人類戦線

さむほーん

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人類戦線編

第七十一話 後日に向けて

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「ふぅ……疲れた……」

僕はもはや懐かしいとまで思える学生寮にやってきてそう零した

そのまま広間にある椅子に座る

「おい、そこで止まるな。一旦大部屋に集まって話をするから来い」

城崎は僕の首根っこを掴んでそう言う

「あ、そっか。弘岡達の居る方に向かわないといけないのか」

そのことを思い出して僕はゆっくりと椅子から立ち上がった

「えっと……大部屋ってどっちだっけ?ってか、態々大部屋に行く必要有る?大広間ここで話せば良くない?」

僕は歩きながらそう言う

「そう言いながらも歩いている時点でお前も分かっているんだろうが……一応言っておく。この大広間で話したことは監視カメラに付いている録音機能によってすべて記録される。ゲームとやらが一旦終わったとはいえ、機密・もしくはそれに準ずる情報を話す場として不適切だと考えただけだ」

僕が何となく感じ取っていたことを城崎ははっきりと口に出して言った

「じゃあ仕方無いか。それで、大部屋ってどこだったっけ?」

「ついて来い」

僕は城崎に誘導されながら、大広間に向かった

――――――――――――――――――――――――

「あれ?弘岡……それ、大丈夫なの?」

広間のドアを開けると、弘岡が布団にくるまっていた

僕は布団を敷いて寝転んでいる弘岡に向かって僕はそう言う

「ああ。装備を使いすぎたせいか、美優は随分と疲れているようでな」

そう言いながら、須斎はお粥を持って大広間に入ってくる

弘岡は体を起こそうとするが、力が入らないのか上手く行かないようだ

「……ありがと」

僕が後ろから支えると、どうにか弘岡は体を起こすことが出来た

弘岡はゆっくりとお粥を手に取り、口に運ぶ

「そう言えばさ、弘岡は何をやったの?」

僕は須斎に向けてそう言う

「ああ。あの巨人の関節を固めて動けなくしたみたいだ。だが、それを行う際に装備をかなり無茶なやり方で使ったらしくな……」

「なるほど、それが原因で寝込んじゃったと」

色々大変なだったんだな……

まあ、そうでもしないと打開不能な状況だったけど

「さて、神柱。過ぎたことの話はこの辺りで終わらせても大丈夫か?」

城崎が聞いてくる

「うん。オッケー」

僕は弘岡の右隣に座って城崎の話を聞くことにした

ちなみに、須斎は弘岡の左隣に座っている

「では、今からはこの先のことについて話していく」

城崎が話題を変えてきた

「この先のことってなると……これから先、どういう感じで国を統治していくか、とか?」

「いや、そのことについてなんだが……俺は今後はこの国を運営していくつもりは無い。少しずつ元の官僚や政治家達に権限を返していく予定だ」

城崎は以外なことを言った

「え?何で?」

僕はその理由を聞く

「そもそも、俺が国の舵取りをしている今の状況が異常だ。俺は別に選挙で選ばれた訳でも無ければ、元から権力者に太いパイプを持っている訳でも無い。ただ武力で強引に国の運営権を手に入れただけだ」

そういえば、そうだったな

僕達はクーデター政権みたいなものだ

普通なら国家転覆罪みたいな罪状が課されるだろう

「返す理由は何となく分かったけど……その状況で政権を返して大丈夫なの?それが原因で僕達が大罪人になったりしない?」

僕はそう尋ねた

「そこについては『適当な人間を身代わり差し出す』『国家の上層部の命を握っておく』と言う形で対応する予定だ」

なるほど

ちゃんと対策はあるみたいだ

「まあ、不安ではあるけど……その辺りが落とし所……なのかな?」

「ああ。一応、この方針に反対しそうな議員や官僚の上層部はしているから問題ないだろう」

おぉ……結構強引な手段も取るんだな

まあ、城崎って元からそんな感じか

「まあ、それで良いんじゃないか?学生が国の舵取りをしている今の状況は確かに早い内に終わらせた方が良いだろう」

須斎もそう言ってくる

「ならこれで構わないな?」

その場にいる城崎以外の三人が頷く

「なら次の話だ。俺達は国家の運営から離れる。つまり、一般の学生に戻るというわけだ。そうなると、授業なども再開することになる」

まあ、そうだ

「そこで蜃気楼の校長や教育委員会の会長等と話をした結果決まったことなんだが……全国の中高生に学科やコースの転向を認めるそうだ」

僕たち三人は、みんな揃って驚いた

「それは……本当か?学年の途中でコース変更など混乱するなどというレベルじゃないぞ」

須斎がそう言う

弘岡は……まだそんなに元気じゃないのか、何か言おうとする気配は無い

「混乱に関しては、今回の決定はむしろ混乱している社会を一旦再構築することで混乱を収める、というものだったな。様々な学校で多くの生徒が行方不明になっているらしく、一旦コースや学科を再編したほうが効率的に動けるらしい」

ああ、変に修理するよりも一旦壊した方が楽、ってやつか

たしかにそういう所はあるかもしれない

「なるほど……分かった」

須斎は納得したみたいだ

弘岡は……あの感じだと多分大丈夫だろう

そして、僕も納得している

「なら、これで終わりにしておくぞ」

城崎はもう一度僕たちに確認する

全員、OKという意思表示をした

「それでは、今から官邸に向けて連絡するぞ」

城崎はスマートフォンを取り出して官邸に電話をかけた
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