220 / 220
人類戦線編
最終話 戦線終息
しおりを挟む
城崎が【譲位】してから約一年
僕たちは高校二年生を終えようとしていた
「あ、伏原会長だ」
そう言ってから、今は伏原さんは生徒会長では無く一人のOBであることを思い出す
(あの人、確か今は大学生だったよな)
まあでも、OBには一応話しかけておくか
「伏原会長~お久しぶりです」
僕は会長に近付いてそう言った
「えっと……君は……ちょっと待ってね」
会長は僕のことを覚えていなかったのか、少し時間を使ってから答えた
「もしかして、神柱クン?」
「そうです。神柱賢明です」
ああ、と会長は納得したように手を打つ
「そう言えば、君達の学科とかが色々変更されてからこれで一年か」
「はい。まあ、僕はコースも学科も変えてないからあれから特に変化は無いですけど」
厳密には、他の人のコース変更に伴い僕のクラスメートが変わるなどどいった小さな変化は起こっている
けど、僕の場合はクラスに誰が居ても常時ぼっちになるからその辺りは僕には特に関係ない
「なるほど……城崎クンは?確か彼、生徒会に入ってたでしょ?」
「はい。今はあいつ、会長やってますね」
以前は『目立たない位置から全体を操る方が良い』と言っていた城崎だけど、どうやら今は考えが変わったみたいだ
何でも、トップとその後ろでは実際に動かせる権限に差がありすぎるらしい
だから多少目立って行動を制限されるリスクを取ってでも組織のトップになることには意味があるみたいだ
僕にはその辺りはよく分からないけど
「なるほど……結局そうなっちゃうか……」
会長はそう言って言葉を止めた
「……」
会話が、続かないな
どうしようか……
あ!そうだ!
「あの、僕の家、来ません?」
会長を院に呼ぶことにした
――――――――――――――――――――――――――
「おじゃましま~す」
会長と一緒に僕は孤児院に帰ってきた
「よう賢明。今日は早かったじゃねぇか」
院に入ると、院長が迎えに来てくれた
「うん。院長。ちょっとこの人に色々話すことがあるし」
そう言って会長を僕の部屋に連れて行く
部屋に入って向かい合って座る
「じゃあまず、僕の方から出せる情報を話そうか」
「お願いします」
まずは会長の話を聞くとしよう
「そうだね……僕から話すのは千尋姉さんの現状について、くらいかな?僕についての話なんて興味無いでしょ?」
「まあ、それはそうですね」
正確に言うと、千尋さんの話にも興味は無いが、まあ取り敢えず聞いておこう
「千尋姉さんはね……元の再生医療の研究に戻ったらしいよ。以前よりも予算枠が増えたって喜んでた」
「所長は元に戻った感じですか」
まああの人、根っからの研究者っぽいからな
研究が出来るだけの予算が入ればそれで良いのかもしれない
「それで?僕は情報を出した訳だけど?」
それに対して僕は話す
「僕の方の情報って言っても……殆ど無いですよ?正直城崎が生徒会長になったこと以外は何も変化が無いと言うか……あ、須斎は薙刀の全国大会でベスト8に入ったらしいです」
「すごいじゃん。やっぱりスポーツエリートは違うね!」
会長は少し嬉しそうにした
やっぱり自分の母校が活躍していると嬉しいみたいだ
この人もしっかり生徒会長的な精神を持ち合わせていたんだろう
「それでさ、君自身はどうなの?」
僕にそう話を振ってくる
「僕ですか……まあ、いつも通りって感じですかね?」
会長はうんうんと頷いて嬉しそうにしている
「じゃあいよいよ日常に戻ったって感じだね」
そう言われると、たしかにそうだ
これといって特別なことも無い、普段の日常に戻ったような感覚がある
ただ一点を除いては
「あの……会長は装備……手放せましたか?」
「いや……頑張っては居るんだけどね」
そう
あの人類戦線の後、政府は装備を持つ全国民から装備を回収し出した
けど、僕たちみたいに何度も何度も装備を使っていた人達の装備だけはどう頑張っても手放せない、という問題が生まれた
ただでさえ捨てるのに強烈な抵抗感がある上、何度捨てても戻ってくるらしい
らしい、というのは僕はまだ一回も刀を捨出ることが出来ていないからだ
捨てようとすると毎回なんか気分が乗らずに「また今度で良っか」と思って止めてしまう
聞く話によると、そんな人は結構多いみたいだ
もしかしたら、前に所長が言っていた『適合率』というものが関係しているのかもしれない
もう体の一部だから手放すなってことなのかもしれない
「はぁ……じゃあまたいつも通りの面白みの無い人生に逆戻りか」
会長がそう言う
「まあ、それで良いんじゃないですか?」
あの騒動では色んな人が死んだ
僕が覚えているので一番衝撃的なのは……あれか
葉狩が死んだやつか
他にも梁の話とか、心が抉られることは多々あった
やっぱり、僕たちみたいな普通の精神の人間には非日常というものはちょっと荷が重いのかもしれない
やっぱり僕達は普通に学校に行っている方が良さそうだ
「ま、何はともあれ、平和な感じになったから良かったね」
「そうですね」
この騒動が始まってからの混乱は一段落は付いただろう
これからどうなるのか、それはもう分からない
多分普通に社会が回っていくんだろう
僕達はそこでどう生きていくのか……まあ、それはこれか考えていくとしよう
