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記憶を取り戻した日
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5歳の時木から落ちて私は前世の記憶を思い出した。
前世の私は、大学生だった。
友人たちと旅行に行くために乗ったバスが事故を起こし私は死んだ…。
友人達は大丈夫だったのか?
家族にありがとうさえ言えなかった…。
そんな思いが溢れ出し3日間泣き続けた。
3日間泣き続けた私を心配そうに抱きしめる今世の家族をみたら、今世の家族を大切にしなければと言う思いが強くなっていった。
今世の家族に謝り、その日から私は前を向き後悔しないように生きる事を誓った。
…そして今日思い出してしまったのだ…。
私が転生したのは、乙女ゲーム『君と運命の恋を…』の悪役令嬢ディアナ・ブロッシーだと言うことを!!
ゲームでの私は学園に通っていたから、今はゲームスタート前だ。
学園に通うのは14歳から…今は10歳。
つまり4年しか猶予がない!
断罪されないように生きていかねば!
家族に迷惑をかけられない!
大切な家族だもの!!
そう息巻いていると部屋にお父様が現れた。
そして私を抱き上げると、
「ディアナ!喜べ!ディアナの婚約者が決まったよ!第1王子のオリオン殿下だ!明日顔合わせがあるから用意しておくんだよ?」
私をクルクルと回したお父様は、その後スキップでもしそうな足取りで部屋から出ていった…。
……。
終わった…。
婚約者にならないように何とか目立たないようにと色々対応していたのに…。
決定してしまったなら仕方がない…。
学園に入るまでに王子殿下から破棄してもらおう!
そうだ!
今のうちに婚約破棄だ!
穏便な婚約破棄だ!!
私は1人部屋で拳を握りしめ心に固く誓った。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
カリンside
「待って!?私もしかしてあの小説に転生している!?私卒業パーティーで王子達と断罪をしようとして、逆にざまあされる自称ヒロインじゃん!!?」
水溜まりにうつる自分を見て、前世自分が読んでいた小説『運命の君?それなら仲良く地獄へどうぞ?』に転生している事に気がついた。
その小説の内容は、自称ヒロインが学園で高位の子息達と仲良くなり卒業パーティーで断罪すると言って婚約破棄を行い婚約者達を追放しようとするが、断罪は上手くいかずに悪役令嬢と呼び続けた第1王子の婚約者に逆にざまあされるというものだった。
「待て待て、落ち着け…。私はそんな王子様とかと現実に恋したいなんて思わない!大体婚約していながら他の女性と付き合うなんて浮気じゃん!浮気男なんて絶対繰り返すんだから!私は自分の身分にあった恋をする!絶対に関わらない!」
その日、水溜まりの前で普通の恋がしたいと叫ぶライナー男爵令嬢の姿が見られた。
領民達は、恋をしたい年頃になったんだな~とその光景を暖かく見守っていた。
彼女の強い意志の内容など知らずに…。
前世の私は、大学生だった。
友人たちと旅行に行くために乗ったバスが事故を起こし私は死んだ…。
友人達は大丈夫だったのか?
家族にありがとうさえ言えなかった…。
そんな思いが溢れ出し3日間泣き続けた。
3日間泣き続けた私を心配そうに抱きしめる今世の家族をみたら、今世の家族を大切にしなければと言う思いが強くなっていった。
今世の家族に謝り、その日から私は前を向き後悔しないように生きる事を誓った。
…そして今日思い出してしまったのだ…。
私が転生したのは、乙女ゲーム『君と運命の恋を…』の悪役令嬢ディアナ・ブロッシーだと言うことを!!
ゲームでの私は学園に通っていたから、今はゲームスタート前だ。
学園に通うのは14歳から…今は10歳。
つまり4年しか猶予がない!
断罪されないように生きていかねば!
家族に迷惑をかけられない!
大切な家族だもの!!
そう息巻いていると部屋にお父様が現れた。
そして私を抱き上げると、
「ディアナ!喜べ!ディアナの婚約者が決まったよ!第1王子のオリオン殿下だ!明日顔合わせがあるから用意しておくんだよ?」
私をクルクルと回したお父様は、その後スキップでもしそうな足取りで部屋から出ていった…。
……。
終わった…。
婚約者にならないように何とか目立たないようにと色々対応していたのに…。
決定してしまったなら仕方がない…。
学園に入るまでに王子殿下から破棄してもらおう!
そうだ!
今のうちに婚約破棄だ!
穏便な婚約破棄だ!!
私は1人部屋で拳を握りしめ心に固く誓った。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
カリンside
「待って!?私もしかしてあの小説に転生している!?私卒業パーティーで王子達と断罪をしようとして、逆にざまあされる自称ヒロインじゃん!!?」
水溜まりにうつる自分を見て、前世自分が読んでいた小説『運命の君?それなら仲良く地獄へどうぞ?』に転生している事に気がついた。
その小説の内容は、自称ヒロインが学園で高位の子息達と仲良くなり卒業パーティーで断罪すると言って婚約破棄を行い婚約者達を追放しようとするが、断罪は上手くいかずに悪役令嬢と呼び続けた第1王子の婚約者に逆にざまあされるというものだった。
「待て待て、落ち着け…。私はそんな王子様とかと現実に恋したいなんて思わない!大体婚約していながら他の女性と付き合うなんて浮気じゃん!浮気男なんて絶対繰り返すんだから!私は自分の身分にあった恋をする!絶対に関わらない!」
その日、水溜まりの前で普通の恋がしたいと叫ぶライナー男爵令嬢の姿が見られた。
領民達は、恋をしたい年頃になったんだな~とその光景を暖かく見守っていた。
彼女の強い意志の内容など知らずに…。
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