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また会える2
しおりを挟むとんとんと拳で胸を叩く。
高遠さんは、切なくて苦しくなるような顔をしていた。
……きっとアタシもおんなじ顔をしてる……
「………だから、また会える」
「そうだね。また会えるよ」
半分は、自分に言い聞かせるようにして言った。
「……じゃあ、またね?」
「うん。またね……」
アタシにはまだ高遠さんの歩みを止めるだけの力はない。
高遠さんには、どこまでも遠くまで歩いていって欲しい。
そこでたくさんの知識や見聞をひろめて欲しい。
遠ざかっていく後ろ姿を見つめながら、アタシは涙を流していた。
だから、アタシが追わなくちゃダメなんだ。高遠さんに近づけるように。
今回は、会社の力を借りたけど、自分の力で近づかなくちゃいけないんだ。
だって。高遠さんは自分の力でそこに立ってる。アタシが弱音を吐いて甘えるだけ、甘えさせるだけなんて関係じゃダメなんだ。
「渡辺、大丈夫」
涙をぬぐって尾上さんの所へ行くと、目を丸くして心配してくれた。
「自分が、甘い、ってよくわかりました…」
ごしごしっと目をこすって涙の後をごまかしたのに、それだけで騙される尾上さんではないようで、問い掛けられた。
「高遠裕也と話していたね。彼が原因?」
尾上さんは、苦虫を噛み潰したような顔になる。
「彼に会えたら、渡辺のスキなんてただの憧れだってわかると思ってた」
尾上さんが細く息を吐きながら、言葉を漏らした。
「憧れてました。でも、今日仕事を見ていて、尊敬できる人だと思いました。仕事に対する取り組み方が、真面目で…それでいて、まわりを巻き込んで楽しかったので…」
「それは、俺が合わせたから知った事なんだよね?」
尾上さんは顔をしかめた。普段のにこやかな尾上さんとは別人のように、いらいらとした感情が透けて見える。
「…会わせなければ良かったよ」
アタシは少し笑った。唇がほんの少しだけ上がった。
「たとえ今日会えなかったとしても、一ヶ月後かもしれないし一年後かもしれないけれど、アタシは高遠さんと会っていたと思います」
「原因というか…頑張る元かな」
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