【完結】確かにモブ…私モブのはずなんです!

水江 蓮

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授業開始の鐘がなると同時に教師が丸めた大きな紙を持って教室に入ってきた。
そして教師は丸めた紙を広げ黒板に貼り付けた。

「ここに新しい席順が書いてある。皆荷物を持って自分の新しい席に移動するように。そのまえに少し準備があるから、皆荷物を持ち1度教室からでるように。」

先生のその言葉を聞き、私たちは荷物を纏める1度廊下に出ることにした。
どのクラスも同じようで1年の生徒全員が廊下に出ていた。
しばらく待っていると、教師から教室に入るよう指示され教室に入った。
教室の中は今までの机の配置とは全く違う様相を見せていた。
今までは1つの机に椅子が1つで皆前向きに並んで座っていたのだが、新しくなった教室の中には、大きなテーブルとそれを囲むように椅子が5個設置されていた。
どうやら5人一組のようだ。

私は自分の席順を確認し書かれた席に着席した。
すると、キャロラインやライナー、デイメルク…そしてジークライド王子殿下が同じテーブルに着いた。
私たちの班はこの前の訓練の時のメンバーのようだ。
お互い驚いたが、気心がしれているメンバーなので笑顔で握手を交わし着席した。

私たちのテーブルは静かに座ったのだが、他のクラスメイトが文句があるようで騒ぎ始めた。

「この席順はどういうことですか!?テストの結果では私はSクラスのトップだったはずです!なのにどうして私がジークライド王子殿下と同じ席ではないのですか!?」

おう…。
ジークライド王子殿下の隣の席じゃなくなったのが気に入らないんだね、クロリス公爵子息よ。
気持ちは分からんでもないがそんなに大声で叫ばなくても…。

「あの…私達何故かSクラスに移動するように言われたのですが…。」

クロリス公爵子息が大声をあげている中、教室のドアを開けて小さな声で教師に尋ねている人達もいる。

うん。
カオスだね!
どうなっているんだ?
大丈夫なのか!?

そんな混沌とした教室に先生の声が響き渡った。

「今回の席順はこの前の訓練を鑑みて決定された。元々訓練後の机はこのように五人一組になるように決めてあった。これは最終学年でダンジョンに潜るための準備とも言える。先日の訓練で君たちは何をした?何ができた?ちゃんと動けたのはジークライド王子殿下の班だけではなかったか?」

その言葉にクロリス公爵子息が食ってかかった。

「私だってジークライド王子殿下の班でしたらジークライド王子殿下の指示の元動けていました。班のメンバーが役立たずだったせいで動けなかったんです!」

いや、ジークライド王子殿下に全任せかよ…。
自分で考えろよ…。
何故それを自信満々で言えるんだ!?

「ほぅ?お前は自分で考えて動くことができないのか?ジークライド王子殿下の班のメンバーはそれぞれ考えて動くことができるメンバーだ。ここにお前みたいな指示待ち要因は不要だ。そんなに指示が欲しいならリーダーにはならず1メンバーとして動けばいい。そして、Aクラスから上がってきたもの達はあの訓練である程度動けたもの達だ。Aクラスから上がってきたということは、Sクラスから脱落者が出たとも言える。今後は自分自身の力だけではなく、班の一員としての力も必要となってくる。その辺よく考えて動くことだ。」

「先生!それならば余計に私はジークライド王子殿下の傍にいないとなりません!あの者達が私よりも優れているなんてありえないのですから!」

クロリス公爵子息の発言を聞いた教師はため息をついた。

「お前のどこがこいつらより優れているんだ?あぁ、家格は確かに優れているな。でもそれ以外は?勉強は確かにできる。だがお前はいざとなった時に動けるのか?班の中で誰が対処すれば1番良いのか判断できるのか?王子殿下に間違いだと進言し、より良い案をその場で考え出せるのか?そんなに文句があるのなら今後自分の力で皆を黙らせてみろ。ただ家の力は使うなよ?自分だけの力でのし上がれ!今班は変更しない。裏で何かしようとしたなら即退学だ。しっかりら頭に叩き込んでおけ!分かったなら座れ。」

先生はそう言うと皆を無理やり席につかせた。

「訓練とは違う組み合わせになっている組もあるが…というか一組以外はメンバーが交代しているが、今の班は二年生の間変わらない。二学年である間に実力を見せつけ班を交代した方が良いと判断された時のみメンバーは交代する。テストでSクラスから脱落するものもいるだろう。しかしその時も班のメンバーは交代しない。授業の時だけ入れ替わり者同士席を交換することになる。テストでAクラスに落ちたからと言って班でソイツを蔑ろにすることなんて許されないからな?まぁ、テストで落ちないように頑張ればいいだけだがな?話は以上だ。早速授業を始める。」

こうして訓練後の学園は新たな始まりを見せた。

今後どうなるのかという不安を残しながら…。


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