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追放
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「トミツ、お前を俺たちのパーティーから追放する」
そう言ったのは、俺が入っているパーティー『刹那の奇跡』のリーダー、リボンズだった。
『刹那の奇跡』は当初Eランクパーティーだったが実力が伸びず悩んでいた。そんな彼らを心配した冒険者ギルドのギルマスが俺にパーティーに入って力になって欲しいと頼んで来たので入ったのだ。それからは俺がアドバイスしたり、指導したり、戦い方を教えた。
そのかいもあって、たった数年でSランクパーティーになったのだ。
しかし、それは何も良いことばかりではない。刹那の奇跡は男性二人、女性三人の五人パーティーだった。男性二人は俺とリーダーのリボンズだ。そして女性三人はいろいろ教えてくれた俺のことを慕っていた。つまり、リボンズにしたら面白くなかったのだ。だから、Sランクに上がったこのタイミングで俺を追放しにきたのだろう。
(まぁ、俺としてもいつまでもこのパーティーにいる意味はないしな。丁度いいか)
「……そうか、わかった」
そう答えると。この場に居た全員が驚いた表情になった。
「えっ、本当にいいのか?もうちょっとこう…食い下がったり、理由を聞いたりとかさ?」
「そうよ、普通、理不尽に追放なんて言われたら怒るわよ?」
「……あっさりすぎる」
「そうです!トミツさんは何時も私達を助けてくれたじゃないですか!なんで怒らないんですか!」
パーティーメンバー達が納得がいかないと声を出すが俺はもう決めたのだ。
「別に怒る事でもないだろ?俺の働きが評価されなかった。だからこその追放なんだろ?じゃあ俺は此処を出て行くから。これからも頑張れよー」
そう言って俺は今まで泊まっていた宿をあとにした。
~その後の部屋では~
「ねーリボンズ、どうすんのよ?彼本当に出て行ったわよ」
「そう言われてもな-、俺もまさか本当に出て行くとは思わなかった」
「…今からでも彼を追って謝りに行くべき」
「でも、彼のあの様子では例え謝ったとしても戻って来てくれるとは限らないわよ?何かこのパーティーに未練がなさそうだったし」
「そうだな~、どうすべ……」
暗い雰囲気に包まれていた。彼女達はリーダーがトミツを追放すると言われた時当然怒った。だがリーダーであるリボンズも彼の事は慕っていたのだ。それでも、追放しようとしたのは彼の行動を縛りたくなかったからだ。リボンズはトミツはもっと大物になると思っていた。そんな彼を自分達のせいで埋もれさせておくのは勿体無いと思ったのだ。
その事をパーティーに話すと許してくれた。
但し、彼が残りたいと言ったらその時は今まで通り活動する事にした。
皆思っていたのだ、彼ならば納得できずに怒るだろうと……。
でも結果はまったくの逆彼は何も言わずにさってしまった。だから途方にくれてしまったのだ。
そんな時、突然パーティーメンバーの一人の女性が大声を出した。
「そんなの決まってます!今すぐ追いかけるんですよ!今ならまだ間に合う筈です。私、追いかけます!」
「ちょっと!!ミーア!」
ミーアは部屋を飛び出して行った。
そう言ったのは、俺が入っているパーティー『刹那の奇跡』のリーダー、リボンズだった。
『刹那の奇跡』は当初Eランクパーティーだったが実力が伸びず悩んでいた。そんな彼らを心配した冒険者ギルドのギルマスが俺にパーティーに入って力になって欲しいと頼んで来たので入ったのだ。それからは俺がアドバイスしたり、指導したり、戦い方を教えた。
そのかいもあって、たった数年でSランクパーティーになったのだ。
しかし、それは何も良いことばかりではない。刹那の奇跡は男性二人、女性三人の五人パーティーだった。男性二人は俺とリーダーのリボンズだ。そして女性三人はいろいろ教えてくれた俺のことを慕っていた。つまり、リボンズにしたら面白くなかったのだ。だから、Sランクに上がったこのタイミングで俺を追放しにきたのだろう。
(まぁ、俺としてもいつまでもこのパーティーにいる意味はないしな。丁度いいか)
「……そうか、わかった」
そう答えると。この場に居た全員が驚いた表情になった。
「えっ、本当にいいのか?もうちょっとこう…食い下がったり、理由を聞いたりとかさ?」
「そうよ、普通、理不尽に追放なんて言われたら怒るわよ?」
「……あっさりすぎる」
「そうです!トミツさんは何時も私達を助けてくれたじゃないですか!なんで怒らないんですか!」
パーティーメンバー達が納得がいかないと声を出すが俺はもう決めたのだ。
「別に怒る事でもないだろ?俺の働きが評価されなかった。だからこその追放なんだろ?じゃあ俺は此処を出て行くから。これからも頑張れよー」
そう言って俺は今まで泊まっていた宿をあとにした。
~その後の部屋では~
「ねーリボンズ、どうすんのよ?彼本当に出て行ったわよ」
「そう言われてもな-、俺もまさか本当に出て行くとは思わなかった」
「…今からでも彼を追って謝りに行くべき」
「でも、彼のあの様子では例え謝ったとしても戻って来てくれるとは限らないわよ?何かこのパーティーに未練がなさそうだったし」
「そうだな~、どうすべ……」
暗い雰囲気に包まれていた。彼女達はリーダーがトミツを追放すると言われた時当然怒った。だがリーダーであるリボンズも彼の事は慕っていたのだ。それでも、追放しようとしたのは彼の行動を縛りたくなかったからだ。リボンズはトミツはもっと大物になると思っていた。そんな彼を自分達のせいで埋もれさせておくのは勿体無いと思ったのだ。
その事をパーティーに話すと許してくれた。
但し、彼が残りたいと言ったらその時は今まで通り活動する事にした。
皆思っていたのだ、彼ならば納得できずに怒るだろうと……。
でも結果はまったくの逆彼は何も言わずにさってしまった。だから途方にくれてしまったのだ。
そんな時、突然パーティーメンバーの一人の女性が大声を出した。
「そんなの決まってます!今すぐ追いかけるんですよ!今ならまだ間に合う筈です。私、追いかけます!」
「ちょっと!!ミーア!」
ミーアは部屋を飛び出して行った。
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