僕たちは高校二年生を終えようとしていた
「あ、伏原会長だ」
そう言ってから、今は伏原さんは生徒会長では無く一人のOBであることを思い出す
(あの人、確か今は大学生だったよな)
まあでも、OBには一応話しかけておくか
「伏原会長~お久しぶりです」
僕は会長に近付いてそう言った
「えっと……君は……ちょっと待ってね」
会長は僕のことを覚えていなかったのか、少し時間を使ってから答えた
「もしかして、神柱クン?」
「そうです。神柱賢明です」
ああ、と会長は納得したように手を打つ
「そう言えば、君達の学科とかが色々変更されてからこれで一年か」
「はい。まあ、僕はコースも学科も変えてないからあれから特に変化は無いですけど」
厳密には、他の人のコース変更に伴い僕のクラスメートが変わるなどどいった小さな変化は起こっている
けど、僕の場合はクラスに誰が居ても常時ぼっちになるからその辺りは僕には特に関係ない
「なるほど……城崎クンは?確か彼、生徒会に入ってたでしょ?」
「はい。今はあいつ、会長やってますね」
以前は『目立たない位置から全体を操る方が良い』と言っていた城崎だけど、どうやら今は考えが変わったみたいだ
何でも、トップとその後ろでは実際に動かせる権限に差がありすぎるらしい
だから多少目立って行動を制限されるリスクを取ってでも組織のトップになることには意味があるみたいだ
僕にはその辺りはよく分からないけど
「なるほど……結局そうなっちゃうか……」
会長はそう言って言葉を止めた
「……」
会話が、続かないな
どうしようか……
あ!そうだ!
「あの、僕の家、来ません?」
会長を院に呼ぶことにした
――――――――――――――――――――――――――
「おじゃましま~す」
会長と一緒に僕は孤児院に帰ってきた
「よう賢明。今日は早かったじゃねぇか」
院に入ると、院長が迎えに来てくれた
「うん。院長。ちょっとこの人に色々話すことがあるし」
そう言って会長を僕の部屋に連れて行く
部屋に入って向かい合って座る
「じゃあまず、僕の方から出せる情報を話そうか」
「お願いします」
まずは会長の話を聞くとしよう
「そうだね……僕から話すのは千尋姉さんの現状について、くらいかな?僕についての話なんて興味無いでしょ?」
「まあ、それはそうですね」
正確に言うと、千尋さんの話にも興味は無いが、まあ取り敢えず聞いておこう
「千尋姉さんはね……元の再生医療の研究に戻ったらしいよ。以前よりも予算枠が増えたって喜んでた」
「所長は元に戻った感じですか」
まああの人、根っからの研究者っぽいからな
研究が出来るだけの予算が入ればそれで良いのかもしれない
「それで?僕は情報を出した訳だけど?」
それに対して僕は話す
「僕の方の情報って言っても……殆ど無いですよ?正直城崎が生徒会長になったこと以外は何も変化が無いと言うか……あ、須斎は薙刀の全国大会でベスト8に入ったらしいです」
「すごいじゃん。やっぱりスポーツエリートは違うね!」
会長は少し嬉しそうにした
やっぱり自分の母校が活躍していると嬉しいみたいだ
この人もしっかり生徒会長的な精神を持ち合わせていたんだろう
「それでさ、君自身はどうなの?」
僕にそう話を振ってくる
「僕ですか……まあ、いつも通りって感じですかね?」
会長はうんうんと頷いて嬉しそうにしている
「じゃあいよいよ日常に戻ったって感じだね」
そう言われると、たしかにそうだ
これといって特別なことも無い、普段の日常に戻ったような感覚がある
ただ一点を除いては
「あの……会長は装備……手放せましたか?」
「いや……頑張っては居るんだけどね」
そう
あの人類戦線の後、政府は装備を持つ全国民から装備を回収し出した
けど、僕たちみたいに何度も何度も装備を使っていた人達の装備だけはどう頑張っても手放せない、という問題が生まれた
ただでさえ捨てるのに強烈な抵抗感がある上、何度捨てても戻ってくるらしい
らしい、というのは僕はまだ一回も刀を捨出ることが出来ていないからだ
捨てようとすると毎回なんか気分が乗らずに「また今度で良っか」と思って止めてしまう
聞く話によると、そんな人は結構多いみたいだ
もしかしたら、前に所長が言っていた『適合率』というものが関係しているのかもしれない
もう体の一部だから手放すなってことなのかもしれない
「はぁ……じゃあまたいつも通りの面白みの無い人生に逆戻りか」
会長がそう言う
「まあ、それで良いんじゃないですか?」
あの騒動では色んな人が死んだ
僕が覚えているので一番衝撃的なのは……あれか
葉狩が死んだやつか
他にも梁の話とか、心が抉られることは多々あった
やっぱり、僕たちみたいな普通の精神の人間には非日常というものはちょっと荷が重いのかもしれない
やっぱり僕達は普通に学校に行っている方が良さそうだ
「ま、何はともあれ、平和な感じになったから良かったね」
「そうですね」
この騒動が始まってからの混乱は一段落は付いただろう
これからどうなるのか、それはもう分からない
多分普通に社会が回っていくんだろう
僕達はそこでどう生きていくのか……まあ、それはこれか考えていくとしよう
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる