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ユーレシア視点♯2

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こうして私ユーレシアとトール兄様、ルース様との話し合いが始まりました。

私は必死に学園に入る前に彼女が行う悪行、そして、入学後に行う悪行の全てを必死に伝えました。

だって、皆様には幸せになって欲しいんですもの…。

私の話をメモに取りつつ、ルース様はため息をついてます…。
何故でしょうか?
トール兄様は、ただ静かに紅茶を飲んでおられました。
そんなトール兄様が動いたのは、私が、兄様には、他に運命の相手がいると断言した時でした。

「ここまで末期だったとは思わなかったよ…。妹だから、そっと見守っていたんだけど、これ以上リアの悪口や、リアへの悪意のある攻撃をするなら、私は許す事ができない…。」

お兄様は、そう言って私を睨みました…。
今まで私は、お兄様のそんな表情と殺気を見たことがなく、少し泣きそうになってしまいました。
いえ、ここで泣いては話になりません。
私は、唇を噛んでお兄様を見つめ返しました。

そんな私をみて、お兄様はため息をつきました。

「シア?君は何をどう見てきたのかな?君の母親である王妃様が、未だに生きていられるのは、彼女のリアの考えた薬のお陰なんだ。リアが悪役令嬢?悪役令嬢という言葉の意味は分からないが、悪役ということ、また、今シアに聞いた話を纏めると、リアは既に何か悪事を働いているってことだよね?なら、君は彼女を…本当の彼女を見てみたらどうかな?ルース、どう思う?」

お兄様は、同席してた、ルース様に声をかけます。
ルース様は、

「この際ですから、殿下とリア様の事業も全て見てもらってはどうですか?きっと納得されると思いますよ。お二人の事業がこの国を支えているのは確かなのですから…。」

その言葉に、お兄様は頷き、

「シア、私達の事業について知る権利をここで与える。ただシア、ここは国の機密事項が含まれている事を理解した上で訪問せよ。ルースを、その時の説明役として付けよう。事業に関わっている者も、私とリアが関与している事業だと知らないものもいる。なので、何か説明が必要ならば、ルースに聞くように。そして、私達の事業と、リアをしっかり己の目で見て判断しろ。いいな?話は以上だ。ルースと相談して、日時は決めたらいい。私は、仕事が立て込んでいる。結論が出たらまたここにくるといい。」

そういうと、お兄様は政務の為に、自身の席に戻っていった。

お兄様は、己の目で見て判断しろといわれました、つまり私が正してさしあがればいいのです!!

その後、私はルース様と予定を調整し、こっそりその事業やら、悪役令嬢やらの観察に出かけることにしたのです。
勿論日にちはルース様にも、黙っていて欲しいと口止めしました。


悪役令嬢…もう逃げ道はありませんわよ!!

私は1人自室で高笑いをしたのは、私と私付きの侍女だけの暗黙の了解となっております。

今思えば…勘違いからの、自分勝手な判断に私は未だに後悔しかありません…。

リア様…いえ、お義姉様…
本当は私達が1番にお礼をするべき人でした…。

前世の私からしたら、ゲームの世界かもしれませんが…。

私達は、今ここに生きていて、それぞれ違う考えを持っているのです。

それを知ることが出来たのは、お義姉様と話をした時でした。


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