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夕食後ジークと王妃殿下に聞いた話についてサロンでゆっくりと話し合う事となった。
サロンに着くと飲み物の準備だけ頼みその後は人払いをお願いした。
まだ叙爵の話とかは内密だと思ったからね?
皆がいなくなったのを確認し、ジークにディメルクの叙爵について尋ねてみた。
「あ!そういえばその話するの忘れていたな…ごめんねミュリエル。最近ちょっと人員の整理や罪人の処罰なんかで忙しくて…。」
「ううん。それはいいの!大変だったみたいだね?」
「あぁ。俺たちより先に卒業した先輩達…特にSクラスで卒業した者たちのその後を探ってみたら、冷遇されたり搾取されたりしているものが多く見つかってね…。人手が足りなくなっていたから助かったが、これは国の根本から見直さなければならないと本気で思ったよ…。」
「まだ過去の体制から抜け出せてないもんね…。」
「俺が卒業した年は本人にそれぞれにあった職場を紹介したんだ。でもそれを毎年できるかと言われるとなかなか難しい。未だに裏金で何とかしようとする貴族は後を絶たないからな…。」
「悪い風習が残ってしまっているってことだよね?」
「そういう事。今はその辺を含めて学園卒業時の対応を考えているところだよ。優秀な人材には適した所で働いて欲しいからね。冷遇や搾取される者達がいない国を作らなきゃならないからな。」
「それにしても何故自分で頑張ろうって思わないのかな?」
私が素朴な疑問を口にすると、ジークは苦笑した。
「楽して金儲けしたいって人が多いからじゃないかな?自分たちは着飾って美味しいものを食べ、綺麗な物を買うだけ…そんな人生を送りたいって思っているんだよ。誰を踏み台にしてでもね…。」
「踏み台にされる方からしたらたまったものじゃないよね。」
「あぁ。それに国として必要としているのは踏み台にされてきた優秀な人材だ。過去の情報も今確認しているけど、まだまだ終わりが見えないよ…。中には人の研究の成果を自分のものとして発表している貴族もいたからな。」
「はぁ!?そんなことまで!?」
「そう、承認欲求の塊なんだよ。その辺の利権を今本来の持ち主に返すよう鋭意努力中…。そして本来賞賛されるべきだったもの達が今回纏めて叙爵されるんだ。」
「貴族が増えるってこと…いやそうじゃないのか…。潰れた家門もあるって聞いたし、数は変わらないように均衡を保つ事になる?」
「そういう事。役たたずの嫡男を次期当主としている家には当主を交代するように王命も出したし、これでちょっとは落ち着くんじゃないかな?この転換期が1番大変なんだけどね…。ミュリエルとの結婚式前に全て終わらせる予定だからあまり一緒にいられなくてごめんね?」
しょんぼりと肩を落とすジークの頬に私からキスをした。
「今は頑張る時なんだよね?私も手伝うから一緒に頑張ろう!頑張ってきた人達が日の目を見るようにしなきゃ!当主交代とかさせられるってことを見たら貴族達も今後は自力で頑張るようになるだろうし!後は平民も文字を読んだり書いたりできるようにして、算学も教えられたらいいよね。平民でも通える学校があるのが1番いいんだけど…どうかな?」
「確かに。貴族の教育ばかりではなく平民も学べたらいいな。未だに平民の魔力測定は浸透していないし…。その辺も議題にしよう。」
「提案を受け入れてくれてありがとう!」
私がジークに礼を言うとジークは私の頭をポンポンと叩きながら笑った。
「すぐには政策として動かせないけど、今準備をしておけばいざと言う時に役に立つからね。ミュリエルも気づいたことはいつでも相談してきてね?いい国を…皆が笑顔で暮らせる国を一緒に作っていこう。」
私はジークのその言葉に大きく頷いた。
私1人ではできない事でも、ジークと一緒なら乗り越えていける。
日本のような教育環境を整えるには時間もお金もかかるだろう。
でも子供達の未来のために何かできるようになりたい、そう心から思ったのだった。
サロンに着くと飲み物の準備だけ頼みその後は人払いをお願いした。
まだ叙爵の話とかは内密だと思ったからね?
