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何でも屋
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「俺、冒険者を辞めて暫く旅に出てくるわ」
冒険者ギルドの最高責任者であるグランドマスターにそう言ってまだ誰も踏み入れたことがない秘境などをみに旅に出た。
~~あれから10年後~~
俺ことキシンは、オールン王国の王都その活気溢れる大通りから脇道に入り、いりくんだ道で何処の街にもあるスラム街の近くに『何でも屋』と言う店を構えていた。
「あ~、今日も暇だな~」
「そりゃ~こんな場所で更にこんなボロく、いつ吹き飛んでも可笑しくない外見の店に入りたがる客なんていないだろう」
そう言うのは俺の頼れる相棒である精霊王のカガーリン。冒険者時代に出会い一緒について来た変わり者だ。
「そりゃそうだけどさ~、でも、俺たちがちゃんとした場所に店出したらそっちの方が問題が起きそうじゃん。ただで際俺たちが売ってる物が物なんだしさ!
それにその為に此処等一帯は俺が姿を変え、名前を変えして買い取ったからな、ダミーの店も用意したし俺の結界魔法もある。妖精や精霊達も動きやすいだろうさ!」
「確かにそうだな」
ちなみに、店の外見だが一言で言えば廃屋である。壁には所々穴があり其処を木の板で塞いでおり、窓は曇り更に蔦が絡まっている。おまけに店内も最小限の灯りしかなく薄暗い。更に店の回りの路地も薄暗い為、パッと見潰れ掛けの店にしか見えないのだ。
そんな話をしていたのだが…
「すみませーん」
店の立て付けが悪いドアがギーと音を立てて開き一人の薄汚れた少女が入って来た。
ちなみに相棒の精霊王は姿を消している。
「いらっしゃい、何でも屋にようこそ」
俺が入って来た少女に挨拶すると、少女はびっくりした顔をしたあと何か言おうとするがためらって言えない様子だったので、
「どうしたんだい嬢ちゃん?悩みがあるなら聞くよ?」
そう言うと少女は決意が出来たようだ。
「あの、実はお母さんが病気で薬を買いに行ったんです。でも、怖いお兄さん達に捕まって持っていたお金を取られてしまって…
それで、途方に暮れて歩いていたら目の前にこのお店?を見つけて、気がついたら…」
「入っていたんだね?にしても嬢ちゃんは運がいいね!此処は『何でも屋』だからね。店構えはあれだが何でも揃っているよ。とりあえず嬢ちゃんの怪我を治そうか」
俺がそう言うと少女は驚いた様で
「でも私、お金を持って無いです」
と言うので
「それはさっき聞いたから知ってるよ。だから安心しな、お金は用意出来たときでいいよ。何ヵ月、何年、何十年たっても構わないからね。ちなみに料金だが嬢ちゃんの怪我の治療費と母親の薬代、後は栄養剤と簡単な料理等全て合わせて銅貨10枚でいいよ」
そう言いながら少女を見ると固まったまま動かなかった。何回か声を掛けるも返事がないので取り敢えず品物を用意することにした。
「っは」
品物の準備が出来たのでお茶を飲みながら少女が復活するのを待っていると、やっと気が付いたのかそんな声が聞こえた。
「気が付いたかい嬢ちゃん」
「はい、何だか現実ではあり得ない事を提案されたきがしました」
「残念だが現実じゃよ。安心しな、私は嘘は言わんから。ほれ、品物も準備できとるよ。あと嬢ちゃんの怪我も治しといたからな。」
「本当だ、怪我が治ってる…」
少女は私の言葉で自分の身体をみて怪我が治ったのを確認すると涙を流してお礼を伝えてきた。
「ほれ、早く帰って母親を元気にしてやんな。帰りは店をでて右に真っ直ぐ行くとちゃんとした道に出るよ」
そう伝えると少女は「ありがとうございます。料金は準備出来たらちゃんと支払いに来ます」と言い帰って行った。
少女が帰ると今まで姿を消していた精霊王が姿を表した。
「精霊達はしっかり仕事をしたみたいね。それはそうと貴方のあの喋り方はなんなの?笑いを堪えるの大変だったわよ」
「しょうがないだろ、今の俺は魔法で姿をお婆さんにしているんだから。大体、こんな見た目の店の主が若い男性なんて違和感が半端ないだろ。こういう店には暇をもて余してる様なお婆さんが似合いそうじゃん?」
「私には良くわからないわ」
「え~、っま、本音は、本当の姿はしれ渡っているからなんだけどね」
その後も精霊王のカガーリンと二人で話ながら1日は過ぎていった。
冒険者ギルドの最高責任者であるグランドマスターにそう言ってまだ誰も踏み入れたことがない秘境などをみに旅に出た。
~~あれから10年後~~
俺ことキシンは、オールン王国の王都その活気溢れる大通りから脇道に入り、いりくんだ道で何処の街にもあるスラム街の近くに『何でも屋』と言う店を構えていた。
「あ~、今日も暇だな~」
「そりゃ~こんな場所で更にこんなボロく、いつ吹き飛んでも可笑しくない外見の店に入りたがる客なんていないだろう」
そう言うのは俺の頼れる相棒である精霊王のカガーリン。冒険者時代に出会い一緒について来た変わり者だ。
「そりゃそうだけどさ~、でも、俺たちがちゃんとした場所に店出したらそっちの方が問題が起きそうじゃん。ただで際俺たちが売ってる物が物なんだしさ!
