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貸し切り
しおりを挟む記事のほうは、どこで撮られた写真なのかという説明と、その時の状況が書いてあった。
高遠さんと倉持さんの関わりにも、ちょこっと触れていた。ドラマの撮影現場で仲良く話しているとか。
高遠さんは、友達だと言ったけど本当は付き合っているのかもしれない。
高遠さんは友達だと思っていても、倉持さんは恋愛感情があるのかもしれない。
あとは、本当に友達なだけだとか……
ありそうなパターンが、クルクルと頭で回っていて、どれも本当のことみたいで、アタシの頭はいっぱいになってしまう。
しばらく雑誌を広げたままぼんやりしてしまった。
我にかえったのは、扉が開いて、店員さんがお客様に『いらっしゃいませ』と声をかけたからだった。
アタシは慌てて雑誌コーナーを離れて、商品を見るふりをして店内を回ってから店を後にした。
ただ、実際に写真を見てわかったことが あった。
高遠さんに繋がる細い細い糸を手繰っていくのなら、そのどこかで関わるようになっていたのかもしれない。
定時とはいえ、仕事が終わった時間に行くことに抵抗はあった。
彼に話を聞くだけの余裕があるのかわからなかったけれど、こんな気持ちのままでいるくらいなら、仕事が終わるまで待つつもりだった。
覚悟を決めて店まで来ると、明かりのついた店の外には『貸し切り』の看板が下がっていた。
ここは、高遠さんの舞台を見た後にアタシが逃げてきたお店だ。
そして高遠さんと倉持さんの写真に撮られていたお店でもある。
店長さんは、高遠さんのことを知っているのかもしれない。
アタシは少しでも写真のことが知りたくて、ここまで来てしまった。
思いきって引き戸を開けると、店には店長しかいなくて、ほっとした。
「未也ちゃん、いらっしゃい。よく来たね」
笑顔で迎えてくれる店長に、安心しておずおずと店に入る。
「貸し切りみたいですけど、少しだけ話を聞いてもいいですか」
厨房のまな板の上には、何も乗っておらず、まだ忙しい時間帯ではなかったのかと胸を撫で下ろす。
「かまわないよ。裕也のことだろう」
まっすぐな包丁使いのように、すっと核心に切り込んでくる。
「やっぱり知っていたんですね。写真週刊誌の写真がここのお店で撮られたみたいだから……」
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