皆がいなくなったのを確認し、ジークにディメルクの叙爵について尋ねてみた。
「あ!そういえばその話するの忘れていたな…ごめんねミュリエル。最近ちょっと人員の整理や罪人の処罰なんかで忙しくて…。」
「ううん。それはいいの!大変だったみたいだね?」
「あぁ。俺たちより先に卒業した先輩達…特にSクラスで卒業した者たちのその後を探ってみたら、冷遇されたり搾取されたりしているものが多く見つかってね…。人手が足りなくなっていたから助かったが、これは国の根本から見直さなければならないと本気で思ったよ…。」
「まだ過去の体制から抜け出せてないもんね…。」
「俺が卒業した年は本人にそれぞれにあった職場を紹介したんだ。でもそれを毎年できるかと言われるとなかなか難しい。未だに裏金で何とかしようとする貴族は後を絶たないからな…。」
「悪い風習が残ってしまっているってことだよね?」
「そういう事。今はその辺を含めて学園卒業時の対応を考えているところだよ。優秀な人材には適した所で働いて欲しいからね。冷遇や搾取される者達がいない国を作らなきゃならないからな。」
「それにしても何故自分で頑張ろうって思わないのかな?」
私が素朴な疑問を口にすると、ジークは苦笑した。
「楽して金儲けしたいって人が多いからじゃないかな?自分たちは着飾って美味しいものを食べ、綺麗な物を買うだけ…そんな人生を送りたいって思っているんだよ。誰を踏み台にしてでもね…。」
「踏み台にされる方からしたらたまったものじゃないよね。」
「あぁ。それに国として必要としているのは踏み台にされてきた優秀な人材だ。過去の情報も今確認しているけど、まだまだ終わりが見えないよ…。中には人の研究の成果を自分のものとして発表している貴族もいたからな。」
「はぁ!?そんなことまで!?」
「そう、承認欲求の塊なんだよ。その辺の利権を今本来の持ち主に返すよう鋭意努力中…。そして本来賞賛されるべきだったもの達が今回纏めて叙爵されるんだ。」
「貴族が増えるってこと…いやそうじゃないのか…。潰れた家門もあるって聞いたし、数は変わらないように均衡を保つ事になる?」
「そういう事。役たたずの嫡男を次期当主としている家には当主を交代するように王命も出したし、これでちょっとは落ち着くんじゃないかな?この転換期が1番大変なんだけどね…。ミュリエルとの結婚式前に全て終わらせる予定だからあまり一緒にいられなくてごめんね?」
しょんぼりと肩を落とすジークの頬に私からキスをした。
「今は頑張る時なんだよね?私も手伝うから一緒に頑張ろう!頑張ってきた人達が日の目を見るようにしなきゃ!当主交代とかさせられるってことを見たら貴族達も今後は自力で頑張るようになるだろうし!後は平民も文字を読んだり書いたりできるようにして、算学も教えられたらいいよね。平民でも通える学校があるのが1番いいんだけど…どうかな?」
「確かに。貴族の教育ばかりではなく平民も学べたらいいな。未だに平民の魔力測定は浸透していないし…。その辺も議題にしよう。」
「提案を受け入れてくれてありがとう!」
私がジークに礼を言うとジークは私の頭をポンポンと叩きながら笑った。
「すぐには政策として動かせないけど、今準備をしておけばいざと言う時に役に立つからね。ミュリエルも気づいたことはいつでも相談してきてね?いい国を…皆が笑顔で暮らせる国を一緒に作っていこう。」
私はジークのその言葉に大きく頷いた。
私1人ではできない事でも、ジークと一緒なら乗り越えていける。
日本のような教育環境を整えるには時間もお金もかかるだろう。
でも子供達の未来のために何かできるようになりたい、そう心から思ったのだった。
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