魔女は生涯怠惰で過ごしたい~誰かの為になんてもう嫌です~

水江 蓮

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『やっと来たの?掃除はしておいたわよ。』

この部屋に住み着いている妖精が話しかけてきた。

「いつもありがとう。よく掃除なんてする気がおきるわね…。」

『あんたが掃除しないからよ!もう慣れたけど今から片付けるの?』

「そうそう。今日届いたんでしょ?急いで処理しないと使えなくなる物あるだろうからね…。」

溜息を吐きながらマリエッタは荷物を片付け始めた。

「やっぱり未乾燥の薬草が入っている。急いで来てよかった。風の妖精さん乾燥させるの手伝って!」

それぞれの薬草を束にし、棚に掛けていく。

『その棚の片付け方もどうかと思うんだけど…?一つも正式名称が書かれていないじゃない。もう忘れたんじゃない?』

「一応何となくは覚えているわよ?多分…?まぁ、私以外使う訳じゃないからいいじゃない?」

『確かに?んで、今日は何を調合する予定なの?』

「何をってとりあえず今ある材料でできるだけ多くの薬作るかな?何回も分けて作業するの面倒だから纏めてやってしまう。」

『大雑把に入れるのにちゃんとした薬が作れるんだもんね。そこは認めてあげるわ。』

「褒めてくれてありがとう。さて、せっかくだし、薬の瓶並べておいて。まずは熱冷ましから作っていくから。その後頭痛薬、胃薬、湿布…。あとは咳止めに腹痛もか…。熱冷ましの瓶から並べてくれたら後は勝手に詰め替えていくから。頼んだ。」

『はいはい。賃金いただきますからね?』

「分かった。」

そう言うとマリエッタは砂糖に自分の魔力を込めて、小さな飴を数十個作った。
そしてそれを瓶に詰め替えて妖精の前に置いた。

「とりあえずこれで今日の分は足りるでしょ?じゃ、私は作業するから。」

妖精が頷くのを確認したマリエッタは、その後黙々と薬を作り続けた。
全てを作り終えたマリエッタは店の戸棚への収納を店にいた妖精に頼み、自室のベッドに倒れ込んだ。

「あー!!もう量が多かった!魔力切れるかとおもった!」

マリエッタが愚痴るとリス達が、

『1回で全てを調合しようとするのが間違いなんだよ。普通の魔女は少しづつ調合するんでしょ?』

と話しかけてきた。
確かにマリエッタのように大鍋で薬を作る魔女はいない。
皆正確に量を測り一つづつ丁寧に仕上げるのだ。

「そうだけど、それだと時間が掛かるじゃない。1度でできるなら1度で終わらせた方がいい。何回も同じ薬作るとか飽きちゃうし。」

リス達は呆れた顔をした。
飽きる飽きないの問題ではなく、本来出来ない事なのだ。

それを軽々とやってのける魔女。
自覚のない天才。
それがマリエッタだった。

「まぁ、薬作り終えたから今日は寝る!明日開店するかは明日考える…。」

『あ、寝ちゃダメ!マリエッタ!ご飯!お風呂!』

そう必死にリス達が伝えるもマリエッタはもう夢の中の住民だった。
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