37 / 42
マリア・ノルトについての調査報告書
しおりを挟む
アルバートはマリア・ノルトについての調査報告書とマリア・ノルトがつけていた日記を目の前にし、ため息をついていた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
マリア・ノルト元男爵令嬢についての報告書
マリア・ノルト
ノルト男爵(クリス・ノルト)とその妻(リリア・ノルト)の間に生まれる。
マリア・ノルト(以下調査対象者と表記する)はノルト男爵領で幼い頃は人気の令嬢であった。
領民に気安く話しかけ、手伝いをするなど優しい人物だったと元領民は語る。
そんな調査対象者がある日山に行って戻らないことがあった。
どんなに領地内を探しても見つからなかった。
領民と兵がどれだけ探しても見つからなかったが、3日後自分の足で帰宅する。
帰宅時発熱しており、その後1週間寝込んだと医師の記録あり。
熱がさがった時、両親と領民は喜んだがその時から調査対象者の雰囲気や態度が変わった。
誰にも分からない言葉をいい皆を困惑させるようになった。
当時の調査対象者がつけた日記には、【転生した!私がヒロインだ!】【ハーレムルートを選んでからのアルバート】などの記入あり。
またその日記にはライディクト元第1王子を含む数名との出会い方や、どのような話をすればいいのかなども記入されている。
まるで、全てを知っているかのような記述の仕方である。
実際に同じような行動を取ったのかを学園の同級生の令嬢に確認すると、【そう言われればそのような事がありました】との証言多数あり。
調査対象者の学園での過ごし方は、異性との関わりしかなく女子学生の目からすると浮いた存在だったという。
勉学については、何とか進級できる程度の学力しかなく、魔法も軽い怪我を治すヒールまでしか使えなかった。
魔力も左程多くなく、魔力の使い方が雑な為、授業の度に教師が何度も注意するも、【私は将来王妃になるのよ!?そんな事知らなくても大丈夫なの!!】と言い放ち改善されることはなかったという。
その後も女子学生や教師が助言するも、【私が羨ましいから嫉妬しているの?】【私が王妃になったら貴女の家潰してあげる!】などの暴言、妄言を吐き全く聞きいれなかった。
その後、あの親善会での発言に繋がる。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
アルバートが目を通した日記には確かにその様な記入があった。
ライディクトを含め自分の事に関しても書かれておりゾッとした。
自身の事については、レティシアとの婚約後全く違う生き方をしていた為当てはまらなかったが、レティシアに出会っていなければどうっていたかは分からない。
彼女(マリア)が書いた【攻略キャラの対応】はまるでハニートラップの様に詳細に書かれていた。
これは、彼女が前世で得た情報なのだろう。
では、いつ思い出したのか?
それはきっと森で行方不明の3日間にあのダンジョンと関わりを持ち何らかのきっかけを得たのではないか?
1週間後寝込んでいた間に彼女とダンジョンコアの繋がりが完璧に出来上がったのではないか?
しかし、行方不明になる前となった後ではまるで人が違うように見える。
3日後に帰ってきた彼女は、本当のマリア・ノルトだったのだろうか?
もしダンジョンコアが作り出した魔物の様なものだとしたら…本当のマリア・ノルトはどこに行ったのか?
魔力紋が同じではあるが、もし本物のマリア・ノルトを使ってダンジョンコアが作り出した何かだとしたら?
一人で考えるも答えが出ることはなかった。
レティシアが帰還後この日記を見てもらうしかない。
前世の記憶を持つレティシアにしか分からない事も書かれているはずだ。
この事は王国には連絡しない事にした。
今更彼女についてどう報告すればいいのか分からないということもあるが、報告した所でもう遅いのだ。
だってこの世にもうマリア・ノルト元男爵令嬢はいないのだから…。
【攻略キャラ】と書かれた人物達は私を除くと全員亡くなっているのだから…。
自分がヒロインだと言い続けた女性。
彼女は本当に幸せなヒロインだったのだろうか?
