【完結】婚約破棄? 致しません!

水江 蓮

文字の大きさ
28 / 42

スタンピート1

しおりを挟む
「既に魔物は多いけれど、これはまだスタンピートが始まっていないと考えるべきなのかしら?」

「始まりだと考えるべきだと思うな。ここより少し離れた場所に拓けた場所がある。そこに我々のセーフティエリアを作ろう。命あっての冒険者だからな、危険だと思ったら下がるべきだ。食事や休憩は取れそうな時にそこでとるようにし、交代で討伐に向かおう。魔道具持ってきていたよな?」

「ええ。光属性と魔物避けのバリアがついた魔道具を多めに持ってきたわ。少し大きめな物をセーフティエリアに。小型の物は個人に渡しておくから自由に使って。」

私は、拓けた場所にセーフティエリア用の魔道具を置き起動させ、小型用の魔道具を一人一人に渡していった。
セーフティエリアに運んできた食料や水、武器にテント、寝袋など必要な物を出していった。

まずは第1陣として、Sランクパーティの4人がマッピングと討伐に向かった。
どこから湧いてきているのかを確認し、根本を対処しなければならない。

…マリア様が言っていたのは、たしか…

【私がいなければ解決できない】
【闇属性の貴女(つまり私レティシア)は役に立たない】
そして、
【光属性で聖女の私のみ】

つまり、根本を対処するのに必要なのはきっと光属性。
私は聖女ではないけれど、闇属性だけではなく光属性も使える。
つまり役に立たない訳ではない。
それに光属性に弱い魔物であれば、光属性の魔道具は間違いなく有効。

大丈夫。皆がいる。
道具も揃っている。
落ち着け。
Sランクのパーティが帰ってくるまで私達は野営の準備をする事にした。
色んな魔道具を持ってきたので、外でもある程度くつろげるようになった。

Sランクパーティが帰ってきたのは日が暮れはじめた頃だった。
帰ってきたパーティから詳しい話を聞く事にした。

「どうやら洞窟内に新しいダンジョンが出来ていたようだ。」

「新しいダンジョン?」

「そうだ、でも誰も気づかなかったんだろう。奥の方にあったからな。間引きする冒険者も手前の魔物を狩って終わりだろうからな。倒した魔物を放置し奥へ進もうなんて普通は思わない。まぁ、今回は国からお金がでるから勿体ないが、解体などせずに焼いておいたがな。」

皆で暖かいお茶を飲みながら話を進める。

「なら、そのダンジョンを壊したらこのスタンピートはおさまるのか?」

「やってみなきゃ分からないが、とにかくあのダンジョンに入るしかない。だが、全員で入るという訳には行かない。ここにいるBランクの冒険者はこのまま地上で魔物狩りを、そしてAランク以上でダンジョンに潜る。」

「確かに、地上を無視する訳にはいかないものね。分かったBランクの私たちで地上を対処する。ダンジョンの方は任せる。」

皆それぞれが自分の役割を確認していった。

そして私は…

「ガイルさん、私はAランクなのでダンジョンに入ります。それに、王国である者がスタンピートが起こると発言した時に言ったんです。【光属性が必要】だと。私は光属性が使えます。勿論、アイテムボックスもあるので食料やポーションの持ち運びもできます。なので、絶対に私を連れていってください。」

「しかし…レティシアは王太子妃になるんだろ?危険な目には「王太子妃になるからこそこの国を守らなければならないんです。お願いします」…わかった、決意はかたいんだな。ならば一緒に来てもらおう。ただ2つ約束を守って欲しい。自分用のポーションを多めに持つこと。あと先頭は俺達のパーティだ。それだけは譲れない。」

「分かりました。約束します。ありがとうございます。」

私は、皆に改めて頭を下げた。


作戦結構は明日からということになり、今日はゆっくり休む事にした。


…明日からが本番だ。

絶対に皆で食い止める!
しおりを挟む
感想 18

あなたにおすすめの小説

『婚約破棄された令嬢ですが、王国は私抜きでは立てなかったようですね』

鷹 綾
恋愛
「愛しているのは彼女だ」 王太子ロネスにそう告げられ、婚約を破棄された侯爵令嬢エルゼリア・クローヴェル。 感情をぶつけることも、復讐を誓うこともなく、 彼女はただ――王宮を去った。 しかしその直後から、王国は静かに崩れ始める。 外交は滞り、判断は遅れ、市場は揺れ、 かつて「問題なく回っていた」はずの政務が、次々と行き詰まっていった。 一方、エルゼリアは帝国で新たな立場を得ていた。 帝国宰相ハインリヒ・ヴォルフの隣で、 彼女は再び“判断する側”として歩み始める。 やがて明らかになるのは、 王国が失ったのは「婚約者」ではなく、 判断を引き継ぐ仕組みそのものだったという事実。 謝罪も、復縁も、感情的なざまあもない。 それでも―― 選ばれ、認められ、引き継がれていくのは、誰なのか。 これは、 捨てられた令嬢が声を荒げることなく、 世界のほうが彼女を必要としてしまった物語。

