【完結】確かにモブ…私モブのはずなんです!

水江 蓮

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注文の仕方は至って簡単だった。
席に設置されているボタンを押すと部屋の前に付けられたランプが付き店員が来てくれるというシステムだった。
この部屋があること自体が秘密らしく使える者は限られているとか…。
ディメルクは魔道具設置した本人なので優先的に使えるらしい。
自分の好きなカフェに特別席をゲットするとは…実にディメルクらしい。

注文した商品が届いた後、私はキャロラインに話を切り出した。

「で、キャロラインの好きな人って誰!?」

私の直球な質問に対して、男性陣も興味を持ったらしく黙ってキャロラインの発言を待った。

「好きな人っていうか、ちょっと気になる人がいるの。その人に少しでも意識して貰えたらな~とは思っているんだけど、まだ私は足りないの。だからまずは自分磨きするつもり。お父様には政略結婚するぐらいなら縁をきってもいいって言ってあるの。まぁ、なんだかんだ私に甘いから多分応援してくれると思うけどね?誰なのかは秘密!まだ言えないわ。」

私が少し不満げな顔をするとキャロラインは困ったような顔をした。

「まぁ、何か相談したいことができたら相談にのって?今はそれで十分!」

キャロラインにそこまで言われてしまってはどうしようもない。
私は今無理やり聞き出さないことを決めた。
そんな時ディメルクが、

「ジークは婚約者に不満とかないの?」

不意をつかれたジークは飲んでいた紅茶を吹き出しそうになった。
慌てて私がハンカチを差し出すと、ジークはそれを受け取り小声で謝ってきた。

ハンカチ1枚ぐらい気にしなくていいのにね?

しばらくして落ち着いたジークは真剣な目で話し始めた。

「私は婚約者の変更を考えたことがない。昔から彼女だけを見てきたんだ。父上も母上も納得してくれている。これから先何があろうとも婚約破棄などする気がない。」

良かったね!
オラジオール公爵令嬢!
めちゃくちゃ愛されてるじゃないか!!
子供の頃からって…悪役令嬢はその頃からヒロイン対策してたってこと!?
ざまぁされないように頑張ったんだね…。

これはヒロイン攻略難しいんじゃないかな?
他の攻略対象狙うべきでは?

こんなに愛しているのに学園では他人のように振る舞うのは…彼女を守っているからなのかな?
婚約者だっていうと色々大変そうだもんね…っていうかもう既に他の貴族の婚約破棄事件とかあったもんな…。
今更な気もするけど、公表しないって国王陛下が決めているならそれに従うしかないもんね。

「そうなんだ~。仲良くていいな~僕の婚約者はまだ会ったことないんだ。どんな人なんだろう?」

え?
初耳なんですけど?
ディメルク婚約者いたの?

「ディメルク…会ったことないってどういう事だ?お前俺と同じで婚約者いないんだとばかり思っていた…。」

ライナーがショックを受けている…ってかライナーは婚約者いなかったんだ!
そういえば次男だとか言ってたもんな…嫡男以外は色々大変なんだな…。

「うん。一応婚約者いるよ!名前は…なんだったかな?確か…あれ?エリザ?エルザ?んー??なんとかローズって名前だったよ!確かそんな感じの名前の人。会ったことないから見た目は知らない。歳は1つ下だったかな?年下ってことは確かだよ。」

ディメルクは頭を傾げながら答えた。
その様子に皆はため息をついた。


「ディメルク…婚約者としての最低限の対応ぐらいはしようと思わなかったのか?それに名前も覚えていないだなんて…。」

ジークが苦言を呈すると、ディメルクはあっけらかんと答えた。

「だって魔道具の方が興味深いからね?この店に設置した遮音の魔道具とかね凄いこだわったんだよ!何処に設置してあるか分からないでしょ?この部屋があるって事を知れても中には店長の許可がおりないと入れないようにしてあるんだ~。だから忍び込んで盗聴器を設置するのも不可能。聞き耳立てても外だと何も聞こえない。こんなに秘密の会合するのにピッタリな場所はないよ!」

最早婚約者の話ではなくこの店に設置した魔道具の自慢が始まった。

ディメルクの婚約者さん…大丈夫ですか?
貴女が納得しているならいいけれど…本当にディメルクでいいの?

その場にいたメンバーはディメルクの婚約者に対し心の中で質問を投げかけるのだった。




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