉の塊のようなものを槍に似た形に成形したタイミングで相手の居る場所から声が聞こえた
「そんなこと言わないでよ……って言いたいところなんだけど、もう話すネタが無くなってきたからな……そろそろ本気で相手しても良いかもしんないね」
そして、ライアンは肉の表面から浮き出て来た
いや、浮き出るという表現は適切では無いか
どちらかというとまるで元から肉壁の中に入っていた人間が表に出てくるかのような状況と言えば良いだろうか?
「じゃあ、行くよ」
ご丁寧にそう言ってから動き出す
次の瞬間、俺は後ろにふっ飛ばされていた
「っ!?」
壁に当たって、視界が一瞬だけ暗くなる
体制を立て直し、すぐに考察を始める
(何をされた?壁に当たった衝撃が有るということは俺をテレポートさせたのでは無くただ単純に強い力で突き飛ばしただけか?)
敵を見ると、先程まで俺がいた場所に立って周囲を見回していた
(そうであると仮定して、次に重要になってくるのはライアンがどのようにして俺のいる場所に来たのか、だ)
ただ高速移動しただけならば別に構わない
その場合は相手の行動パターンを読んで罠を張れば良い
問題は、瞬間移動等の能力を使っていた場合だ
もしそうなら、相手の能力の法則や制限、デメリットを探る必要がある
(さて、どうなるか……)
ここからの考察で俺の、さらには世界全体の未来が決まる
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