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一通り魔物を倒した後地面を確認すると怪しげな香が焚かれているのに気がついた。
その場で火を消し手に取って匂いを嗅いでみると独特の匂いがした。
これは…
「魔物寄せの香だね。」
私が持っている香を見てジークが告げた。
「普通ならメタルリザードの近くに角うさぎのような弱い魔物が現れるはずも無いし、スタンピートでもないのにこんなに魔物が現れるのが不思議だったんだ。これが原因か…。」
私は手に持っていた香を袋に入れてジークに手渡した。
「これが原因なら誰かが焚いたって事だよね?犯人調べられるかな?」
「そこまで出来るかは不明だ。とりあえずこれは学園に提出し調査を頼もう。私達がそこまで踏み込むべきではない。」
そう言ってジークはメガネを外し、礼をいいながらディメルクに返却した。
一通り魔物の討伐が終わったので討伐終了の合図を送り、私達はキャロラインが頑張っているだろう救護班の元へと向うことにした。
途中で怪我をして蹲っている生徒達を見つける度に、ポーションを渡し治療してから救護班の方向に進むため、キャロラインと合流できたのは日が暮れる頃だった。
「皆なら大丈夫だと思ってたけど心配したよー!!皆無事でよかった!こっちはミュリエルから預かったポーションとナサイト先生のお陰で皆命に別状なしだよ。多少傷が残る生徒もいるんだけどね…。」
「ポーションとナサイト先生の回復魔法だけだったもんね。ナサイト先生1人だと魔力的に全て綺麗にってのは難しいよね。」
「そうそう。命を繋ぐ方が大切だからね。」
私達は少ししんみりしてしまった。
令嬢が消えない傷をおったというのはどうしてもやり切れない。
あのヒロインがしっかり魔法を学んでくれていれば被害は少なかったはずなのに…ってあれ?ヒロインいる?
「いたいた!お前たち!お前達が降ってくる時にドラノーラ男爵令嬢とオラジオール公爵令嬢をみなかったか!?」
え?
ここにまだ来てないの?
注意したのに?
「先生私達は一度彼女達に会っています。彼女達に避難を指示しましたが言うことを聞こうとしませんでした。戦力外だと言うことを再度伝え戻るよう指示をし私達は魔物討伐へと向かいました。魔物討伐後、怪我をしている生徒達を救助し一緒にここまで降りてきましたが、その中にはいませんでした。彼女達はまだ帰ってきていないのですか?」
ジークが代表して答えると先生は渋い顔をして答えた。
「そうなんだ。今確認してみたらあの2人だけがいないんだ。もう夜になる。このまま訓練を続ける訳にはいかないし皆学園まで帰ることに決めたんだが…そうか…あの2人は何処に行ったんだ?」
なるほど…。
あれだけ伝えたのに言うことを聞かなかったんですね…。
へなちょこ魔法とヒールも使えない自称ヒロインでどうやって帰ってくるんでしょう?
「私達はどうしたらいいでしょうか?」
ライナーが先生に尋ねると、
「お前達も疲れただろうから、学園に戻るといい。1番働いたのはお前達だからな。私達教師陣が不甲斐ないばかりに…すまなかった。あの2人は今回の訓練に同行してくれている冒険者ギルドに救助要請を出すことにする。手荷物等も全てこちらで回収し後日返却しよう。」
先生がそれだけを言い去っていこうとしたので慌てて私が声をかけた。
「あ、先生!私達のベース基地は何も置いてないので確認しなくて大丈夫です!」
私の発言に教師は驚き振り向いた。
そして私たちをジロジロと見て、
「そんなこと言ってもお前達荷物はポシェットしかないじゃないか。テントとかあるだろ?」
と発言した。
そうなんですよね。
私達ポシェットしか付けてませんもんね。
普通なら他にも荷物ありますもんね。
何なら行きは大きな荷物持っていたもんね。
不審に思っている先生に、何故私達がポシェットだけなのかを説明することにした。
「私達この訓練中にディメルクにマジックバッグの作り方を教わったんです。それで荷物は全てこのポシェット型のマジックバッグに収納しているんです。」
私がポシェットを外し先生に渡すと先生は興味津々でポシェットを確認した。
このポシェットは個人設定していないから先生でも中身を確認することが可能だ。
「お前達なら簡単に作れるよな。そうか…マジックバッグとは良いものを作ったな。それじゃあ、お前達の場所は確認しなくていいと伝えておこう。本当にありがとう。お疲れさん。」
そう言いながら私にポシェットを返却した先生は片手を挙げて去っていった。
「やっと終わったな。早く風呂入りてぇ…。」