それにその為に此処等一帯は俺が姿を変え、名前を変えして買い取ったからな、ダミーの店も用意したし俺の結界魔法もある。妖精や精霊達も動きやすいだろうさ!」
「確かにそうだな」
ちなみに、店の外見だが一言で言えば廃屋である。壁には所々穴があり其処を木の板で塞いでおり、窓は曇り更に蔦が絡まっている。おまけに店内も最小限の灯りしかなく薄暗い。更に店の回りの路地も薄暗い為、パッと見潰れ掛けの店にしか見えないのだ。
そんな話をしていたのだが…
「すみませーん」
店の立て付けが悪いドアがギーと音を立てて開き一人の薄汚れた少女が入って来た。
ちなみに相棒の精霊王は姿を消している。
「いらっしゃい、何でも屋にようこそ」
俺が入って来た少女に挨拶すると、少女はびっくりした顔をしたあと何か言おうとするがためらって言えない様子だったので、
「どうしたんだい嬢ちゃん?悩みがあるなら聞くよ?」
そう言うと少女は決意が出来たようだ。
「あの、実はお母さんが病気で薬を買いに行ったんです。でも、怖いお兄さん達に捕まって持っていたお金を取られてしまって…
それで、途方に暮れて歩いていたら目の前にこのお店?を見つけて、気がついたら…」
「入っていたんだね?にしても嬢ちゃんは運がいいね!此処は『何でも屋』だからね。店構えはあれだが何でも揃っているよ。とりあえず嬢ちゃんの怪我を治そうか」
俺がそう言うと少女は驚いた様で
「でも私、お金を持って無いです」
と言うので
「それはさっき聞いたから知ってるよ。だから安心しな、お金は用意出来たときでいいよ。何ヵ月、何年、何十年たっても構わないからね。ちなみに料金だが嬢ちゃんの怪我の治療費と母親の薬代、後は栄養剤と簡単な料理等全て合わせて銅貨10枚でいいよ」
そう言いながら少女を見ると固まったまま動かなかった。何回か声を掛けるも返事がないので取り敢えず品物を用意することにした。
「っは」
品物の準備が出来たのでお茶を飲みながら少女が復活するのを待っていると、やっと気が付いたのかそんな声が聞こえた。
「気が付いたかい嬢ちゃん」
「はい、何だか現実ではあり得ない事を提案されたきがしました」
「残念だが現実じゃよ。安心しな、私は嘘は言わんから。ほれ、品物も準備できとるよ。あと嬢ちゃんの怪我も治しといたからな。」
「本当だ、怪我が治ってる…」
少女は私の言葉で自分の身体をみて怪我が治ったのを確認すると涙を流してお礼を伝えてきた。
「ほれ、早く帰って母親を元気にしてやんな。帰りは店をでて右に真っ直ぐ行くとちゃんとした道に出るよ」
そう伝えると少女は「ありがとうございます。料金は準備出来たらちゃんと支払いに来ます」と言い帰って行った。
少女が帰ると今まで姿を消していた精霊王が姿を表した。
「精霊達はしっかり仕事をしたみたいね。それはそうと貴方のあの喋り方はなんなの?笑いを堪えるの大変だったわよ」
「しょうがないだろ、今の俺は魔法で姿をお婆さんにしているんだから。大体、こんな見た目の店の主が若い男性なんて違和感が半端ないだろ。こういう店には暇をもて余してる様なお婆さんが似合いそうじゃん?」
「私には良くわからないわ」
「え~、っま、本音は、本当の姿はしれ渡っているからなんだけどね」
その後も精霊王のカガーリンと二人で話ながら1日は過ぎていった。
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