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
マリア・ノルト元男爵令嬢についての報告書
マリア・ノルト
ノルト男爵(クリス・ノルト)とその妻(リリア・ノルト)の間に生まれる。
マリア・ノルト(以下調査対象者と表記する)はノルト男爵領で幼い頃は人気の令嬢であった。
領民に気安く話しかけ、手伝いをするなど優しい人物だったと元領民は語る。
そんな調査対象者がある日山に行って戻らないことがあった。
どんなに領地内を探しても見つからなかった。
領民と兵がどれだけ探しても見つからなかったが、3日後自分の足で帰宅する。
帰宅時発熱しており、その後1週間寝込んだと医師の記録あり。
熱がさがった時、両親と領民は喜んだがその時から調査対象者の雰囲気や態度が変わった。
誰にも分からない言葉をいい皆を困惑させるようになった。
当時の調査対象者がつけた日記には、【転生した!私がヒロインだ!】【ハーレムルートを選んでからのアルバート】などの記入あり。
またその日記にはライディクト元第1王子を含む数名との出会い方や、どのような話をすればいいのかなども記入されている。
まるで、全てを知っているかのような記述の仕方である。
実際に同じような行動を取ったのかを学園の同級生の令嬢に確認すると、【そう言われればそのような事がありました】との証言多数あり。
調査対象者の学園での過ごし方は、異性との関わりしかなく女子学生の目からすると浮いた存在だったという。
勉学については、何とか進級できる程度の学力しかなく、魔法も軽い怪我を治すヒールまでしか使えなかった。
魔力も左程多くなく、魔力の使い方が雑な為、授業の度に教師が何度も注意するも、【私は将来王妃になるのよ!?そんな事知らなくても大丈夫なの!!】と言い放ち改善されることはなかったという。
その後も女子学生や教師が助言するも、【私が羨ましいから嫉妬しているの?】【私が王妃になったら貴女の家潰してあげる!】などの暴言、妄言を吐き全く聞きいれなかった。
その後、あの親善会での発言に繋がる。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
アルバートが目を通した日記には確かにその様な記入があった。
ライディクトを含め自分の事に関しても書かれておりゾッとした。
自身の事については、レティシアとの婚約後全く違う生き方をしていた為当てはまらなかったが、レティシアに出会っていなければどうっていたかは分からない。
彼女(マリア)が書いた【攻略キャラの対応】はまるでハニートラップの様に詳細に書かれていた。
これは、彼女が前世で得た情報なのだろう。
では、いつ思い出したのか?
それはきっと森で行方不明の3日間にあのダンジョンと関わりを持ち何らかのきっかけを得たのではないか?
1週間後寝込んでいた間に彼女とダンジョンコアの繋がりが完璧に出来上がったのではないか?
しかし、行方不明になる前となった後ではまるで人が違うように見える。
3日後に帰ってきた彼女は、本当のマリア・ノルトだったのだろうか?
もしダンジョンコアが作り出した魔物の様なものだとしたら…本当のマリア・ノルトはどこに行ったのか?
魔力紋が同じではあるが、もし本物のマリア・ノルトを使ってダンジョンコアが作り出した何かだとしたら?
一人で考えるも答えが出ることはなかった。
レティシアが帰還後この日記を見てもらうしかない。
前世の記憶を持つレティシアにしか分からない事も書かれているはずだ。
この事は王国には連絡しない事にした。
今更彼女についてどう報告すればいいのか分からないということもあるが、報告した所でもう遅いのだ。
だってこの世にもうマリア・ノルト元男爵令嬢はいないのだから…。
【攻略キャラ】と書かれた人物達は私を除くと全員亡くなっているのだから…。
自分がヒロインだと言い続けた女性。
彼女は本当に幸せなヒロインだったのだろうか?