ライナーのその呟きに私達は皆頷いたのだった。
その場で火を消し手に取って匂いを嗅いでみると独特の匂いがした。
これは…
「魔物寄せの香だね。」
私が持っている香を見てジークが告げた。
「普通ならメタルリザードの近くに角うさぎのような弱い魔物が現れるはずも無いし、スタンピートでもないのにこんなに魔物が現れるのが不思議だったんだ。これが原因か…。」
私は手に持っていた香を袋に入れてジークに手渡した。
「これが原因なら誰かが焚いたって事だよね?犯人調べられるかな?」
「そこまで出来るかは不明だ。とりあえずこれは学園に提出し調査を頼もう。私達がそこまで踏み込むべきではない。」
そう言ってジークはメガネを外し、礼をいいながらディメルクに返却した。
一通り魔物の討伐が終わったので討伐終了の合図を送り、私達はキャロラインが頑張っているだろう救護班の元へと向うことにした。
途中で怪我をして蹲っている生徒達を見つける度に、ポーションを渡し治療してから救護班の方向に進むため、キャロラインと合流できたのは日が暮れる頃だった。
「皆なら大丈夫だと思ってたけど心配したよー!!皆無事でよかった!こっちはミュリエルから預かったポーションとナサイト先生のお陰で皆命に別状なしだよ。多少傷が残る生徒もいるんだけどね…。」
「ポーションとナサイト先生の回復魔法だけだったもんね。ナサイト先生1人だと魔力的に全て綺麗にってのは難しいよね。」
「そうそう。命を繋ぐ方が大切だからね。」
私達は少ししんみりしてしまった。
令嬢が消えない傷をおったというのはどうしてもやり切れない。
あのヒロインがしっかり魔法を学んでくれていれば被害は少なかったはずなのに…ってあれ?ヒロインいる?
「いたいた!お前たち!お前達が降ってくる時にドラノーラ男爵令嬢とオラジオール公爵令嬢をみなかったか!?」
え?
ここにまだ来てないの?
注意したのに?
「先生私達は一度彼女達に会っています。彼女達に避難を指示しましたが言うことを聞こうとしませんでした。戦力外だと言うことを再度伝え戻るよう指示をし私達は魔物討伐へと向かいました。魔物討伐後、怪我をしている生徒達を救助し一緒にここまで降りてきましたが、その中にはいませんでした。彼女達はまだ帰ってきていないのですか?」
ジークが代表して答えると先生は渋い顔をして答えた。
「そうなんだ。今確認してみたらあの2人だけがいないんだ。もう夜になる。このまま訓練を続ける訳にはいかないし皆学園まで帰ることに決めたんだが…そうか…あの2人は何処に行ったんだ?」
なるほど…。
あれだけ伝えたのに言うことを聞かなかったんですね…。
へなちょこ魔法とヒールも使えない自称ヒロインでどうやって帰ってくるんでしょう?
「私達はどうしたらいいでしょうか?」
ライナーが先生に尋ねると、
「お前達も疲れただろうから、学園に戻るといい。1番働いたのはお前達だからな。私達教師陣が不甲斐ないばかりに…すまなかった。あの2人は今回の訓練に同行してくれている冒険者ギルドに救助要請を出すことにする。手荷物等も全てこちらで回収し後日返却しよう。」
先生がそれだけを言い去っていこうとしたので慌てて私が声をかけた。
「あ、先生!私達のベース基地は何も置いてないので確認しなくて大丈夫です!」
私の発言に教師は驚き振り向いた。
そして私たちをジロジロと見て、
「そんなこと言ってもお前達荷物はポシェットしかないじゃないか。テントとかあるだろ?」
と発言した。
そうなんですよね。
私達ポシェットしか付けてませんもんね。
普通なら他にも荷物ありますもんね。
何なら行きは大きな荷物持っていたもんね。
不審に思っている先生に、何故私達がポシェットだけなのかを説明することにした。
「私達この訓練中にディメルクにマジックバッグの作り方を教わったんです。それで荷物は全てこのポシェット型のマジックバッグに収納しているんです。」
私がポシェットを外し先生に渡すと先生は興味津々でポシェットを確認した。
このポシェットは個人設定していないから先生でも中身を確認することが可能だ。
「お前達なら簡単に作れるよな。そうか…マジックバッグとは良いものを作ったな。それじゃあ、お前達の場所は確認しなくていいと伝えておこう。本当にありがとう。お疲れさん。」
そう言いながら私にポシェットを返却した先生は片手を挙げて去っていった。
「やっと終わったな。早く風呂入りてぇ…。」
ライナーのその呟きに私達は皆頷いたのだった。
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