婚約破棄を本当にありがとう

あんど もあ
ファンタジー
ラブラブな婚約者のパトリシアとラルフ。そんなパトリシアに、隣国の王立高等学院に留学しないかとのお誘いが。「私、もうこの国の王立学園を卒業してますよ?」「高等学園にはブライト博士がいるわよ」「行きます!」 当然、ラルフも付いて行くのだが、そこでパトリシアは王太子の婚約者と思われて……。

妹の初恋は私の婚約者

あんど もあ
ファンタジー
卒業パーティーで、第一王子から婚約破棄を宣言されたカミーユ。王子が選んだのは、カミーユの妹ジョフロアだった。だが、ジョフロアには王子との婚約が許されない秘密があった。

神託の聖女様~偽義妹を置き去りにすることにしました

青の雀
恋愛
半年前に両親を亡くした公爵令嬢のバレンシアは、相続権を王位から認められ、晴れて公爵位を叙勲されることになった。 それから半年後、突如現れた義妹と称する女に王太子殿下との婚約まで奪われることになったため、怒りに任せて家出をするはずが、公爵家の使用人もろとも家を出ることに……。

教養が足りない、ですって

たくわん
恋愛
侯爵令嬢エリーゼは、公爵家の長男アレクシスとの婚約披露宴で突然婚約破棄される。理由は「教養が足りず、公爵夫人として恥ずかしい」。社交界の人々の嘲笑の中、エリーゼは静かに会場を去る。

[完結]だってあなたが望んだことでしょう?

青空一夏
恋愛
マールバラ王国には王家の血をひくオルグレーン公爵家の二人の姉妹がいる。幼いころから、妹マデリーンは姉アンジェリーナのドレスにわざとジュースをこぼして汚したり、意地悪をされたと嘘をついて両親に小言を言わせて楽しんでいた。 アンジェリーナの生真面目な性格をけなし、勤勉で努力家な姉を本の虫とからかう。妹は金髪碧眼の愛らしい容姿。天使のような無邪気な微笑みで親を味方につけるのが得意だった。姉は栗色の髪と緑の瞳で一見すると妹よりは派手ではないが清楚で繊細な美しさをもち、知性あふれる美貌だ。 やがて、マールバラ王国の王太子妃に二人が候補にあがり、天使のような愛らしい自分がふさわしいと、妹は自分がなると主張。しかし、膨大な王太子妃教育に我慢ができず、姉に代わってと頼むのだがーー

【完結】この運命を受け入れましょうか

なか
恋愛
「君のようは妃は必要ない。ここで廃妃を宣言する」  自らの夫であるルーク陛下の言葉。  それに対して、ヴィオラ・カトレアは余裕に満ちた微笑みで答える。   「承知しました。受け入れましょう」  ヴィオラにはもう、ルークへの愛など残ってすらいない。  彼女が王妃として支えてきた献身の中で、平民生まれのリアという女性に入れ込んだルーク。  みっともなく、情けない彼に対して恋情など抱く事すら不快だ。  だが聖女の素養を持つリアを、ルークは寵愛する。  そして貴族達も、莫大な益を生み出す聖女を妃に仕立てるため……ヴィオラへと無実の罪を被せた。  あっけなく信じるルークに呆れつつも、ヴィオラに不安はなかった。  これからの顛末も、打開策も全て知っているからだ。  前世の記憶を持ち、ここが物語の世界だと知るヴィオラは……悲運な運命を受け入れて彼らに意趣返す。  ふりかかる不幸を全て覆して、幸せな人生を歩むため。     ◇◇◇◇◇  設定は甘め。  不安のない、さっくり読める物語を目指してます。  良ければ読んでくだされば、嬉しいです。

婚約者様への逆襲です。

有栖川灯里
恋愛
王太子との婚約を、一方的な断罪と共に破棄された令嬢・アンネリーゼ=フォン=アイゼナッハ。 理由は“聖女を妬んだ悪役”という、ありふれた台本。 だが彼女は涙ひとつ見せずに微笑み、ただ静かに言い残した。 ――「さようなら、婚約者様。二度と戻りませんわ」 すべてを捨て、王宮を去った“悪役令嬢”が辿り着いたのは、沈黙と再生の修道院。 そこで出会ったのは、聖女の奇跡に疑問を抱く神官、情報を操る傭兵、そしてかつて見逃された“真実”。 これは、少女が嘘を暴き、誇りを取り戻し、自らの手で未来を選び取る物語。 断罪は終わりではなく、始まりだった。 “信仰”に支配された王国を、静かに揺るがす――悪役令嬢の逆襲。

処理中です...