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しおりを挟む「婚約解消で動き回ったって聞いてたけど元気そうでよかった」
そこに居たのはほんの数ヶ月前まで毎日隣にいた人、私の婚約が決まった途端に居なくなってしまった男
晴れた日の蒼空の瞳に焦げ茶の髪、最後に会った時よりもかなり長くなっていた髪がしっぽの様に伸びていたが間違いなく本人だ。その名はアルフレッド・サンス、従兄弟であり公爵家の子息でもある。
「アル…どうしたの?」
彼の後ろから取り出されたのは私の好きな色とりどりのガーベラの花束、そして跪いてそれを私に差し出した。何事??
「君の仕事が早すぎて僕が手を出す前に婚約解消いて慌てて会いに来た。結婚して下さい」
「はい??????」
なんて???
「ありがとう、義父上には通してあるから今すぐ教会に行こうか」
持っていた花束を私に持たせ、流れる様に抱き上げられて今入ってきた扉からそのまま外へ出ようとするアルフレッドに声をあげるが、そのまま再び外へ出てしまった。
「ちょ、違う、待って、そうじゃない分かってやってるでしょう!?そしてお父様も噛んでるのね?!」
しかも出て直ぐに馬車がそのまま用意されている周到さにこれは父以外に沢山アルフレッドの協力者がいるらしいのは分かった、そもそも家の主人らが不在時に家に居た時点で不思議に思うべきだった。
まあ考える間なんてない電光石火の再外出だけど。
馬車ではアルフレッドの膝に乗せられ後ろからがっちり捕まって移動しました、出荷される動物ってこんな気分なのかしらね…。
そうしてやってきた教会がまさかの王族の婚姻等に使用される由緒あるかつ格式が漂う所でした。
あれよあれよと言う間に婚姻が認められ気が付けば屋敷の私の部屋だった。何が何だかよく分からないが言おう。
どうしてこうなった???
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