【完結】確かにモブ…私モブのはずなんです!

水江 蓮

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「さて、森での実践という事だし、それぞれの担当を軽く考えておいた方がいいわよね?」

キャロラインの発言に皆同意し、パーティとして何の役目を果たすかを話し合う事になった。

「リーダーはジークに頼みたいんだけど…どうかな?」

恐る恐る私が発言するとジークライド王子殿下は頷き、

「あぁ、任してくれ。ただいざとなった時は皆臨機応変に対応を頼む。あとサブリーダーとしてライナーを推薦したいのだが、どうだろう?」

「え?俺?」

ライナーが驚いた顔をしたが、他のメンバーは直ぐに了承した。

ライナーは自覚はないが判断力が優れている上に的確な指示が出せる。
ただ彼は前衛な為、後方から指示が出せるジークライド王子殿下がリーダーになっただけだ。
他の班なら間違いなくリーダーになっていただろう。

「そうだよ。この前の訓練の時も色々指示出してくれて助かったし、今回もお願い!」

私達が頼み込むとライナーは渋々了承してくれた。
自信がないって言っているけど…あれだけ指示できるなら余裕だと思うんだよね?

その後の話し合いで、前衛アタッカーがライナー、後衛アタッカーが私とジークライド王子殿下、ディフェンダー兼支援がディメルク、後方支援がキャロラインに決まった。

ディメルクは新しい魔道具を作成したらしく、それを是非使いたいのだと言う。
軽く説明を受けたが実際どの程度の効果があるのか分からないため、一度弱い魔物相手に使用してからその後も使うか判断することとなった。

まぁディメルクが作っているのだから使える物だと思うけどね?

前回は魔物寄せの香が焚かれていたため魔物の生息地がおかしくなっていたが、今回はそのような事がないと思われるので私達は再度生息地を地図に書き込みどのルートで進むかを話し合っていた。

「この前かなりの数の魔物を討伐したからその辺の影響がどうなっているのか気になるところだね。」

「そうだよね…試験会場にした訳だから安全だと判断されたんだろうけど…中の状態までは教えられてないもんね。」

「多分自分達の能力でどこまで進むか、何処で撤退するかも試験内容に含まれているんだろうね。」

「確かに。撤退の判断は命を守る為に大切だもんな。」

皆でうんうんと頷いている所に、

「殿下!本当にこのままでよろしいのですか!?」

やって来ましたよ。
側近候補クロリス公爵子息。
今日は側近候補仲間まで連れてきたんですね…。
ジークライド王子殿下のことより自分のことを心配すべきなのでは?

「それはどういうことだ?」

ジークライド王子殿下は面倒くさそうに尋ねた。
そりゃあ、毎日毎日やってくるんだもんそんな対応になるよね…。

「どういう事も何もありません!私達のような精鋭ではなくこんな者たちと班を組んでいてはいけません!今すぐ学園に抗議するべきです。」

おいおい…。
私達も怒るよ?
君たちが精鋭とか笑わせないでくれないかな?
あの日怪我してプルプル震えていた癖に!

「学園はそうは考えていないようだが?私のことより君達は自分の事を考えるべきなのではないか?班のメンバーとの魔法の実技テストについて色々なすり合わせはしたのか?」

「その実技テストの班が問題なんです!殿下がおられれば私達は殿下の指示を受け直ぐに動くことができます。この者達も殿下の指示があるからこそ動けただけです!」

ほーん。
うちにはライナーっていうサブリーダーもいますけど?
それに各個撃破っていう指示でもそれぞれ対応できますけど?
怪我した所でプルプル震えませんが?
この野郎…喧嘩売りにきたのか!?
買うよ?
喧嘩買うよ?

私が発言しようとした時ディメルクにドーナツを口に突っ込まれた。
ディメルクを恨ましげに見ると、彼は指を口に当て黙っているようにと合図してきた。

…仕方がないから黙っているけど…。
……あれ?
ドーナツはどこから出てきた?

「ほら!皆反論がないじゃないですか!自覚があるって事ですよ!」

ジークライド王子殿下は大袈裟な程大きなため息をつき両手をあげた。

「君たちは何を勘違いしている?彼等は反論しないんじゃない。反論する価値がないと思っているだけだ。学園から班の変更はないと言われただろ?そんなに自分が精鋭だというのなら実力でここに登ってこい!分かったなら自身の班と役割分担など細かな調整をするように。これ以上騒ぐな。君たちが私の試験の準備を邪魔しているということが分からないのか!?」

…すみません。
私反論しかけました。
ディメルク、ドーナツありがとう。
美味しかったです…あ、違う!
反論するの止めてくれてありがとうだ!

ジークライド王子殿下からの叱責に側近候補達は苦々しい顔をし、私達を睨んでから足音を立てて去っていった。
睨まなくてもいいのに…それにせめてジークライド王子殿下に謝罪してから去れよ…。
もういいんだけどね…諦めてるから…。

「本当に皆すまない!巻き込んでしまって!」

ジークライド王子殿下が深く頭を下げ謝罪してきた。
そんな彼を見て皆慌てて頭を上げて欲しいと頼み込んだ。

「そもそもジークは何も悪くない。悪いのはあいつらだ。まぁ、テストの結果を楽しみにしてようぜ?」

そう言いライナーはニヤリと笑った。

まぁきっと彼等は魔法の実技テスト上手くいかないだろうね。
角うさぎに泣かされない事を祈るよ…。

一応彼らの分のポーションも作る?
いや、私なんかの施しは不要だよね。

自分達の力のみで頑張って貰うことにしましょう!

こうして彼らが去った後、私達は再度実技テストに向けて話し合いを進めるのだった。
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