488
あなたにおすすめの小説
婚約破棄を本当にありがとう
あんど もあ
ファンタジー
ラブラブな婚約者のパトリシアとラルフ。そんなパトリシアに、隣国の王立高等学院に留学しないかとのお誘いが。「私、もうこの国の王立学園を卒業してますよ?」「高等学園にはブライト博士がいるわよ」「行きます!」
当然、ラルフも付いて行くのだが、そこでパトリシアは王太子の婚約者と思われて……。
『婚約破棄された令嬢ですが、王国は私抜きでは立てなかったようですね』
鷹 綾
恋愛
「愛しているのは彼女だ」
王太子ロネスにそう告げられ、婚約を破棄された侯爵令嬢エルゼリア・クローヴェル。
感情をぶつけることも、復讐を誓うこともなく、
彼女はただ――王宮を去った。
しかしその直後から、王国は静かに崩れ始める。
外交は滞り、判断は遅れ、市場は揺れ、
かつて「問題なく回っていた」はずの政務が、次々と行き詰まっていった。
一方、エルゼリアは帝国で新たな立場を得ていた。
帝国宰相ハインリヒ・ヴォルフの隣で、
彼女は再び“判断する側”として歩み始める。
やがて明らかになるのは、
王国が失ったのは「婚約者」ではなく、
判断を引き継ぐ仕組みそのものだったという事実。
謝罪も、復縁も、感情的なざまあもない。
それでも――
選ばれ、認められ、引き継がれていくのは、誰なのか。
これは、
捨てられた令嬢が声を荒げることなく、
世界のほうが彼女を必要としてしまった物語。
妹の初恋は私の婚約者
あんど もあ
ファンタジー
卒業パーティーで、第一王子から婚約破棄を宣言されたカミーユ。王子が選んだのは、カミーユの妹ジョフロアだった。だが、ジョフロアには王子との婚約が許されない秘密があった。
神託の聖女様~偽義妹を置き去りにすることにしました
青の雀
恋愛
半年前に両親を亡くした公爵令嬢のバレンシアは、相続権を王位から認められ、晴れて公爵位を叙勲されることになった。
それから半年後、突如現れた義妹と称する女に王太子殿下との婚約まで奪われることになったため、怒りに任せて家出をするはずが、公爵家の使用人もろとも家を出ることに……。
教養が足りない、ですって
たくわん
恋愛
侯爵令嬢エリーゼは、公爵家の長男アレクシスとの婚約披露宴で突然婚約破棄される。理由は「教養が足りず、公爵夫人として恥ずかしい」。社交界の人々の嘲笑の中、エリーゼは静かに会場を去る。
[完結]だってあなたが望んだことでしょう?
青空一夏
恋愛
マールバラ王国には王家の血をひくオルグレーン公爵家の二人の姉妹がいる。幼いころから、妹マデリーンは姉アンジェリーナのドレスにわざとジュースをこぼして汚したり、意地悪をされたと嘘をついて両親に小言を言わせて楽しんでいた。
アンジェリーナの生真面目な性格をけなし、勤勉で努力家な姉を本の虫とからかう。妹は金髪碧眼の愛らしい容姿。天使のような無邪気な微笑みで親を味方につけるのが得意だった。姉は栗色の髪と緑の瞳で一見すると妹よりは派手ではないが清楚で繊細な美しさをもち、知性あふれる美貌だ。
やがて、マールバラ王国の王太子妃に二人が候補にあがり、天使のような愛らしい自分がふさわしいと、妹は自分がなると主張。しかし、膨大な王太子妃教育に我慢ができず、姉に代わってと頼むのだがーー
【完結】この運命を受け入れましょうか
なか
恋愛
「君のようは妃は必要ない。ここで廃妃を宣言する」
自らの夫であるルーク陛下の言葉。
それに対して、ヴィオラ・カトレアは余裕に満ちた微笑みで答える。
「承知しました。受け入れましょう」
ヴィオラにはもう、ルークへの愛など残ってすらいない。
彼女が王妃として支えてきた献身の中で、平民生まれのリアという女性に入れ込んだルーク。
みっともなく、情けない彼に対して恋情など抱く事すら不快だ。
だが聖女の素養を持つリアを、ルークは寵愛する。
そして貴族達も、莫大な益を生み出す聖女を妃に仕立てるため……ヴィオラへと無実の罪を被せた。
あっけなく信じるルークに呆れつつも、ヴィオラに不安はなかった。
これからの顛末も、打開策も全て知っているからだ。
前世の記憶を持ち、ここが物語の世界だと知るヴィオラは……悲運な運命を受け入れて彼らに意趣返す。
ふりかかる不幸を全て覆して、幸せな人生を歩むため。
◇◇◇◇◇
設定は甘め。
不安のない、さっくり読める物語を目指してます。
良ければ読んでくだされば、嬉しいです。
婚約破棄されたその後は、何も起きない日々でした
ふわふわ
恋愛
婚約破棄――
それは、多くの令嬢にとって人生を揺るがす一大事件。
けれど彼女は、泣き叫ぶことも、復讐に走ることもなかった。
「……では、私は日常に戻ります」
派手なざまぁも、劇的な逆転劇もない。
彼女が選んだのは、線を引き、基準を守り、同じ判断を繰り返すこと。
王宮では改革が進み、領地では生活が整えられていく。
誰かが声高に称えられることもなく、
誰かが悪役として裁かれることもない。
それでも――
混乱は起きず、争いは減り、
人々は「明日も今日と同じである」ことを疑わなくなっていく。
選ばない勇気。
変えない決断。
名を残さず、英雄にならない覚悟。
これは、
婚約破棄をきっかけに
静かに日常を守り続けた一人の令嬢と、
その周囲が“当たり前”を取り戻していく物語。
派手ではない。
けれど、確かに強い。
――それでも、日常は続く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる